「介護でのトラブルが心配」
そんなことを考えていませんか?
トラブルは、起きてからでは取り返しがつかないことがあります。
そこでこの記事では、介護に関わるトラブルを挙げた後、
後半では、その対処法をいくつかご紹介します。
事前に対処法を知っておくことで、介護トラブルを予防しましょう。
目次
1.在宅介護でのトラブル
在宅介護で、よく相談を受ける内容は大きく3つに分かれます。「けが」・「人間関係の衝突」・「金銭の問題」です。1つずつ詳しく説明していきますね。
1-1.けが
高齢者は、ちょっとしたことが大きなけがに繋がることが少なくありません。
しかしこれらは、家の中の段差を取り除いたり、手すりを設置したりすることで軽減できるのです。
65歳以上の高齢者で頻発するけがの上位三つは、以下のようになっています。
1位・・・転落、転倒(52.5%)
2位・・・触る、接触する(14.5%)
3位・・・刺す、切る(10.1%)
【参考:平成30年版高齢社会白書】(http://www.garbagenews.net/archives/2003595.html)
ご覧のとおり、転倒・転落が半分以上を占めます。
長い時間を過ごす居間などの段差は、注意が必要です。そのほかは、台所でのけがが多いようです。食器類を軽いものに替え、身体への負担を少なくする工夫をしましょう。
1-2.人間関係の衝突
多くの場合、介護の担い手は家族になります。その場合は、「誰が」「どれだけ」介護を担うのかは問題です。一人に負担がかかってしまうと、「仕事が忙しいのに」「私ばっかり」と不満が出てきて、人間関係の問題に発展しかねません。人間関係の衝突を避けるため、コミュニケーションが肝心です。
とくに義父・義母を介護する場合や、夫が妻に任せっきりで全く介護に協力してくれないというケースは多いです。親戚や介護士など複数の人が介護に関わるので、なおさら人間関係は複雑になります。
また、介護される側も「周りの人たちに悪い」と思っているので、気持ちのずれが生じないよう気にかけましょう。
1-3.金銭の問題
介護に関わるお金の問題は、公的保険、民間の保険、各自治体の支援制度、年金、税などが複雑に絡んでくるため、知識がない人にはとても厄介です。餅は餅屋のとおり、それぞれの専門家に相談するとともに、ご本人、ご家族の収入、資産などの現状を知り、お互いに話し合うことも大切です。介護に関わるお金はいくつかあります。
・生活費
・介護費用
・医療費
要介護が高くなるにつれて、介護費用は大きくなる傾向があります。
基本的には、介護をされるご本人の収入、資産から費用を捻出することがベストです。
ただそれでは不十分な場合に、誰がそれを負担するのか、ご親族の中で十分に話し合いましょう。
2.介護初心者の悩みのタネ
親族の方には「介護に関する知識がなく対処法が分からない」「介護の分担を親族で話し合っていなかった」と声を聞くこともしばしば。
そうは言っても、「だれに聞けばいいのか」「何から話しえば良いのか」分からないことは山程あります。介護は、急に必要になるケースがほとんど。事前の準備ができていると、トラブルを小さく出来ます。
次は、対処法と予防策を具体的にみていきましょう。
3.対処法と予防策
3-1.介護について親族で話し合いをする
介護の負担が一人にかかると、どうしても疲れがでます。親族で事前に話し合って、負担を分けておくことが大切になるでしょう。
介護する側は「大変さを理解してくれない」「話しても無駄だ」と不満をためこむ状況は避けたいです。
すでに介護を経験している人に話を聞いたり、介護に対する思いを共有しましょう。
介護される側の意思にも耳を傾けることを忘れてはいけません。「在宅介護がいいのか、施設を希望するのか」「役割の分担はどうして欲しいか」お互いが納得したうえで、相手を思いやることが最も大切です。
介護する側も、数十年後は介護される側になります。介護される側になった時を考えて、今から知識の共有や意思の共有ができるといいですね。
まずは「介護を経験したことはあるか」と介護の捉えかたの認識を合わせ、「80歳になったらどんな生活をしていたいか」と未来のポジティブな会話から始めてみましょう。
3-2.知識のある専門家に相談する
介護の専門家には、介護相談員やケアマネジャーがいます。
介護相談員とは施設の窓口にあたり、入所者の生活面・金銭面の相談を受け付けます。
また、ケアマネジャーとは、介護の方針を定めたりサービスの内容・費用などの計画(ケアプラン)を立てる専門家です。介護・医療・福祉の分野で5年以上の経験があり、実務試験に合格した人がケアマネージャーになっています。
専門家ならではの知識と情報があるので、客観的な意見を聞くことができます。ケアプランについて「食事のケアがある訪問介護がいい」「同世代が多い施設がよい」と要望があれば、意見に合わせたプランを提案してくれるでしょう。ケアマネジャーの利用料は、介護保険から給付されるため自己負担する費用はありません。
「自分たちで判断することが不安だ」「家族の間で話がまとまらない」と悩みがある時は、ケアマネジャーと話し合いに参加してもらうと話がまとまります。
市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに行くと、ケアマネジャーを派遣する事業所リストを受け取れます。あくまで事業所のリストなので、口コミを頼りに信頼できるケアマネージャーを探しましょう。
4.まとめ
大切な家族の介護は、かなり不安があると思います。
介護には、ケアマネジャーをはじめ頼れる専門家がいます。ため込まず、相談して不安を解消しましょう。
とはいえ、家族間での情報共有がいちばん大事です。
お互いを思いやる気持ちを忘れず、ささいなことでも話してみることをおすすめします。