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訪問診療とは?訪問診療の費用と流れ、往診との違いまで詳しく解説!

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「訪問診療に興味はあるけど、なんだか高そう…」
「訪問診療と往診は何が違うの?」
「訪問診療に保険は適用される?」

そんな疑問をお持ちではないでしょうか。

訪問診療は、通院が難しい方のための医療サービスです。

訪問診療を受けている人は、要介護の中でも4割となっています。
意外と身近な訪問診療。

しかし在宅の医療サービスは種類が多く、保険も多岐にわたるため複雑です。
この記事では、訪問診療のサービス内容や費用目安、訪問診療の流れをわかりやすく解説します。
訪問診療を始める際の参考にしてください。

1.訪問診療とは?

訪問診療とは、医師が自宅に来てくれるサービスのことです。

「かかりつけ医」が自宅に訪問するようなイメージです。

訪問診療では、立てた計画に基づいて治療や看護、健康管理を行います。

また定期訪問に加えて、緊急時には緊急で訪問してもらうこともできます。

多くの場合、訪問診療は24時間のサポート体制で行われています。

1-1. 訪問診療は予防の目的も

訪問診療の目的は治療だけではありません。

寝たきりや床ずれの予防、栄養状態の管理もできます。

そうすることで、入院が必要な状態を未然に防ぐ役割も担っています。

1-2. 訪問診療は在宅医療の一つ

訪問診療は、在宅医療と呼ばれるものの一つです。

在宅医療とは、通院が難しい患者さんの自宅や施設に、医師などの医療スタッフが診療に来ることを指します。

2.訪問診療の対象者

訪問診療の対象は、通院が難しい患者さんです。

ですから、年齢や病気、障害の種類に関係なく、訪問診療のサービスを受けることができます。

また、自宅での療養を希望される方や、退院後のケアが必要な方も、訪問診療の対象となります。

2-1. 訪問診療と往診の違いは、定期訪問か緊急の在宅医療か

在宅診療は、訪問診療と往診に分けられます。

二つの違いは以下の通りです。

訪問診療は、先述した通り定期的に医師が自宅に訪問するもの。

往診は、急を要する場合、予定外の場合に、医師が訪問するものを指します。

3.実際の訪問診療

3-1. 訪問診療の流れ

訪問診療を受けるまでの、基本的なステップは4つ。

①病院にて訪問診療の相談と申し込みを行います。

②訪問診療の計画を作成します。

③訪問診療の初診が始まります。

④定期的な訪問という形です。

ただし病院によって異なる場合があります。

まずはお近くの病院やかかりつけ医に相談してみましょう。

3-2. 訪問診療でできる治療

訪問診療での治療に制限はありません。

そのため基本的には、訪問診療で全ての医療サービスを受けることができます。

代表的な治療には、ガンや脳梗塞、呼吸器疾患などがあります。

在宅での注射や経管栄養、人工肛門などの処置が可能です。

このような処置は、定期的に医師が訪問し、医療サービスを提供することになります。

それに加えて、家族や患者本人が管理をする在宅療法を組み合わせることで、病院と同じような治療ができます。

4.訪問診療の費用

訪問診療では、基本診療費にプラスして、追加加算される診療費が必要です。

また訪問診療は、医療保険が適用されます。

費用の大まかな内訳は、訪問診療費と薬や検査費用、包帯やガーゼなどの診療材料費などとなっています。

4-1. 訪問診療費

訪問診療には、訪問診療費に加えて診療の内容によって医学的管理に対する加算がかかります。

概算では、1ヶ月に2回の訪問診療だと、3割負担でおおよそ20,000円となります。

1割負担ではおおよそ7,000円です。

4-2. 薬や検査費

訪問診療費に加えて、病院で受診するときと同じように別途薬や検査費もかかります。

この費用も医療保険の対象です。

4-3. 居宅療養管理指導(介護保険サービス)

65歳以上で介護認定を受けている方の場合には、ケアマネージャーなどとの連携も必要となりますので、その分の費用が追加で必要となり、その部分は介護保険で賄われます。基本的には1割負担、制限を超える所得のある方は2〜3割負担になります。

5.医療保険と介護保険の違い

医療保険とは、医療費の一部を負担してもらえる制度です。

日本では、国民全員の医療保険への加入が義務付けられています。

介護保険とは、医療保険に加入している40歳以上の方が対象の保険です。

介護認定を受けることで、そのサービスを利用することができます。

介護サービスの一部を負担してもらえるため安心です。

6.歯科と薬局も訪問診療の対象!

訪問診療は、歯科と薬局もその対象です。

訪問歯科診療の対象者は通院が困難な方です。

歯科医師や歯科衛生士が直接自宅に訪問します。

また薬局に行かずとも、保険薬剤師が自宅を訪問して薬の管理や指導ができます。

ただし、上記の行為ができるのは「在宅患者訪問薬剤管理指導」を行うことを行政に認可された薬局のみです。

6-1. 訪問歯科診療は3種類

訪問歯科診療とは、通院が困難な方が、自宅で歯科診療が受けられるものです。

訪問歯科診療には、治療と口腔ケア、えん下訓練の3種類があります。

病院に行かなくても治療やケアを受けられることにより、口腔機能を維持しやすくなりました。

6-1-1. 治療

訪問歯科診療では、病院と同様に虫歯の治療や入れ歯の調整を行えます。

適切な治療を受けることにより、できるだけ長く自分の口で食事を摂れるようになります。

単純に食べる機能だけではなく、食事の楽しみやQOLの向上にもつながるでしょう。

6-1-2. 口腔ケア

体の機能が低下すると、自力で口腔内の環境を整えることが難しくなります。

そこで、介護者が口腔ケアに気を配ることが非常に大切です。

口腔ケアとは、口の中を清潔に保つことです。

口腔内を清潔に保つことは、口腔内だけではなく体全体の健康を保つことにつながります。

6-1-3. えん下訓練

えん下とは、口の中で咀嚼した食べ物を、適当な大きさで飲み込むことをいいます。

その訓練を行うのが、えん下訓練です。

えん下訓練は、飲み込む力の向上や誤嚥防止に効果があります。

7.介護の窓口へ

訪問診療について気になることがあれば、まずは最寄りの地域包括支援センターに連絡しましょう。

地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。

そこでは専門知識を持った職員が相談に乗ってくれます。

介護や医療、保健などの側面から高齢者を支えています。

要介護1〜5と認定されている方は、居宅介護支援事業所に連絡し、ケアマネージャーに相談してみましょう。

居宅介護支援事業所とは、ケアマネージャーが常駐している事業所のことです。

8.まとめ

訪問診療は、医師が直接自宅や施設を訪問する医療サービスです。

医療保険や、種類によっては介護保険も適用されるため安心してサービスを受けられます。

通院が困難な方であれば、年齢や病気、障害に関係なく受けることができます。

また、歯科や薬局も訪問診療の対象です。

訪問診療は、治療だけではなく予防の役割も担っています。

高齢者の悩みの種となりやすい薬の管理やえん下訓練をしてもらえるのは心強いもの。

まずは地域包括支援センターに連絡し、訪問診療を積極的に利用してはいかがでしょうか。

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