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親の介護が始まった!必ず申請する公的介護保険について解説!

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*(この記事は2018年2月6日に更新しました。)

「親の介護保険はどうすればいいの」

あなたは今、漠然とこんな悩みを抱えていませんか?

確かに、「保険」と聞くとなにか複雑な手続きや料金体系を思い浮かべてしまい、気が引けますよね。

事実、介護にも国から支給される「公的介護保険」が存在します。
公的介護保険を駆使すれば、介護サービスを自己負担額1割〜3割で利用することができます。

公的介護保険を利用するのとしないのとでは毎月の介護サービス費に大きな違いが生まれてくるのです。

そこで今回の記事では、公的介護保険の特徴から申請手順まで公的介護保険に関わるすべてを解説致しました。

この記事を読むことで公的介護保険について理解することができ、今からでもすぐに申請を始めることができます。

公的介護保険を利用し、上手に介護サービスを利用してほしい。という気持ちでこの記事を書きました。

ぜひ最後まで読んでみてください。

では解説していきます。

1. 親の介護が始まった!公的介護保険は必ず申請しよう

公的介護保険、民間介護保険が2つある中でまずは、公的介護保険について説明していきます。

1-1. 公的介護保険とは

公的介護保険とは介護が必要になっても住み慣れた地域で、できる限り、自立した生活が送れるよう、介護を社会全体で支えようという目的で2000年に国が設けた社会保険制度のことです。

公的介護保険を利用すれば、介護サービスを利用した時の負担額が一部賄われます。

そのため、親が介護状態になり、何らかの支援が必要になった場合には、まずは公的介護保険の利用を検討しましょう。

1-2. 公的介護保険の対象者

公的介護保険の対象者は要介護認定を受けた65歳以上の高齢者もしくは40歳〜64歳で老化が原因の疾患、特定疾病で介護が必要になった方です。

ポイントは要介護認定を受けているという点で、要介護認定を受けていなければ、公的介護保険を利用することができません。

要介護認定を受けるには、まずは地域包括支援センターに連絡し、手続きを行いましょう。

*地域包括支援センターとは、各市区町村が管轄する機関です。市区町村によって名称が違う場合もありますが、 “親”が住んでいる地域で、「地域包括支援センター ○○市」とインターネットで検索すれば担当のセンターが簡単に見つかります。お住いの地域のセンターを調べてみましょう。

要介護とは何?という方は「要介護とは介護が必要と認定された状態!要介護7つの段階を徹底解説」
の記事を参考にしてみてください。

1-3. 公的介護保険の利用場面

公的介護保険は、介護サービスを利用する時に使用できます。

サービスを利用する際には、ケアマネージャーにサービス利用の計画を立ててもらう必要があります。

ケアマネージャーは地域包括支援センターで紹介していただけますので、相談してみましょう。

ケアマネージャーは、サービス計画をたてるだけではなく、サービス事業所や施設との連絡、手続き等も行ってくれます。なお、ケアマネージャーとの相談や手続きを依頼することについては、費用はかかりませんので、気軽に相談してみましょう。

以下の表にまとめた介護サービスが介護保険を利用して受けることができるサービス一覧です。


自宅に訪問してもらって受けるサービス

訪問介護

(ホームヘルプサービス)

ホームヘルパーによる身の回りの介護や生活援助を受ける
訪問入浴介護 家庭を訪問する巡回入浴車で、入浴の介護を受ける
訪問看護 家庭で看護師・保健師などから療養上の介護や診療の補助を受ける
訪問リハビリステーション 家庭で理学療法士・作業療法士からリハビリ指導を受ける
居宅療養管理指導 家庭で医師・歯科医師・薬剤師などから療養上の管理・指導を受ける

日帰りで施設などに出かけてる受けるサービス

通所看護

(デイサービス)

デイサービスセンターなどで、入浴・食事・機能訓練などを受ける

通所リハビリステーション

(デイケア)

老人保険施設や医療施設などで、機能訓練を受ける
宿
短期間、施設などで生活(宿泊)しながら受けるサービス

短期入所生活介護

(福祉施設へのショートステイ)

特別養護老人ホームなどに短期間入所し、介護や機能訓練を受ける

短期入所療養介護

(医療施設へのショートステイ)

介護老人保健施設などに短期間入所し、医学的な管理のもと、介護や機能訓練を受ける

施設に入居して受けるサービス

介護老人福祉施設

(特別養護老人ホーム)

常時介護が必要で、自宅での生活が困難な人に、介護や機能訓練、療養上の世話を行う施設

介護老人保険施設

(老人保険施設)

症状の安定した人に、看護やリハビリを中心とした医療ケアと介護を行う施設

介護療養型医療施設

(療養型病床型)

長期にわたる療養や介護を行う医療施設
介護医療型 医療機能と生活施設としての機能を兼ね備えた施設


特定施設入居者生活介護 有料老人ホームなどに入居し、施設が提供する入浴・排泄・食事等に係る介護や機能訓練を受ける

福祉用具貸与

(レンタル)

特殊ベッドや車椅子など、日常生活の自立を助けるための福祉用具を借りる
福祉用具購入費の支給 特殊尿器や入浴補助用具など、レンタルに馴染まない福祉用具の購入費の支給を受ける
住宅改修費の支給 手すりの設置や段差の解消など、住宅改修費の支給を受ける

居宅介護支援

(サービスの計画の作成)

ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう

表のように、サービスのメニューは多く揃っていますが、短期入所や施設入所については、利用希望が集中することがあり、使いたくても使えないケースがここ近年多くなっています。

そういった場合には、ケアマネージャーがいろいろな施設にあたったり、別の方法を考えたりもしてくれますので、気軽に相談してみましょう。

1-4. 公的介護保険サービスの利用費

では、公的介護保険を利用し、サービスを受けた時の自己負担額に関する決まり事がいくつかあります。

1-4-1. 自己負担割合

1-4-2. 支給限度額

1-4-3. 高額介護サービス費の上限額

1-4-4. 食費と部屋代の自己負担軽減

それでは詳しく解説していきます。

1-4-1. 自己負担割合

介護サービス利用料の自己負担の割合は、利用者本人の世帯の所得の状況に応じて1割~3割に設定されています。(平成30年8月より、これまで2割負担だった人のうちから特に所得の高い一部が3割負担となりました。)

負担割合 対象者 
     1割    以下のいずれかに当てはまる方
1.本人の合計所得金額が160万円未満
2.本人の合計所得金額が160万円以上で、同一世帯の65歳以上の方(本人含む)の課税年金収入+その他の合計所得金額が単身で280万円未満、2人以上で合計346万円未満 
2割 以下のいずれかに当てはまる方
1.本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で、同一世帯の65歳以上の方(本人含む)の課税年金収入+その他の合計所得金額が単身で280万円以上、2人以上で合計346万円以上
2.本人の合計所得金額が220万円以上で、同一世帯の65歳以上の方(本人含む)の課税年金収入+その他の合計所得金額が単身で280万円以上340万円未満、2人以上で合計346万円以上463万円未満 
3割 1. 本人の合計所得金額が220万円以上で、上のいずれにもあてはまらない方

介護サービスの利用額の負担割合は、要介護認定を受けた全ての人に市区町村から7月頃に送付される、「介護保険負担割合証」で確認できます。自分の自己負担額は何割なのか、しっかり確認するようにしましょう。

1-4-2. 支給限度額

公的介護保険の支給限度額を以下の表にまとめました。

公的介護保険サービスの支給限度額(1ヶ月)

要介護状態区分 1ヶ月の支給限度額 利用者負担(月額)
要支援1 5,003単位(50,030円) 支給限度額の範囲内で、原則として
サービスにかかった費用の1割~3割を負担します。
要支援2 10,473単位(104,730円)
要介護1 16,692単位(166,920円)
要介護2 19,616単位(196,160円)
要介護3 26,931単位(269,310円)
要介護4 30,806単位(308,060円)
要介護5 36,065単位(360,650円)


*福祉用具購入費、住宅改修費については個別に支給限度額が決められており、上記表の支給限度額には含まれません。
福祉用具購入費:1年間10万円まで(自己負担割合が1割の場合、自己負担額は1万円)
住宅改修費:同一住宅20万円まで(自己負担割合が1割の場合、自己負担額は2万円)となります。

ホームヘルパーやデイサービス、福祉用具のレンタルなどの費用を合計した金額が、この支給限度額以内であれば、自己負担額はそのうちの1割~3割(1-4-1.参照)の負担となります。

また、支給限度額を超えて、サービスを利用した分については全額自己負担となりますので注意が必要です。

例えば、次の例で自己負担額を計算してみましょう。

たとえば、要介護3の方(支給限度額:269,310円)が、デイサービスやホームヘルパーを利用して、その利用額の合計が150,000円であった場合における自己負担額は、自己負担割合が1割であれば15,000円、2割であれば30,000円となります。

次に、自己負担割合1割で要介護2の方(支給限度額:196,160円)が1ヶ月に25万円の介護サービスを利用した場合の自己負担額を計算してみます。

まず、25万円の利用額のうち、支給限度額は196,160円ですので、53,840円超過しています。

この53,840円は全て自己負担になります。

また、支給限度額内については、自己負担割合1割のため19,616円が自己負担となります。

したがってこの場合の自己負担額合計は19,616円+53,840円=73,456円となります。

 

上記図のうちの、介護保険から支払われる176,544円(①)については、利用した介護サービス事業所に直接支払われることになります。

介護保険を利用することで、自己負担額を少なく、介護サービスを利用することができます。

介護状態(要介護度)により、それぞれ月々に使える支給限度額が違うので注意が必要です。

1-4-3. 高額介護サービス費の上限額

介護サービスを利用して支払った1割~3割の1か月あたりの自己負担額が下記表の上限額を超えると、申請をすれば、上限を超えた金額が後から払い戻されます。

この上限額の設定には申請が必要です。申請を忘れないようにしましょう。

【高額介護サービス費の上限額】 

対象者の区分 負担の上限
本人または世帯
全員が住民税課税者
現役並み所得者 44,400円(世帯)
一般所得者 44,400円(世帯)
*世帯の65歳以上全員の
利用者負担割合が1割の場合、
平成29年8月から3年間は
年間の上限額446,400円
世帯全員が
住民税非課税
下記以外 24,600円(世帯)
年金収入80万円(年)以下など 24.600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護受給者など 15,000円(個人)

*ショートステイや施設を利用した場合の、食費や部屋代は対象になりません。

1-4-4. 食費と部屋代の自己負担軽減

短期入所や施設入所の際には、介護サービス料とは別に、食費や部屋代が費用としてかかります。

食費や部屋代は、施設によって金額の設定は異なります。

一般的には、食費は1日1400円程度、部屋代は1日2000円程度のところが多いです。

この食費や部屋代は、基本的に全額自己負担ですが、申請をすれば、世帯の課税や収入状況、資産の状況によって負担上限額が設定され、負担軽減される場合があります。

これも申請をしなければ対象となりません。必ず忘れずに申請しましょう。

詳しく解説いたします。

まず、負担軽減の対象となるには、以下の条件を全て満たすことが必要です。

  • 本人および世帯全員が市町村民税(東京23区は特別区民税)非課税であること
  • ・別世帯に配偶者がいる場合は、別世帯の配偶者も市町村民税(東京23区は特別区民税)非課税であること
  • 預貯金等の金額が、配偶者がいる場合は合計2,000万円以下、配偶者がいない場合は1000万円以下であること

この条件を満たした場合に、以下の表のとおりの負担の上限額が設定されます。

申請し、負担軽減が認められた場合には、施設が設定した食費や部屋代に関係なく、下記金額を支払うこととなります。

対象者 利用者負担 日限上限
利用者負担段階 食費 居住費(滞在費)
ユニット型個室 ユニット型準個室 従来型個室 多床室
第1段階 ・生活保護の受給
・本人および世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金の受給者
300円 820円 490円 490円
(320円)
0円
第2段階

本人および世帯全員が市町村民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計額が80万円以下の方

390円 820円 490円 490円
(420円)
370円
第3段階 本人および世帯全員が市町村民税非課税で、利用者負担第2段階以外の方 650円 1,310円 1,310円 1,310円
(820円)
370円
第4段階 上記以外の方 負担限度額なし 施設等との契約で決まります

この負担軽減は、申請が必要であり、かつ申請時には資産の状況も申告する必要があります。

資産の状況を開示することに抵抗がある場合は、利用することができないというデメリットがあります。

1-5. 公的介護保険の申請手順

最後に公的介護保険の申請手順を解説していきます。

1-2で説明したように、公的介護保険は要介護認定を受けてから利用することができます。

そのため、介護サービスを利用しようと思うときには、要介護認定の申請をするようにしましょう。

認定を受けるには、要介護者が住んでいる地域の役所に本人、家族が申請をする必要があります。

市区町村の窓口で要介護認定の申請を行ってから以下の6つの手順により、要介護認定を受けることができます。

これらの手続きは、1-2でも説明いたしましたが、地域包括支援センターもしくはケアマネージャーが代行して行うこともできます。

 

① 市区町村の窓口で要介護認定の申込み

② 職員が要介護者のもとを訪問し、聞き取り調査(認定調査)をする

③ 市区町村からの依頼で、かかりつけの医師が心身の状況について意見書を(主治医意見書)を作成する。

④ ②、③の結果をもとに、医療・保健・福祉の専門家による介護認定審査会を開催、要介護度の段階を決定

⑤ 市町区村が要介護度を決定。

⑥要介護認定通知書が届く

⑦ケアマネージャーに相談しながら介護サービス計画をたててもらう

⑧介護サービスの利用を開始する

申込みから認定の通知(①~⑥)までは原則30日で行われます。

以上が公的介護保険の説明になります。

公的介護保険を利用するのとしないとでは介護サービス費の負担額に大きな差がでます。

まずは要介護認定から忘れずに申請するようにしましょう。

2. まとめ

いかがだったでしょうか。

「公的介護保険」は、介護状態になったら必ず申請するようにしましょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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