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認知症の暴力・暴言はどう対応すればいい?7つの要因と5つの予防策

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暴力・暴言にはどうやって対応すればいいの?

認知症の症状って本当?

なぜ暴力・暴言が出てしまうの?

このような悩みを抱えているのではないでしょうか?

認知症の方の暴力・暴言は、症状の一つとして考えられています。

対応の仕方を間違えると症状はよりひどくなってしまいます。

適切な対応が取れるよう本文を見ていきましょう。

1.なぜ暴力・暴言が出てしまう?考えられる7つの要因

1-1.感情のコントロールができない

認知症の方の多くは、脳の機能が低下しているため、感情のコントロールが難しくなります。

そのため、少しの怒りやストレス、不安を感じた時に暴力や暴言となって現れてしまうのです。

これらは本人の性格や意志に関係なく起こり、初めて体験する介護者は驚きやショックを受けることも少なくありません。

暴言・暴力などが現れた時に介護者が大きな声を出してしまうと、よりパニック状態になるため、落ち着いて対応する必要があります。

1-2.自尊心を傷つけられた

誰でも自尊心を傷つけられると悲しみや怒りを覚えます。

認知症の人は、感情のコントロールができないため、その怒りや悲しみが暴言・暴力として現れてしまう場合があります。

また、「ひとりで大丈夫ですか?」といった声かけも自尊心を傷つけてしまうこともあるのです。

本当に大丈夫だと思っている相手には「大丈夫?」と言わないものです。

悪気はなくとも、過度な心配や腫れ物に触るような対応と受け取られてしまう可能性もあるため、発言には注意を払いましょう。

1-3.不安を感じた

不安や混乱から暴言・暴力が出てしまうこともあります。

認知症の症状として、自分の状況が理解できなくなるといったものがあります。

例えば、通院している歯医者は痛みを与えられる場所と覚えていて不安に感じ暴れてしまいます。

1-4.周囲の感情に巻き込まれている

認知症の人は、自身の感情のコントロールは難しいですが、周囲の感情を読み取ることはできます。

周りの人たちがピリピリしていたり、自分を腫れ物扱いしているなどはわかるものです。

その結果、不安になり、暴れてしまうことがあります。

1-5.体調が悪い・不調である

認知症になると体の不調を正確に理解したり、周囲とのコミュニケーションが困難になります。

そのため、なぜ体調が悪いのかわからなくストレスを感じてしまうのです。

さらに、病院に行く理由がわからず、体調が悪い中なぜ外に連れ出すのかと感じて、暴言・暴力につながることもあります。

1-6.薬の影響

薬の影響で暴力・暴言が出てしまうこともあります。

高齢になると様々な薬を飲むようになり、飲み合わせが悪いと暴力・暴言の副作用が出ることもあります。

新しい薬を飲み始めたタイミングで、暴力・暴言が現れた場合には、薬の副作用を疑いましょう。

1-7.認知症の周辺症状(BPSD)によるもの

認知症の種類によっては、暴力・暴言が症状である場合もあります。

例えば、前頭側頭型認知症では、人格が変わったように怒りっぽくなったり、レビー小体型認知症では、幻覚などが見えるため、暴れてしまうことがあります。

このようなケースもありますので、冷静に状況を判断することが必要です。

2.暴力・暴言が起きた時の対応

2-1.物理的な距離をとる

暴力・暴言が起きた時には、可能な限り物理的に距離を取ってください。

無理やり押さえつけたり、抵抗せず暴力・暴言を浴びることは逆効果になるため避けましょう。

また、ご本人の周りに刃物や先の鋭いものは絶対に置かないように注意が必要です。

2-2.感情的な距離をとる

物理的な距離を取ったら自分自身の感情をコントロールしましょう。

始めはびっくりしてパニックになってしまいますが、自分なりに感情のコントロール方法を見つけて落ち着くことが大切です。

音楽を聞いたり、動画を見たりすると感情が落ち着くかもしれません。

2-3.認知症の症状であることを理解し、原因を探る

暴力・暴言は、認知症の症状の一つであることの理解が大切です。

対応になれて来たら、どんな原因で起きたのか観察したり、ご本人が落ち着いたらよく話を聞いてみましょう。

3.予防と改善方法

3-1.不安や混乱を取り除く

認知症になると状況の把握が難しくなります。

今何をすればいいのか、これから何をするのかわかりやすく伝えましょう。

何度もくり返し伝えたり、メモを作って壁に貼ったりするとよいでしょう。

3-2.否定をしない

気持ちに寄り添うように「大丈夫ですよ」「ここですね」と声掛けをしましょう。

否定をすると、馬鹿にされたと感じてさらに怒ったり暴力をふるってしまう場合があります。

たとえ否定でなくても、「でも」「だけど」などの否定語の使用も避けましょう。

3-3.力で押さえつけない

最も避けるべきは、力で押さえつけることです。力で押さえつけると恐怖心が芽生え、より症状がひどくなります。

怒鳴ったり、叱りつけても何の解決にもなりません。

万が一、自己防衛のために仕方ないこともありますが、なるべくその場から離れましょう。

3-4.介護者を変えてみる

暴力や暴言は、身近な家族に出やすいと言われています。

そのため、症状がひどい場合はヘルパーに介護を任せることもおすすめです。

ただし、ヘルパーがコロコロと変わってしまうと逆効果になりますので、長く任せられる方を慎重に探しましょう。

3-5.体調を確認する

暴力や暴言は体調不良から出る場合もあります。

興奮が治まり次第、体温を計ったりトイレの確認をしましょう。

4.まずは、ケアマネージャーや医師に相談

暴力・暴言に悩みを抱える前にケアマネージャーや医師に相談しましょう。

暴力・暴言を浴びせられたときに迷わずに相談してください。

認知症による暴言や暴力の原因をひとりで見つけるのは困難です。

また体調不良による場合には、医師の診断が必要になります。

大切なことは、ひとりが抱え込むのではなく、さまざまな立場の専門家に判断してもらうことです。

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