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更衣介助とは?コツや注意点、ポイントについて解説

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更衣介助がうまくできない。。。

更衣介助のコツが知りたい。。。

このような悩みを抱えていませんか?

更衣介助とは、1人で着替えをすることが難しい方に対して行う介助です。

更衣介助は、毎日のように行うもので、スムーズにできないとお互いにストレスが溜まってしまいます。

この記事では、更衣介助のコツや注意点、ポイントについて解説します。

1.更衣介助とは?

更衣介助とは、1人で着替えをすることが難しい方に対して行う介助です。

着替えをすることで、皮膚の清潔な状態を保ったり、異変の発見に繋がったりします。

特に寝たきりの方の更衣介助は大変ですが、定期的に更衣介助を行いましょう。

1-1.介護と介助の違い

介助は、介護の中に含まれており、以下の式がイメージしやすいです。

「介護」=「介助」+「生活援助や社会的援助等」となります。

介助は、ある行動を補助することが目的であり、介護は、介助や生活援助を通して自立した生活を促すことが目的です。

そのため、「更衣介護」や「入浴介護」という表現は避けましょう。 

2.更衣介助を行うコツ

2-1.着脱しやすい衣服を選ぶ

更衣介助のコツは、着脱しやすい衣服を選ぶことです。

伸縮性があり、ゆったりとした衣服がよいでしょう。

また、上記の条件を満たしていても、着心地が悪かったり、通気性が悪かったりする場合は避けてください。

〇衣服を選ぶポイント

・伸縮性がある

・着心地、肌触りが良い

・通気性が良い

2-2.声掛けを行う

更衣介助を行う際は、必ず声掛けを行いましょう。

ポイントは、一動作につき声掛けを行うことです。

また、関節などに痛みがないか確認のための声かけも大切です。

2-3.残存能力を活かす

過度に介護をしてしまうと、今までできていたことが、あっという間にできなくなってしまいます。

全てを介護するのではなく、なるべく残存能力を使ってもらうようにケアを行いましょう。

しかし、できる範囲を超えたものをやってもらうとストレスにつながるため、日々の体調や状況に応じて考えましょう。

3.更衣介助の注意点

3-1.脱健着患を守る

着患脱健とは、障害のある側から着て、障がいのない側から脱ぐことです。

片マヒや拘縮のある方の更衣介助を行う際には必ず気をつけましょう。

3-2.部屋の温度調整をする

服を着替える際には、身体が冷えてしまうので、必ず室内の温度調整をしてから着替えに入ります。

室温は、23~25℃前後を目安に、暑くも寒くもない適温に保ちましょう。

3-3.皮膚の様子も観察する

更衣介助の際には、皮膚の状態もチェックしましょう。

皮膚の乾燥、臀部の褥瘡の状態など、しっかりと観察してください。

早期発見・早期治療で重症化を予防できます。

4.更衣介助のポイント

4-1.上衣編

脱衣の場合は、以下のステップになります。

①椅子やベッドに座ってもらう

②健側(障害のない側)の腕を抜く

③頭を上着から出す

④患側(障害のある側)の腕を抜く

続いて着衣のステップです。

①患側(障害のある側)の腕を通す

②首を通す

③健側(障害のない側)の腕を通す

※ボタンのある服の場合は、可能な限りご本人にやってもらいましょう

4-2.下衣編

脱衣の場合は、以下のステップになります。

①椅子やベッドに座ってもらう

②膝近くまでズボンを下ろす

③健側(障害のない側)の足を抜く

④患側(障害のある側)の足を抜く

続いて着衣のステップです。

①患側(障害のある側)の足を通す

②健側(障害のない側)の足を通す

③ズボンを引き上げる

4-3.寝たまま編

4-3-1.上衣編

①上着のボタンを外す
※寝たきりの場合は、前開きの服をおすすめします

②肩のあたりまで服を脱がせる

③横向きに体位変換して、片腕を袖から抜く

④そのままの体勢で、着替えの袖を通す

⑤仰向けに戻して、反対の腕を袖から抜く

⑥先ほどとは、反対側に身体を横向きにして、着替えの袖を通す

⑦仰向けに戻して、ボタンを留める

4-3-2.下衣編

①身体を横向きにして、ズボンを下げる

②仰向けに体位変換して、ズボンを脱がせる

③着替えのズボンに患側(障害のある側)の足を通す

④続いて、健側(障害のない側)の足を通す

③ズボンを引き上げる

5 着替えを嫌がる場合は??

記憶障害から脱いだ服がこれから着る服なのかわからなくなる、失行から服を着る手順がわからない、などが考えられます。

また、着替えを介助されることで「着替えも1人でできない」と思い、自尊心を傷つけてしまうことがあります。

全てを手伝うのではなく、なるべくご本人が1人でできるようにサポートすることを心がけましょう。

また、身体機能に要因がある場合もあります。

腕を上げる時に痛みを感じたり、関節の可動域が小さくなっていることがあります。

その場合には、介護の専門家に介助方法を相談してみましょう。

続いて、介護拒否を解消するためのポイントを解説します。

5-1.不安や混乱を取り除く

認知症になると状況の把握が難しくなります。

今なぜ介護を行うのか、何をすればいいのか、これから何をするのかわかりやすく伝えましょう。

何度もくり返し伝えたり、メモを作って壁に貼ったりするとよいでしょう。

5-2.否定をしない

気持ちに寄り添うように声掛けをしましょう。

否定をすると、馬鹿にされたと感じてさらに介護拒否をされる場合があります。

たとえ否定でなくても、「でも」「だけど」などの否定語の使用も避けましょう。

5-3.ユマニチュードを意識する

ユマニチュード(Humanitude)とは、食事介助や清拭、入浴、更衣などを行う際の実践的な認知症ケアの技法です。

フランス語で「人間としての尊厳」や「人間らしさ」を意味しており、ケアされる人とケアする人という考えではなく、関係や絆を中心にコミュニケーションを取ります。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

https://carers-navi.com/humanitude

5-4.尊厳を傷つけない

ご本人が認知症だと自覚できない場合が多いです。

認知症であると認知してもらえることが一番よいですが、無理に認めさせようとしてはいけません。

自尊心を傷つけないように注意しましょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

更衣介助とは、1人で着替えをすることが難しい方に対して行う介助です。

着替えをすることで、皮膚の清潔な状態を保ったり、異変の発見に繋がったりします。

更衣介助は、異変を知るきっかけやQOLを高めることに関わっています。

大変だとは思いますが、今回紹介したポイントを参考に更衣介助を行ってみましょう。

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