「これからケアハウスを利用する予定だけど、費用がどれくらいかかるのかわからない」
こういった不安や疑問を抱いている方はいませんか?
出典:社会福祉施設等調査https://www.jri.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/20170410-keihi.pdf
上記の表をみていただければわかると思いますが、ケアハウスの施設数と入居者数は増えています。
この記事を読んでいると言うことは、あなたもケアハウスの利用を考えていて、費用が気になっているのではないでしょうか?
そこで今回この記事では、ケアハウス(経費老人ホーム)にも、2つの種類がありどちらのタイプを利用するかによって費用が変化してくるということや、ケアハウスを利用する上での目安となる費用などを解説していきます。費用を抑えるためのポイントや注意点のお話するので、是非参考にしてみてください。
目次
1.【タイプ別】ケアハウスの費用
それでははじめにケアハウスの費用の目安と特徴を表で確認しましょう。
ケアハウスには「一般型」と「特定施設」の2つのタイプがあります。このタイプによって費用が変わってきます。
ケアハウス[一般型] | ケアハウス[特定施設] | |
初期費用 | 0〜数百万円 | 0〜数百万円 |
所得による軽減制度 | あり | あり |
介護サービス | 外部サービス契約 | 施設内サービス利用 |
月額利用料目安 | 8〜20万円+介護費 | 10〜30万円 |
上記の表は簡単な費用の目安と捉えておいてください。月額利用料の内訳としては、「サービス提供費」「食費」「居住費」「その他費用」から構成されています。
1-1.一般型ケアハウスの解説と費用目安
一般型ケアハウスでは、食事や安否確認、レクリエーションといったサービスを提供されます。主に対象となるのは身の回りのことができるが、家庭環境や経済状況が理由で自宅で生活できない高齢者です。表にも記載されていますが、介護保険を利用したサービスを受けるためには、基本的に外部のサービスを契約して使用する必要があります。外部サービス利用費用は、このケアハウスの利用料とは全く別のものになるので、注意しておきましょう。
また施設のある場所や提供する食事によって、利用料が変化してきます。そのため施設ごとに費用が変化するため、利用を考える施設にまずは問い合わせて見積もりを出してもらいましょう。
1-2. 介護型ケアハウスの解説と費用目安
介護型ケアハウス(特定施設)と言われるケアハウスは、要介護1〜5の人が対象者となり認知症の方を受けいれてくれる施設も多いです。サービス内容として、基本的に職員の方が24時間体制で介護を行ってくれます。介護を行ってもらう上で、基本サービスの他にオプションとなる介護サービスが施設によって決められています。オプションのサービスを利用すればするほど費用もかかりますので、オプションとなるサービスを利用する際は、施設の方やケアマネジャーの方とよく話あってきめましょう。
そしてどちらのタイプの施設でも、所得による軽減制度が存在します。入居する方もしくは扶養義務がある家族の世帯年収よって、「サービス提供費」「居住費」「食費」「その他費用」この4つの中の「サービス提供費」の自己負担額が変化します。どれくらい自己負担金が変化するか、次の表で確認しましょう。
対象収入による階層区分対象収入による階層区分 | サービス提供費
費用徴収額(月額) |
|
1 | 1,500,000円以下 | 10,000円 |
2 | 1,500,001円~1,600,000円以下 | 13,000円 |
3 | 1,600,001円~1,700,000円以下 | 16,000円 |
4 | 1,700,001円~1,800,000円以下 | 19,000円 |
5 | 1,800,001円~1,900,000円以下 | 22,000円 |
6 | 1,900,001円~2,000,000円以下 | 25,000円 |
7 | 2,000,001円~2,100,000円以下 | 30,000円 |
8 | 2,100,001円~2,200,000円以下 | 35,000円 |
9 | 2,200,001円~2,300,000円以下 | 40,000円 |
10 | 2,300,001円~2,400,000円以下 | 45,000円 |
11 | 2,400,001円~2,500,000円以下 | 50,000円 |
12 | 2,500,001円~2,600,000円以下 | 57,000円 |
13 | 2,600,001円~2,700,000円以下 | 64,000円 |
14 | 2,700,001円~2,800,000円以下 | 71,000円 |
15 | 2,800,001円~2,900,000円以下 | 78,000円 |
16 | 2,900,001円~3,000,000円以下 | 85,000円 |
17 | 3,000,001円~3,100,000円以下 | 92,000円 |
18 | 3,100,001円以上 | 全額 |
出典:一般財団法人 日本総合研究所 2018年6月13日時点出典
上記の表から「サービス提供費」はいくらになるのかみてみましょう。ただしこの「対象収入」には扶養義務のある家族の年収も含まれ、その他細かい規定もありますので、詳しくは市区町村に確認をしてみることが必要です。この「サービス提供費」に検討している施設の「居住費」「食費」「その他費用」の目安を聞くことで、ある程度正確な月々の費用を割り出すことが可能です。
1-3.入居時に必要な費用について解説
入居時に必要となる費用は、「保証金」「入居一時金」のどちらかまたは両方になります。「保証金」は敷金と同じもので、退去する際に清掃代や修繕費を差し引いた額が戻ってきます。
「入居一時金」は入居時に施設へ支払う費用のことで、最近では「前払い金」というようになってきています。サービスや家賃の対価の前払いという認識をお持ちください。入居一時金に関しては、入居時の年齢が若い方が入居期間が長い分高くなってしまう傾向があります。
・入居一時金の返還について
「前払い金」ということは、支払った金額は帰ってくるようになっています。ではどのような仕組みで帰ってくるのかを解説します。「初期償却率」と「償却期間」という言葉が重要で、入居一時金を支払う施設では、必ずこの言葉がでてきます。「初期償却率」とは一時入居金を支払った額の何パーセントを契約完了時に償却するかという割合です。「償却期間」とはどれくらいの期間で入居一時金を全て償却するかという期間になります。「初期償却率」「償却期間」この2つを覚えいていただいた次に、返還金を求めるために式と具体例を併せて解説します。
返還金を求める式
「入居一時金×(1ー初期償却率)×(償却期間ー実際に入居していた月数)÷償却期間=返還金」
上記の式が返還金を求める式になります。それでは具体例をあげさせていただきます。
「入居一時金500万円、償却期間60ヶ月、初期償却率40%(200万円)、2年10ヶ月で退去」の場合次のようになります。
500万円×(1ー0.4)×(60ー34)÷60=130万円
返還金の求め方は施設によっても変わってくるので、詳しい内容は施設に相談しましょう。
2.できるだけ費用を安く抑える2つの方法
それではこの章から、ケアハウスを利用する上で、できるだけ費用を安く抑える2つの方法と考え方をご紹介します。
2-1.介護型ケアハウスと特養の比較検討をおすすめします
ケアハウスは別名「軽費老人ホーム」と呼ばれています。なので一番安い施設と考えてしまう場合がありますが、必ずしもそんなことはありません。特養と比べると「初期費用」がかかってしまう場合もありますので、一概に比較はできません。この初期費用の負担が出来ない場合や、介護をしっかり受けたいという場合は、「特養」(特別養護老人ホーム)をおすすめします。ただし特養も介護型ケアハウスも地域によっては空きがないところも多く、どちらも選択肢の1つとして考えておいてください。ケアハウス、特養ともに収入によって利用負担額が変わってきますので、両者ともに負担がどれくらいになるのか試算をしてもらい、比較をしてみることが大切です。
2-2.「高額介護サービス費」制度を知ることが大切
高額介護サービス費という制度は、その月に支払った自己負担額の合計が決められた額を超えた時に、超えてしまった分の費用が返ってくるという制度です。あくまで申請をしないと返ってこず、知らないと損をしてしまう制度なので、是非抑えておきましょう。では表で簡単にこの制度で定められている自己負担限度額をみていきましょう。
対象者 | 自己負担限度額 |
生活保護受給者(個人) | 15,000円/月 |
世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方(世帯) | 24,600円/月 |
世帯内のどなたかが市区町村民税を課税されている方(世帯) | 44,400 円/月 |
現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方(世帯) | 44,400 円/月 |
いかがでしょうか?表をみていただけたらわかるかと思いますが、どんな対象者でも月の自己負担金が44,400円を超えていれば利用できる制度になります。この制度を知った上で、申請を行わないと自己負担金を超えた費用は戻ってきませんので、かならず覚えておきましょう。
また上記の自己負担限度額の対象外として、ショートステイを含む介護保険施設での食費や居住費、日常生活費などの自己負担分や、介護のために実家を改修した費用、介護に必要な用品の購入費用などがあるので併せて覚えておきましょう。
3.ケアハウスを利用する上での注意点
3-1入居待ちが長い場合があります
介護型ケアハウスではなく、一般型ケアハウスは介護サービスを利用しない方にとって、非常に費用を安く済ませることができる施設です。そのため入居希望者が多い傾向があります。一般型ケアハウスの少ない地域や地方によっては入居待ちがかなり長期になってしまう場合もありますので、近くのケアハウスが空いていない場合、他の地域や都道府県にあるケアハウスに申し込むのも1つの手になります。
3-2費用が高ければ良いケアハウスとは限らない
ケアハウスに限らず、介護施設を選ぶ上で必ずしも「費用が高い=いいサービスを提供している」とは限りません。費用が高い主な理由は、「立地」「設備」「人件費」が高くなっていることです。サービスを受ける上での費用は介護保険を利用していれば、大きな差がつきにくくなっています。このことからも、施設を選ぶときに「居住費」などの費用に注目しましょう。基本的に東京圏の施設や、駅に近いなどのアクセスがよい施設、施設内の居住スペースの広さが広いといった施設は「居住費」が高額になります。施設を選ぶ際は、費用のみではなく、実際に見学をして要介護者に合った施設を選ぶことが大切です。
4.まとめ
いかがあったでしょうか?ケアハウスの費用は一般型ケアハウスなら費用が安いが入居待ちが長い場合があること、介護型ケアハウスだと必ずしも費用が抑えられる施設ではないことをわかっていただけたと思います。是非この記事を参考にケアハウスの施設やタイプを選択していってください。