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混合介護とは?メリットやデメリット、広まらない原因を解説!

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混合介護ってどんな介護?

混合介護が緩和されるとどうなるの?

なぜ混合介護は進まない?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて利用することです。

現状、介護保険サービスと保険外サービスを同時に利用することは難しく、様々な課題が生まれています。

東京都の豊島区では、試験的に2018年から混合介護のモデル事業をスタートさせており、この試み次第で全国へ広がっていくと考えられています。

この記事では、混合介護のメリット・デメリット・広まらない原因について解説します。

1.混合介護とは

混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて利用することです。

一見当たり前のように思われますが、公平性の確保や利用者の保護の観点から、明確なルールがなく取り組むことが難しくなっていました。

2018年には、厚生労働省から「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」が公表され、混合介護のルールが提示されました。

しかし、保険内サービスと保険外サービスが同時に提供できない状況は変わっていません。

例えば、介護保険でのデイサービス利用時に、職員は買い物に付き添うことはできず、デイサービス終了後に介護保険外で改めて依頼しなければならないなどの事例があります。

東京都の豊島区では、2018年から混合介護のモデル事業をスタートさせ、以下の2つが可能になりました。

(1) 介護保険サービスと介護保険外のサービスが同時一体的に提供できる

(2) 介護保険サービスの付加価値をつけた部分に料金を上乗せ設定できる

豊島区の試みが成功することで、混合介護がより広まっていくでしょう。

2.介護保険で受けられるサービスと受けられないサービス

2-1.介護保険内のサービス

介護保険を使ってできることには、以下のサービスがあります。

利用にあたっての負担は、介護費の1~3割程度です。

〇身体介護
食事や入浴、排泄など被介護者の身体に直接触れる介助サービス

・食事の介助
・服薬の介助
・着替えの介助
・身体の整容、洗面
・入浴の介助・清拭
・通院・外出の介助
・起床・就寝の介助 など

〇生活援助
被介護者のための居室の清掃、衣類の洗濯、調理などの日常生活の援助

・食事の準備や調理
・掃除や整理整頓
・衣類の洗濯や補修
・日常生活に必要な買い物
・薬の受け取り など

2-2.介護保険外のサービス

介護保険で適用されないものには、以下のサービスがあり、利用のあたっては全額負担になります。

・被介護者以外の者のための洗濯・調理・買い物
・主として被介護者が利用する居室以外の掃除
・家具・電気器具等の移動、修理、模様替え
・日用品以外の買い物(お酒類等)
・WEBカメラやセンサーによる見守り
・趣味等への同行
・大掃除(窓のガラス拭き、床磨き)
・草むしり、花木の水やり
・一緒に食事
・電球、蛍光灯の交換
・ペットの世話

3.混合介護でできること

緩和された混合介護ではどんなことができるのでしょうか?

この章では、あくまでも想定ですが、できることの事例を紹介します。

3-1.老老介護の夫婦の場合

要介護の夫と介護をする妻がいる場合の事例を紹介します。

緩和前は、介護保険サービスとして、夫の分の食事や洗濯など家事の支援を行った後に、妻の分の家事支援を介護保険サービス外として利用していた。

緩和後は、家事の支援を夫婦2人分を同時に行うことができる。

3-2.1人暮らしをしている要介護者の場合

緩和前は、デイサービスの送迎の途中に買い物をすることができず、改めて、保険外サービスを利用していた。

緩和後は、デイサービスの送迎時に保険外サービスとして買い物が可能になる。

4.混合介護のメリット

4-1.利用者の生活の質が向上する

これまで手間であった、掃除や洗濯がまとめてできたり、外出支援が行いやすくなり、生活の質が向上します。

特に介護保険サービスでは、お酒などの嗜好品の買い物は含まれず、別で保険外サービスを利用する必要がありました。

このような点が改善されることで、利用者はより充実した生活を過ごせるでしょう。

4-2.家族の負担軽減

保険外サービスを同時に利用することで、家族の分も家事代行ができるため、家族の負担の軽減にもなります。

4-3.サービス事業者の収益増

サービス事業者が保険外サービスの提供をすることで、収益が上がり職員の待遇改善が見込めます。

5.混合介護のデメリット

5-1.利用者の費用が増える

保険外サービスの利用が当たり前になってしまうと、利用者の負担が増えてしまいます。

保険内であれば1~3割負担ですが、保険外では10割の負担です。

5-2.サービスの選択が難しくなる

混合介護が緩和されると、サービスの選択肢が幅広くなります。

サービスの多様化には、メリットがある一方で、適切なサービスの選択が難しくなります。

また、判断能力が乏しい利用者に対し、無理やり高い料金のサービスを提供するケースも懸念されています。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

2018年には、厚生労働省から混合介護のルールが提示されました。

しかし、保険内サービスと保険外サービスが同時に提供できない状況は変わっていません。

混合介護については、今後の動きを注視する必要があります。

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