高齢者の咳込みはケガを引き起こすことや、病気のサインとなっていることも多いため、”ただの風邪”として見過ごしてはいけません。
高齢者の風邪は重大な病気のサインとなっている場合もあるため、継続する咳込みがみられる場合はすぐにかかりつけ医に相談することを視野に入れなければなりません。
とはいえ、高齢者の咳込みのリスクを知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、高齢者の咳込みで注意すべき点や病気との関連性について詳しく解説します。
高齢者の咳込みについて詳しく知りたいという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
高齢者は慢性的な咳込みになるケースが多い
65歳以上の高齢者は、65歳未満に比べると急性・慢性の咳込みが発生するリスクが高いことが分かっています。
高齢者に咳込みが発生する原因はさまざまですが、喫煙・喘息・鼻炎が多いとされており、韓国で行われた調査によると慢性的な咳込みとうつ病の有病率が関係していることも分かっています。
また、メカニズムは不明な部分が多いものの、糖尿病と慢性便秘の高齢者は咳込みが発生しやすいというデータもあるほど、咳込みの原因は多岐に渡るのです。
(参照:医療法人社団至心医療界臨床呼吸器疾患研究所「呼吸ケアクリニック東京「高齢者の咳とは?」)
高齢者の咳込みで注意すべき点
高齢者の咳込みで注意すべき点は以下の通りです。
- 体力が消耗してしまう
- 骨折につながることもある
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
1.体力が消耗してしまう
1回咳をすると2kcalのエネルギーを消耗すると言われており、100回咳をするとジョギングを30分間行ったのと同じくらいのエネルギーを消耗する計算になります。
高齢者は体力が落ちているため、咳込みが続くと免疫が落ちてしまうなどのリスクがあるのです。
(参照:サワイ健康推進課「放っておくと危ない!長引く咳には要注意!」)
2.骨折につながることもある
咳をするときは背筋が強く収縮されるため、身体の弱っている高齢者が勢いよく咳をしてしまうと肋骨が骨折してしまうこともあります。
高齢者は骨密度が下がっていることはもちろん、骨粗しょう症になっている方は、軽い咳込みでも骨折するリスクがあることを覚えておきましょう。
高齢者の咳込みから推測できる病気
高齢者の咳込みは病気を知らせるサインになっていることもあります。
以下では、咳込みの継続期間や度合いに応じて可能性がある病気について紹介します。
3週間以内に治る咳込みから推測できる病気
3週間以内に咳込みが治っている場合であっても、継続して咳込みが発生している場合は以下のような病気の可能性があります。
- ウイルス性感冒
- 急性気管支炎
- 肺炎
- 結核
(参照:医療法人啓生会 やすだ医院「長引くせき(咳嗽)とはどんな病気でしょう?」/訪問医療マッサージレイス治療院「長引く咳で眠れない!高齢者の咳き込みの原因と症状を緩和させる方法をご紹介します」)
風邪の症状が見られる場合は「ウイルス性感冒」や「急性気管支炎」の可能性が挙げられ、レントゲンで肺に影が見られた場合は「肺炎」もしくは「結核」の疑いが挙げられます。
3週間以上継続して起こる咳込みから推測できる病気
3週間以上継続して起こっている咳込みからは、以下のような病気が推測できます。
- 慢性気管支炎
- 気管支結核
- 放射性肺炎
- マイコプラズマ
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺結核
- 気管支拡張症
- 誤嚥性肺炎
- 喘息
- 肺がん
- 胃食道逆流症
- 心不全
- 後鼻漏症候群
(参照:医療法人啓生会 やすだ医院「長引くせき(咳嗽)とはどんな病気でしょう?」/訪問医療マッサージレイス治療院「長引く咳で眠れない!高齢者の咳き込みの原因と症状を緩和させる方法をご紹介します」)
痰が出ない「乾性咳嗽」が3週間以上続いている場合は、慢性気管支炎や気管支結核などの気管支に以上があることが多く、反対に痰が出る「湿性咳嗽」が3週間以上続いている場合は、慢性閉塞性肺疾患や誤嚥性肺炎などの可能性があります。
どちらの咳にも当てはまる、もしくはどちらにも当てはまらない場合は、喘息や肺がん、心不全などの病気である可能性が挙げられます。
このように、高齢者が3週間以上咳き込む場合は病気と関連しているケースも多いため、早めにかかりつけ医に相談することがおすすめです。
まとめ
本記事では、高齢者の咳込みで注意すべき点や病気との関連性について詳しく解説します。
高齢者の咳込みは健康リスクや病気の可能性があることから、早めに医師に相談する必要があります。
はじめは風邪だと思っていても、2週間以上続く咳込みは風邪以外の異常があることがほとんどであるため、早めに医師に相談することが大切です。
ぜひ本記事を参考にして高齢者の咳込みについて正しく理解し、トラブルが起きる前に正しく対処してみてください。