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フレイルとは?自宅でできる診断や4つの予防法まとめ

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今回は、「フレイル」という、介護をしている人なら、遅かれ早かれ聞くであろう言葉とその意味、フレイルがどう介護に関わっているか、またその予防法などについて説明していきたいと思います。

1フレイルとは?

1-1 フレイルの定義

フレイルとは、『加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態』のことです。(参照:厚生労働省発表、『後期高齢者の低栄養防止等の推進について』) https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000099466.pdf

 

厚生労働省発表のレポートによると、フレイルは以下のような図で表されます。

出典:厚生労働省発表、『後期高齢者の低栄養防止等の推進について』より

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000099466.pdf


上の図を見ると、『健康状態と要介護状態の間の状態』と言えますね。

実際、脳梗塞や転倒などにより、健康な状態から要介護状態になることもあります。ただ、高齢者のほとんどは、上記のようにフレイルの時期を経て、徐々に要介護状態に陥るとされています。

ここで大切なのは、フレイルの状態は、対処の方法によっては健康な状態に戻ることができる、つまり可逆的な状態であるということです。

高齢になり、弱ってきたら、そこからは弱る一方であるという思い込みを持っている方が多いかと思います。そういった思い込みは捨て、フレイルという概念をしっかりと認識し、フレイルの悪循環を断ち切る方法を実行して介護状態になることを防いでいきましょう。 

1-2 フレイル原因

フレイルは、加齢に伴う心や体の変化、社会的、環境的な変化など様々な要素が絡み合うことで起こります。

以下のようなものが代表的なものです。

①活動量の低下

②社会的なつながりの減少(熟年離婚や配偶者との死別、会社の退職など)

③筋力の低下

④認知機能の低下

⑤慢性的な病気にかかっていること(呼吸器病、心血管疾患、抑うつ症状、貧血など)

⑥体重減少

⑦栄養不足

⑧収入や教育歴、家族関係構成

 上記のそれぞれの要因が複雑に絡み合い、負のスパイラルにはまってしまう状態です。

1-3 フレイルになるとどうなるか

主な、フレイルの症状として、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院するなど、ストレスに弱い状態になります。また、死亡率の上昇や身体能力の低下も発生します。

もし健常な人が風邪をひいても、少し寝たり、薬を飲んだりしたら、治りますよね?

しかし、フレイルの状態になっているとただの風邪から、肺炎になったり、体の気だるさなどから転倒やそれに伴う骨折や寝たきりなどが起きる可能性があります。

このようにフレイルの状態であると、軽い病気や事故から、深刻な要介護状態に陥ってしまいます。

そこで、家族や医療者などがフレイルの状態をいち早く察知し、適切な措置をとることで、フレイルの状態から健康状態へ改善したり、要介護状態に陥る可能性を減らすことができます。

そのための具体的方法などは3章で詳しく解説します。

 

2フレイルチェック

フレイルには大きく2種類あり、それぞれのチェック法をお教えします。

2-1 身体的フレイルチェック

主に身体に関する虚弱状態を表すのが身体的フレイルです。その場合、以下のチェック表がよく使われています。

表1:フレイル評価基準

評価項目 評価基準
体重減少 「6か月間で2~3kg 以上の(意図しない)体重減少がありましたか?」に

「はい」と回答した場合

倦怠感 「(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする」に「はい」と回答した場合
歩行速度 通常歩行速度<1.0m/秒
身体活動 (1)軽い運動・体操(農作業含む)をしていますか?

(2)定期的な運動・スポーツ(農作業含む)をしていますか?

上記の2つのいずれも「していない」と回答

握力 (利き手における測定)男性26kg 未満、女性18kg 未満の場合

出典:国立長寿健康センター報告書より作成

https://www.ncgg.go.jp/ncgg-kenkyu/documents/25-11.pdf

『チェック表』

0項目:健常

1~2項目:プレフレイル(フレイルには至らないが前段階)

3項目以上:フレイル

2-2 総合的フレイルのチェック

身体・社会・精神など様々な要素を考慮したフレイルのことです。

以下が2006年から使われている厚生労働省の基本チェックリストです。

No.  質問項目  回答 (いずれかに○を お付け下さい)
1 バスや電車で1人で外出していますか  0.はい 1.いいえ 
2 日用品の買物をしていますか 0.はい 1.いいえ
3 日用品の買物をしていますか 0.はい 1.いいえ
4 友人の家を訪ねていますか 0.はい 1.いいえ
5 家族や友人の相談にのっていますか  0.はい 1.いいえ
6 階段を手すりや壁をつたわらず に昇っていますか 0.はい 1.いいえ
7 椅子に座った状態から何もつかまらず に立ち上がっていますか 0.はい 1.いいえ
8 15分位続けて歩いていますか 0.はい 1.いいえ
9 この1年間に転んだことがありますか  1.いいえ 0.はい
10 転倒に対する不安は大きいですか 1.いいえ 0.はい
11 6ヵ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか 1.いいえ 0.はい
12 身長 cm 体重 kg (BMI= )(注)
13 半年前に比べて固いものが食べにくくなりまし たか 1.いいえ 0.はい
14 お茶や汁物等でむせることがありますか 1.いいえ 0.はい
15 口の渇きが気になりますか 1.いいえ 0.はい
16 週に1回以上は外出していますか 1.いいえ 0.はい
17 昨年と比べて外出の回数が減っていますか 1.いいえ 0.はい
18 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われ ますか  1.いいえ 0.はい
19 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか  0.はい 1.いいえ 
20 今日が何月何日かわからない時がありますか 0.はい 1.いいえ
21 毎日の生活に充実感がない  0.はい 1.いいえ
22 これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった 0.はい 1.いいえ
23 (ここ2週間)以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる  0.はい 1.いいえ
24 (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない 0.はい 1.いいえ
25 (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする 0.はい 1.いいえ

(注) BMI(=体重 (kg) ÷身長 (m) ÷身長 (m) )が18.5未満の場合に該当とする。

下記の表でフレイルかどうかをチェックしましょう

質問番号 フレイルの可能性が高い点数
1~20 10点以上
6~10 3点以上
11~12 2点以上
13~15 2点以上
16~17 16が「いいえ」の人(17も「はい」の人は要注意)
18~20 1点以上
21~25 2点以上

出典:厚生労働省平成21年3月「介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル(改訂版)」より

https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1c.pdf

 

3フレイル予防

 3-1 病気とうまく付き合う

 高齢になると、心臓病や糖尿病、呼吸器系の病気、腰の痛みなど慢性的な疾患を持っていることが多いと思います。そこで、持病を悪化させないというのがとても重要になってきます。

持病が悪化して、行動が制限されて、あまり動かなくなると、筋力が急激に低下したり、動くことに抵抗を覚えるようになります。

 自分のできる範囲で、医師や薬剤師、近所の人と協力しながら、現状の状態を維持するようにしましょう

 3-2 運動をする

身体的な衰えは、活動の意欲を削いでしまうことにもつながります。日常的な運動を取り入れて、筋力の低下が起こらないようにしましょう。

スポーツや筋トレなど激しい運動をすると言うよりも、自分のできる範囲で運動を行い、適切な栄養を摂取すれば、筋力の低下は防げます。

毎日1回は散歩をする。地域のゲートボール団体などに入る。庭の盆栽のお手入れをするなど、自分の好きな分野で体を動かすように意識してもらいましょう。

3-3 栄養をとる

 低栄養こそがフレイルの最大の原因です。

高齢になると、誰でも食が細くなりますよね。そうすると、少量の食事で満腹になってしまったりして、十分な栄養が取れていないことがあります。

特に、一人で暮らしていると、食事の品目も減り、食材も減り、食欲もわかないということが起きがちです。

そこでオススメなのが、誰かと一緒に食事をとることです。月に1回は家族や親戚と食事をとることや地域の仲間と食事をすることで、食欲もわき、栄養もとれるようになります。

特に体を作ると言う意味で、少量でもバランスのいい食事を摂ること、特にタンパク質やカルシウムを多く含む食品(肉や乳製品など)を積極的に摂るようにしましょう。

3-4社会とつながる

退職や家族との死別など、高齢になると、周りとの関係性が希薄になりがちです。

 このような社会との繋がりがないことで、精神的に不安定になりやすいです。また、外に行く気力や機会がないことで、身体的フレイルも進行しやすいです。

そこで、地域の人と新たな関係を作ったり、家族や親戚の人とも定期的に会うようにすることなどが有効です。まだ働きたいと感じているならば、シルバー人材センターや地域のボランティアに応募して、自分の能力や知識を生かせて、周りから感謝されるような状況を作ると、精神的にも安定し、フレイルになりづらくなります。

とにかく、1番やってはいけないのが、家で何をするわけでもなく過ごすことが1日の大半を占めてしまうことです。

4 まとめ

今回は、介護を行う中で、必ず耳にするであろう「フレイル」という概念について書いていきました。フレイルはまだ健康な状態から要介護状態への間の状態だということを理解し、適切な措置をとれば、健康状態に戻れることをこの記事で分かって頂けていたら、幸いです。

 

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