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介護食は4種類|要介護状態にあった介護食はどう選ぶ?

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・介護食って種類が多すぎてどれがいいのかわからない。。。

・介護している母の食欲がなくなって心配。。。

このような悩みを抱えているのではないでしょうか?

高齢になると、口に入れた食べ物をかむ、飲み込むなどの動作が、スムーズに行われずに食事を行うことが困難になります。

そのため、残存能力に応じた介護食ではないと、のどに詰まらせてしまったり、誤嚥してしまう可能性が高くなります。

最悪の場合には、口腔内の細菌や食べかす、逆流した胃液などが気管支や肺に入ることで生じる誤嚥性肺炎になってしまうかもしれません。

今回の記事では、介護食の種類と目安、介護食で注意するポイントを解説しています。

1.介護と食のつながり

食事は栄養補給以外にも、充実した日々を送るために必要不可欠なものです。

〇栄養不足の防止

高齢になるにつれ、食欲の低下や消化器官機能の低下、咀嚼に必要な筋力の低下などにより、栄養不足に陥りやすくなります。

栄養バランスに気をつけるとともに、身体の状態に合った介護食が必要です。

栄養不足の状態が続くと、免疫力の低下による病気の誘発や脳に栄養が行きわたらず認知機能の低下など様々な悪影響を及ぼします。

〇生きる活力に

食事は栄養補給以外にも精神的な満足感や喜びを得られ、生きがいの一つになります。

また、十分な食事を取ることで、運動や趣味を楽しむ体力を保つこともできます。

在宅介護の日常生活では、あまり楽しみを見つけにくいです。

そのため、1日3度の食事は生きる活力となるでしょう。

〇誤嚥性肺炎の防止

食べ物は飲み込むと、口から食道、胃へと入ります。

しかし、脳血管障害の後遺症や身体の老化により飲み込む機能が低下すると、誤って気管に入ってしまうことがあります。

これがいわゆる「誤嚥(ごえん)」です。

誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌や食べかす、逆流した胃液などが気管支や肺に入ることで生じる肺炎です。

誤嚥性肺炎の防止のためにも、飲み込む機能の状態に合わせた食事が必要です。

2.4種類の介護食

介護食とは、高齢の方でも食べやすいように、調理の工夫をした食事です。

大きく4つの種類があり、噛む力や飲み込む力など身体の状況に合わせ適切な食事を選びましょう。

また、すぐに食べられるパックタイプの介護食や、やわらかく調理してある食材がスーパーやドラックストアなどで売られています。

購入する際も適切な介護食の種類を選ぶ必要があります。

種類 特徴 身体の状態(適切な人)
きざみ食 小さく刻んで食べやすくした食事 飲み込む力はあるが噛む力が弱くなった方
ソフト食 煮込んだり茹でることでやわらかくした食事(舌でつぶせる硬さ) 食べ物を噛むことが難しい方
ミキサー食 ミキサーにかけて液体状にした食事 噛むことがほぼできず、飲み込むことも難しい方
嚥下食 ソフト食をミキサー等でペースト状又はゼリー状にした食事 誤嚥が心配な方

2-1.きざみ食とは

きざみ食は通常食と同じですが、より細かく刻んであるものを言います。

きざみ具合は、要介護者の状態により様々で1㎝ほどの場合もあれば、みじん切りほどの場合もあります。

ただし、単に刻むだけでは食べ物の細かい粒が誤嚥の原因になってしまう可能性もあります。

対策として、水溶き片栗粉などでトロミをつけることをオススメします。

2-2.ソフト食とは

ソフト食とは、舌でつぶせるくらい煮込んだり茹でたりして、やわらかく調理した食事です。

噛む力や飲み込む力が弱くなった方、消化不良を起こしやすい方に適しています。

特徴として、ペースト状ではなく、食べ物の原型が残っているため、要介護者の精神的にも食事として楽しむ

ことができます。

2-3.ミキサー食とは

ミキサー食とは、食事をミキサーにかけ飲み込みやすく液体状にした食事です。

噛むことが難しく、飲み込む力が弱くなった人に適しています。

ミキサー食では、見た目も食感もなくなってしまい、どんな食事を食べているのかわかりずらくなってしまいます。

ミキサーにかける前のメニューを見せたり、一品ずつミキサーにかけるなどの工夫をしましょう。

2-4.嚥下食とは

嚥下食とは柔らかくした食品をミキサーにかけ、ペースト状やゼリー状にした食事です。

誤嚥が心配な人に適しています。

また、誤嚥が心配な場合は、食事の際の姿勢に気をつけると、食べ物が食道を通過しやすく誤飲防止になります。

https://carers-navi.com/goenseihaien#4-1

3.介護食の3つのポイント

3-1.迷ったら専門家に相談

介護食選びは苦戦することの一つでしょう。

ひとり一人の状態によって介護食は異なります。

介護食選びに迷ったときは、まず専門家に相談するのが良い考えです。

ケアマネジャーやデイサービスの職員、主治医、病院や施設の栄養士など信頼できる専門家に相談しましょう。

3-2.なるべく家族で食事

家族と一緒に食事を取ることもオススメです。

特にミキサー食や嚥下食では日々同じような形状で何を食べているかわからず、食欲がなくなってしまいます。

ひとりで食べるよりも、にぎやかな雰囲気の中で食べるとより食が進みやすくなります。

3‐3.口腔ケア

口腔機能が低下すると、食事を味わってから飲み込むまでの一連の流れがスムーズにこなせなくなり、十分な栄養が摂取できず、栄養不足につながります。

栄養不足の状態が続いてしまうと、免疫機能や運動機能の低下や認知症を誘因してしまいます。

そのため、口腔ケアは全身の健康を維持するために必要なケアと言えます。

食後はしっかりと口腔ケアをしましょう。

http://carers-navi.com/oral-care#1

4.新しい介護食「スマイルケア食」

スマイルケア食とは、農林水産省が普及を推進している、新しい介護食の枠組みです。

以前までは、各メーカーによってさまざまな分類や表示方法があり、選ぶのが難しいとの声が上がっていました。

そのような声を解決するため、スマイルケア食は、「青」「黄」「赤」の3色で区分しています。

「青」マーク:健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品

「黄」マーク:噛むことが難しい人向けの食品(黄マークは4段階)

「赤」マーク:飲み込むことが難しい人向けの食品(赤マークは3段階)

区分の目安は以下のようになります。

容易にかめる食品 =黄色5
(例:焼き豆腐)
歯ぐきでつぶせる食品=黄色4
(例:もめん豆腐)

舌でつぶせる食品=黄色3
(例:きぬごし豆腐)

かまなくてよい食品=黄色2
(例:つぶのあるペースト食)

少しそしゃくして飲み込める性状のもの=赤2

口の中で少しつぶして飲み込める性状のもの=赤1

そのまま飲み込める性状のもの=赤0

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

介護食には大きく4種類あり、要介護者の状態に合わせて適切な食べ物を選ぶ必要があります。

介護食選びに迷ったときは、まず専門家に相談するのが良い考えです。

ケアマネジャーやデイサービスの職員、主治医など信頼できる専門家に相談しましょう。

食事は充実した日々を過ごすために必要不可欠です。

食事に飽きがきてしまわないように工夫をしましょう。

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