介護をするときは出来るだけ自宅で一緒に生活していきたいと自宅介護を頑張っている。
しかし、最近になって食事の食べこぼしが多くなり、服を着替えさせるのが大変になってきて困っている。
こんな体験をしたことはありませんか?
高齢者や認知症の方は食事をするときにどうしても食べこぼしが多くなってしまい、その都度掃除したり服を着替えさせてあげたりと、ただでさえ大変な介護生活にさらにやらなければいけない仕事が増えてしまいます。
一緒に生活したい気持ちで頑張る自宅介護生活が、ストレスを感じる生活になるのは出来るだけ避けたいですよね。
そこで今回は、食事の時に活躍する介護用食事エプロンを紹介します。
目次
1.介護用食事エプロンとは?
介護用食事エプロンとは、介護用に特別に設計されており、机や服に食べこぼしがつかないように工夫されたエプロンです。
在宅介護の中でストレスを感じるものの一つに食事が挙げられます。
ご飯をこぼされて毎回服を着替えさせたり、汚れを洗濯したりと大変な思いをしてるのではないでしょうか?
ここで役に立つのが介護用食事エプロンです。
このエプロンを使用することで、負担が減るとともに衛生面でも優れており、介護者と被介護者にとってストレスを感じることなくより良い関係性が築けるでしょう。
2.介護用食事エプロンはたったの2種類
介護用食事エプロンは大きく分けて二つの種類があります。「何回も使える型」と「使い捨て型」です。それぞれメリット・デメリットがあります。
2-1.何回も使える型
介護エプロンは、何度でも使える型が主流です。
この型では丈の長さが違かったり、いろんなデザインのものがあったりと様々な用途で使い分けられます。
2-1-1.メリットは、多用なデザインと丈の長さ
メリットは様々なデザインと丈の長さの種類が豊富な点です。また、水洗いすることで繰り返し使えます。
〇丈の違い
丈の長さが長いものはテーブルのカバーもできます。
〇デザインの違い
シンプルなものから凝ったものまで幅広いデザインがあります。複数の種類を順番に使うことで食事の時間をより豊かにできるでしょう。
2-1-2.デメリットは、色褪せる点
繰り返し使える型では、水洗いするため色褪せが目立ったり、匂いがだんだんと残ってきます。
色褪せが目立ってきたタイミングが買い替え時です。
2-2.使い捨て型
ビニール製のものが多く、デザインの種類は多くありません。
2-2-1.メリットは、衛生面と持ち運び
使い捨てタイプのメリットは大きく二つあります。毎回新しいため衛生に良い点と、簡単に持ち運べるため、外出する際に便利な点です。外出先に持っていけるように一箱ストックしておくとよいでしょう。
2-2-2.デメリットは、ゴミ問題とデザイン性
デメリットは、使い捨てるためゴミが増えます。また、ビニール製の透明なデザインが主流なため、シンプルなものに偏ってしまうことが挙げられます。
3.介護用食事エプロンの選び方
介護用かどうかを確かめましょう。介護用でないと食べこぼし防止に機能しません。
3-1.どちらの型を使うべきか
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どちらの型を使うのか考えてみましょう。
◆何回も使える型
何回も使える型は機能性が優れています。
食べこぼしを防ぐためにはこちらが良いです。
また、使い捨て型とは違い何度も使うことを考慮して作られているため頑丈です。
洗濯が苦でないと考える方はこちらが良いでしょう。
◆使い捨て型
毎回新品なので衛生面で優れています。
また、いざという時に使用できたり外出先にも持ち運びできたりします。
しかし、エプロンの丈の長さの種類や機能面では何回でも使える型に劣るため、被介助者の食べこぼしの具合をみて、食べこぼしが少なければこちらがよいです。
3-2.サイズを選ぶ時二つのポイント
サイズを選ぶに当たって、二つのポイントがあります。
3-2-1.丈の長さ
丈の長さは、様々な種類があります。
胸元のみのタイプや、足先まで覆えるタイプ、さらには車椅子の方がこぼしてしまうのを防ぐために机の上まで伸ばせるタイプもあります。
使用される方の体格や食べこぼしの具合をみて選んでください。
3-2-2.首回りのサイズ
首回りがきついのはよくありませんが、あまりにも緩いと首回りにスペースができ首元が汚れる原因になります。
首回りを調節できる商品を選びましょう。
3-3.デザインにも気を付けよう
介護用食事エプロンの問題点は、利用者の自尊心を傷つけるリスクが高いことです。
そのためエプロンのデザインを工夫して選ぶことは、気持ちの良い食事とともに利用者との良い関係性も繋がります。
洋服に見えるようなものから、シャツのように首襟がついてるものがあったり、介護用のエプロンだとパッとみて気づきにくいように様々な工夫がされています。
デザインも利用者との関係づくりに大切なポイントです。
4.介護保険は使えない!!
残念ながら介護保険は適用されず、全額自費での購入になります。
介護用食事エプロンの値段帯は想像しにくいでしょう。
価格帯は以下の通りです。
・何回も使える型:2000円〜5000円
・使い捨て型:一箱(50枚入り)1000円〜2000円
5.正しい食事介助の方法と、エプロン以外の食事介助用品
介護用エプロンを使用するだけではなく、正しい食事方法と食事介助用品を使用することで、よりストレスが減るでしょう。
そこで、食事介助の正しいやり方と、介護用食事エプロン以外にも役立つ食事介助用製品を紹介します。
5-1.正しい食事介助の8ステップ
1: まずは、「誤嚥」を防ぐため安全な姿勢を保つことに注意しましょう。
・テーブルと椅子(車椅子)で食事をする場合
深く椅子に座り、膝と肘を90度に曲げてもらます。両足がが床についていることも確認してください。
・リクライニング車椅子で食事をする場合
本人とコミュニケーションを取りながらリクライニングの角度を45〜80度にします。両足はしっかりとステップに乗っていることを確認してください。
・ベットで食事をする場合
ベッドの角度を45〜80度にして、腰がベッドのリクライニング部分に沿っていることを確認します。膝は曲げられるようにクッションを挟むなどしてください。
その後、介護用食事エプロンをつけます。
2:介助者は被介助者の隣に座り、目線を同じにします。立ったまま食事補助をすると誤嚥のリスクが高まります。
3:食事前に水分を摂ってもらいます。これは嚥下をしやすくするためです。
4:水分が多いものからはじめましょう。水分を多く含んでいるものは、胃酸の分泌を促進させることに繋がります。また、高齢者にとっては食事のウォーミングアップにもなります。
5: 主食・副食・水分を交互に食べていただきます一口の目安はティースプーン一杯です。誤嚥のリスクを下げるため、なるべく口元下から口にいれてください。
6:食事ペースは高齢者に合わせます。口の中のものがなくなったことを確認してから次を口にもっていきましょう。
7:高齢者の体調や健康状態に変わりがないか確認するため、食事終了時には摂取量を記録します。
8:食事後は歯磨きをして口内環境を清潔に保ちましょう。誤嚥を防ぐため、食事後はすぐに横になるのを避けましょう。
5-2.食事介助用製品
食事介助用製品はエプロン以外にもあります。
・コップ
コップには誤嚥を防ぐために工夫されています。コップの中に傾斜がついているもの、コップの縁が鼻に当たらないような形もあります。
・お皿
お皿にはスプーンで簡単にすくうことができるように傾斜がつけられているものがあります。
・スプーン
高齢者の方はスプーンですくったものを口に運ぶまでの間にこぼしてしまうことがあります。
これを防止するために、深いスプーンや握りやすいように持ち手が太くなっているもの、また安定して口の中に入れられるように曲げられているものもあります。
6.まとめ
エプロンと聞くと「幼稚なもの」「恥ずかしい」といったイメージがあり、実際に被介護者に不快感を与えてしまうのではないかと不安な人もいるでしょう。
しかし、介護してもらう方にも気持ちよく食事をしてもらえる工夫がされています。
介護用食事エプロンで普段のちょっとした介護ストレスを緩和するとともに、介護者と被介護者の関係性がより良いものにしてみてはいかがでしょうか。