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要介護1は軽度な介護が必要な状態!費用や介護事例を丁寧に解説

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要介護1の認定をご自身またはご両親が受けて、「要介護1」とはなにかと思われた方が多いかと思います。

要介護1とは、一体どんな状態なのか分からない、少し聞いたことはあるけど、実際どんな場合に要介護1の認定を受けるのか。

また、それによってどんなサービスを受けることができるのか。

ここでは、要介護1とは何か、そして要介護1と認定されることによって、どのようなサービスが受けられたり、その要介護度に不満のある場合の対処法などを述べています。

では、解説していきます。

 

1.要介護1とは軽度な介護が必要な状態

要介護1は要介護認定を受ける所から始まります。

まず、要介護に認定されるとは、「ある一定の水準を満たし、介護が必要とされる」という認定を受けることを言います。要介護は、要支援1〜要介護5に区分されています。

要介護度 状態
要支援1 日常生活の能力は基本的にあるが、要介護状態とならないように一部で支援が必要とする状態
要支援2 立ち上がりや歩行が不安定。排せつ、入浴などで一部の介助が必要だが、身体の状態の維持または改善の可能性がある状態
要介護1 立ち上がりが不安定で、排せつ、入浴などで一部介助が必要な状態
要介護2 起き上がりが自力では困難で、排せつ、入浴、衣類の着替えで全介助が必要とする状態
要介護3 起き上がり、寝返りが自力ではできず、排せつ、入浴、衣類の着替えなどで全介助が必要とする状態
要介護4 日常生活能力の低下が見られ、排せつ、入浴、衣類の着替えなど多くの行為で全介助が必要とする状態
要介護5 介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能で、意思伝達も困難な状態

 7つの段階がある要介護の中で、要介護1とは、「立ち上がりや歩行が困難で、排泄や入浴などで一部の介助が必要とされる状態」のことをいいます。要介護1は、要介護認定の区分の中では、要支援1・要支援2・要介護1同様、「軽度」に当てはまります。

 

2.要介護1のお金事情

 

2-1. 要介護1と公的介護保険

要介護度によって、介護保険の支給される金額が変わってきます。

介護保険とは、国からもらえる「公的介護保険」のことです。40歳以上の方全員が加入し、介護を社会全体で支え合おうということを目的とした、保険制度のことをいいます。65歳以上で、介護が必要となれば、各市町村の窓口で申請をします。認められればその方は、介護サービスを利用することができます。(*しかし、40歳以上で65歳未満の場合、老化が原因の特定の疾患で支援や介護が必要と認定された時のみ介護サービスを利用できます。)

介護保険において、決められている限度額が、以下のようになっています。

公的介護保険を利用したサービスには、訪問介護、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリ、デイサービス、等があります。

訪問介護では、具体的に、身支度や身の回りのお世話をお願いすることができます。また、外出することが困難な場合、お買い物の代行も依頼することが可能です。

要介護度によって、金銭面の違いがあることを理解したところで、次に要介護1の方が実際に様々なサービスを受ける際にかかる費用について解説していきます。

 

2-2.要介護1の費用の事例を解説

要介護1の認定を受けると、「介護給付」と呼ばれる、介護保険で利用できるサービスを受けることが可能になります。

公的介護保険を利用することのメリットは、決められた限度額いっぱいまで、自己負担額が1割〜3割で介護サービスを利用することができるという点です。

ここから、要介護1の認定を受けた場合、どのようなサービスが受けられるのか、そのサービスの限度額を、解説していきたいと思います。

 

2-2-1.在宅介護の事例

 介護保険は、要介護度によって月々の利用できるサービスの限度額が定められています。また、負担額も要介護度ごとに設けられています。

そこで、要介護1の在宅介護のケースを紹介します。

例)84歳の坂本美津子さん(仮名)の場合

坂本さんは現在、要介護1認定を受けた86歳で、5年前に夫の徳次郎さん(仮名)を亡くし、一人暮らしです。一人暮らしで、唯一の一人娘である、43歳で会社勤めの加奈子さん(仮名)も、なかなか美津子さんを訪ねにくることができません。

そこで、美津子さんは、週末の午後のみ加奈子さんに、お手伝いにきてもらう代わりに、平日の日中は、デイサービスを依頼することにしました。以下の図の緑色に塗りつぶされいる時間は、美津子さんがデイサービスを利用される時間帯です。

デイサービスでは、排泄や入浴の一部の介助をはじめとしたお手伝いをしてもらうことで、美津子さんは以前よりも、生活しやすくなります。週末は、午前中の2時間のみ、食品や生活用品などの重いもののお買い物や部屋の掃除や洗濯を依頼しています。そうすることで、午後に訪ねてくる、加奈子さんと2人の時間を大切に過ごすことができます。

 

 よって、坂本さんの場合、

 デイサービス:入浴介助付きの6時間(週5回)

 身体介助(自宅での食事、入浴、排せつなどの介助):30分未満(週2回)

 生活援助(食事、掃除、買い物などの生活面での援助):70分未満(週2回)

 合計で、自己負担額は18,566円となります。

 

つまり、要介護者には、排せつや入浴の介助をしたり、本人がどのような生活がしたいのか話し合い寄り添い、プランを考える必要があります。

次に、在宅ではなく、実際に施設に入って介護サービスを受けたいという方に、施設入居サービスを説明していきたいと思います。

 

2-2-2. 施設入居の事例

 施設入居といっても、幾つかの種類の施設があります。主な、施設は以下の通りです。

介護老人福祉施設
(特別老後老人ホーム)
常時介護が必要で、自宅での生活が困難な人に、介護や機能訓練、療養上の世話を行う施設。
介護老人保険施設
(老人保険施設)
病状の安定した人に、看護やリハビリを中心とした医療ケアと介護を行う施設
介護療養型医療施設
(療養型病床郡)
長期にわたる療養や介護を行う医療施設
介護医療院 医療機能と生活施設としての機能を兼ね備えた施設

このように、数多くのサービスがあるため、家族と本人で話し合い、決断する必要が考えられます。

その際に、上記の表を参考にしていただけたら幸いです。

また、要介護1の認定を受けたが、認定されて月日が経ち、状況が変わってきた際、その要介護度に不満が出てくる場合もあるかもしれません。

次の章では、要介護1に不服がある場合の対応について、説明していきたいと思います。

 

3.要介護1に不服がある場合の対応

 

要介護1という、要介護度に対して不服がある場合、どのように、対応したらいいのか解説していきます。

なぜならば、要介護度によって負担額が変化してくるからです。

もし、その要介護度に不満が出てきた場合、どのように対応したらいいのかを具体的に説明していきます。

 

3-1. 介護保険審査会に不服の申し立てをする

まず、要介護度の認定結果に不満がある場合、各都道府県に設けられている「介護保険審査会」に、「審査請求(不服申立て)」をすることができます。認定結果の通知を受けた翌日から3ヶ月以内に申請する必要があります。この際に、被保険者本人ではなく代理人が提出する場合のみ、委任状も必要になります。

しかし、審査申請は、審査結果が出るまで、数ヶ月かかってしまうのが普通です。そのため、早急に請求を行うことができません。そこで、使われることが多いのが、「区分変更の申請」です。

 

3-2. 区分変更をする

区分変更は、認定後にご本人の状態が変わった際に、次の更新を待たずに、認定調査をする方法のことをいい、介護保険審査会に要介護の認定の請求をするよりも早く、およそ30日以内で結果がでます。そのため、介護保険審査会よりも利用されることが多いです。

手順としてはまず、もう一度認定調査を受け、かかりつけの医師に意見書を発行してもらい、介護認定調査会を通して行われます。

そうすることで、およそ30日程度で、結果がでるため、介護保険審査会に審査請求(不服申立て)をし、3ヶ月も待つ必要はありません。

 

4.まとめ

要介護1のこれまでの解説、いかがでしたでしょうか。

要介護1と一口でいっても、介護保険を利用して使えるサービス、介護保険の利用限度額など、様々です。被保険者である、ご本人とご家族の皆さまでよく話し合い、ご決断されることを推奨させてもらいます。

少しでも、皆様の不安や疑問を減らし、参考にしていただけたら幸いです。

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