高齢者が運動の一環や移動手段として自転車に乗る機会も多いですが、正しく乗らないと大きな事故になってしまう可能性があります。
実際に高齢者の事故は各自治体でも多く報告されており、安全に乗ることが求められているのです。
本記事では、高齢者が安全に自転車に乗る方法や注意点、選ぶときのポイントについて詳しく解説します。
目次
高齢者の自転車利用は介護予防にもつながる
要介護状態になりにくくするための「介護予防」は水泳やウォーキングなどが代表的な方法ですが、自転車も介護予防に効果的なのです。
水泳やウォーキングを継続するのが難しい方であっても、移動手段として利用できる自転車であれば継続することは簡単でしょう。
自転車は足腰の筋肉を主に使用するため、筋肉量の増加や骨密度の向上などの効果が期待できます。
ただし、電動アシスト付き自転車の場合は筋肉を使う頻度が少ないため、介護予防の観点から自転車に乗る場合は電動アシスト付き自転車以外を選ぶといいでしょう。
高齢者が安全に自転車に乗る方法
高齢者が自転車に乗るときは以下のポイントを抑えて乗ると安全です。
- ハンドルとサドルの高さは10cmを目安にする
- 反射板や前方のライトだけでなく、後方にも反射板やライトを付ける
- 両足がしっかりと地面に付くサドルの高さにする
高齢者は反射神経が衰えている場合が多いため、俊敏な動きをしないようにするためにも、車や自転車により早く発見してもらうため夜間は前方後方の両方に反射板とライトを取り付けることや、片足だけではなく両足が地面に付くようにサドルの高さを調整すると安全です。
高齢者が安全に自転車に乗るときの注意点
高齢者が安全に自転車に乗るときの注意点は以下の通りです。
- ヘルメットを着用する
- 自転車保険に加入する
- 発車時がもっともバランスを崩しやすい
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
1.ヘルメットを着用する
道路交通法 第63条の11第1項において”自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。”と定められている通り、自転車利用時にヘルメットを装着することは努力義務として設定されていますが、高齢者の場合はヘルメットをかならず着用するようにしましょう。
(参照:警視庁「自転車用ヘルメットの着用」)
高齢者は若年層に比べて視覚能力や身体能力が低下するため自転車転倒事故が多く、転倒時に頭を打ってしまうと重大な事故になってしまうことがあります。
(参照:自転車の安全利用促進委員会)
2.自転車保険に加入する
自転車事故が重大な事故につながる可能性の高い高齢者は、自転車保険に加入することがおすすめです。
自転車保険の中には個人賠償責任だけを補償してくれるだけでなく、自身のケガや入院費用、手術費用などを補償してくれる内容が盛り込まれている保険もあります。
自転車保険は年間3,000円前後で加入できるものが多いため、加入すると安心です。
3.発車時がもっともバランスを崩しやすい
自転車は速度の出ていない発車時がもっともバランスを崩しやすいということを覚えておきましょう。
中でも横断歩道や交通量の多い場所での発進は避け、安全な場所までは自転車を押して進むようにすると安全です。
高齢者が自転車を選ぶときのポイント
高齢者が自転車を選ぶときのポイントは以下の通りです。
- 軽い自転車を選ぶ
- 目的に応じた自転車を選ぶ
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
1.軽い自転車を選ぶ
高齢者の自転車運転では、降りて押して進むことも多いため、車体の重量が軽い自転車を選ぶことが大切です。
一般的な自転車は重量があるため腕だけでは支えられずに転倒する恐れもあります。
自転車を選ぶときに実際に押してみるといいでしょう。
2.目的に応じた自転車を選ぶ
身体に極力負担をかけずに自転車に乗る場合は電動アシスト付き自転車がおすすめですが、介護予防の一環として自転車に乗る場合は一般的なギア付きのママチャリがおすすめです。
このように、目的に応じて適切な自転車は異なりますので、目的を明確にした上で自転車を選ぶようにするといいでしょう。
まとめ
本記事では、高齢者が安全に自転車に乗る方法や注意点、選ぶときのポイントについて詳しく解説しました。
最近では高齢者でも自転車に乗る機会が多いことから、高齢者向けの自転車も登場しています。
そのため、高齢者でも自転車に安全に乗ることはできますが、万が一のときに備えて万全の対策をすることを忘れてはいけません。
ぜひ本記事を参考にして高齢者でも安全に自転車を利用してみてください。