バーセルインデックスについてこのようなお悩みはありませんか?
「そもそもバーセルインデックスとは?」
「バーセルインデックスに使われるADL(日常生活動作)とは?」
「バーセルインデックスのメリット・注意点は?」
2021年度に実施された介護報酬改定において「ADL維持加算」が追加されたことをきっかけに、介護に関連する場面でよくみられることになった「バーセルインデックス」。
あまりどのようなものなのか分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、バーセルインデックスはリハビリの実施計画書や介護予防計画書の作成時に見かけることも多くなりましたので、ご家族に要介護者・要支援者がいる場合はかならず抑えておくべきポイントなのです。
そこで、本記事ではバーセルインデックスについて概要や目的、メリット・注意点を詳しく解説していきます。
目次
バーセルインデックスとは?
バーセルインデックス(BI:Barthel Index)とは、アメリカの医師と理学療法士によって作られた「ADL(日常生活動作)」を10の項目から評価する指標です。
バーセルインデックスの主な目的は、医療現場や介護現場において患者や介護者の日常生活動作を評価することによって、介護サービスやリハビリなどの効果や必要性などを数値として把握することができるようになることです。
介護職員がバーセルインデックスを用いることで正確な判断をすることにも役立っているのです。
また、「ADL(日常生活動作)」は、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿の10の項目から形成されており、これらの項目を100点満点で採点をおこなうことで、合計点数によってどの程度の介護が必要なのかを把握することができます。
点数による基準は下記の通りです。
・85点以上:自立
・60点:部分自立
・40点:大部分介護
・0点:全介助
このように要介護者・要支援者の度合いを把握するために使用されるバーセルインデックスは世界的にも有名でよく使われる方法ですが、日本においても2021年度に実施された介護報酬改定において「ADL(日常生活動作)維持加算」が新たに加えられたことでバーセルインデックスはさらに注目を集めているのです。
バーセルインデックスのメリット
バーセルインデックスのメリットは下記の2つです。
・一目で結果がわかりやすい
・世界共通で利用されている
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1.一目で結果がわかりやすい
先ほどもお伝えした通り、バーセルインデックスは10の日常生活動作について100点満点で評価をするため、どのような介護が必要なのかについて一目で理解することができます。
また、評価区分に関しても4つに分けられることからも、非常にわかりやすい評価方法と言えるのです。
このように、バーセルインデックスは非常にわかりやすい評価方法であることから、医療従事者や介護士が結果を一目で判断できるのはもちろんのこと、利用者本人や家族がみてもどのような状態なのかを理解しやすくなるため、より安心して介護を依頼することができます。
2.世界共通で利用されている
バーセルインデックスは日本国内だけではなく世界中で使用されている共通の評価法ですので、もし日本以外での治療や国外移住などが必要になった場合であっても、日本でおこなった評価をそのまま利用することができるのです。
また、日本独自の基準ではなく世界中の医師たちが基準について内容を精査しているため、より信頼度の高い採点方法としても知られています。
バーセルインデックスを利用するときの注意点
バーセルインデックスを利用するときの注意点は、大まかな評価となるため細かい部分の日常生活動作については正確な評価ができないということです。
バーセルインデックスはとてもわかりやすい評価法ですが、より細かい部分の動作について評価するための基準が設けられていないため、場合によっては細部の日常生活との結果に差が生まれてしまうこともあります。
例えば、バーセルインデックスでは4段階の評価に分かれていますが、これらの動作の中には細かい日常動作が含まれていないため、バーセルインデックスの評価では問題が見られない場合であっても、実際の日常動作においては介護が必要だと判断できることも珍しくありません。
このように、バーセルインデックスだけの評価だけでは必要な介護についてすべてを知ることはできないため、ほかの日常生活動作を評価する方法を組み合わせて利用することが大切になるのです。
バーセルインデックスを正しく活用しましょう
本記事ではバーセルインデックスについて概要や目的、メリット・注意点を詳しく解説していきました。
バーセルインデックスは世界共通の評価方法となっており、非常にわかりやすく日常生活動作について評価することができる一方で、これだけの評価では不十分になるという一面もあります。
そのため、バーセルインデックスだけを信頼して介護について決定することはおすすめではありません。
ぜひ本記事を参考にしてバーセルインデックスについて理解してみてください。