拘縮の介助のポイントが知りたい!
拘縮にはどんな種類がある?
拘縮の予防法が知りたい!
このような疑問を抱えているのではないでしょうか?
拘縮とは、寝たきりや骨折などがきっかけで、関節が正常な範囲で動かなくなってしまう状態です。
このような状態の場合、無理に関節を動かそうとすると激しい痛みが伴います。
そのため、拘縮のある方の介助はより慎重に行わなければなりません。
この記事では、拘縮の症状や種類、ポイント、予防法について解説します。
目次
1.拘縮とは
拘縮とは、寝たきりや骨折などがきっかけで、関節が正常な範囲で動かなくなってしまう状態です。
拘縮で関節の範囲が狭まってしまうと、その範囲を超えて動かす場合に痛みを伴います。
また、曲がったまま伸びなくなってしまう状態を屈曲拘縮、伸びたまま曲がらなくなってしまう状態を伸展拘縮といいます。
1-1.固縮(こしゅく)との違い
固縮とは、筋肉自体がこわばる症状です。
固縮によって関節を動かさなくなると、拘縮も起こりやすくなります。
パーキンソン病の症状によって、固縮がみられることが多いです。
1-2.拘縮の代表的な原因
・廃用症候群
・脳卒中など神経系疾患
・関節の使い過ぎ
・やけど
・事故による後遺症
・パーキンソン病
等
2.拘縮の種類
拘縮には大きく5つの種類があります。
2-1.筋性拘縮
筋性拘縮は、筋肉の衰えや筋肉が萎縮し関節が引っ張られることで起こります。
寝たきりの方によく見られる傾向があります。
2-2.神経性拘縮
神経性拘縮とは、神経系の病気や損傷によって筋肉が緊張したり、麻痺することで起こります。
脳卒中などの神経系の疾患や事故の後遺症などでよくみられます。
2-3.皮膚性拘縮
皮膚性拘縮は、何らかにより皮膚がひきつれ、関節が引っ張られることで起こります。
やけどや手術などによって起こる可能性があります。
2-4.結合組織性拘縮
結合組織性拘縮は、皮下軟部組織や靭帯、腱などが収縮・癒着することで起こります。
手首の使い過ぎで起こる腱鞘炎も結合組織性拘縮の1つです。
2-5.関節性拘縮
関節性拘縮は、関節や靭帯などの炎症や損傷によって起こります。
骨折や脱臼の治療過程でよくみられます。
3.拘縮ケアのポイント
3-1.ゆっくりと介助し、痛みを与えない
拘縮している部位を動かす際は、必ずゆっくりと行いましょう。
急いでいたり、動かしづらいからといって、強い力を加えると激しい痛みを与えてしまいます。
被介護者の表情を見ながら、無理なく動かしてください。
3-2.同じ姿勢を長く続けない
体を起こすことで自然と筋力を使います。
寝たきりで一日過ごすのではなく、定期的に体を起こしてあげましょう。
ただし、顔色が悪くなったり、吐き気を伴ったりする場合は無理に行わないでください。
3-3.声かけをする
一動作ごとに声かけを行いましょう。
また、関節などに痛みがないか確認のための声かけも大切です。
3-4.脱健着患を守る
着患脱健とは、障害のある側から着て、障がいのない側から脱ぐことです。
片マヒや拘縮のある方の更衣介助を行う際には必ず気をつけましょう。
4.拘縮の予防
4-1.関節可動域訓練
関節可動域訓練とは、関節を動かして可動域を維持する訓練です。
関節可動域訓練は、デイサービスや老人ホーム、居宅訪問で受けることが可能です。
また、最近では、リモート機能訓練支援サービスの提供も始まりつつあります。
4-2.動作練習
動作練習とは、日常生活のなかで関節を動かす訓練です。
日常生活でしっかりと関節を動かすことが最大の予防になります。
理学療法士や作業療法士の指導のもとで訓練することがよいでしょう。
4-3.ポジショニング
ポジショニングとは、関節拘縮を緩和させるのに有効な体位変換です。
寝たきりの場合、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉が過剰に働いてしまい、関節拘縮を起こしてしまいます。
そのため、姿勢を変えることで、同じ部位が長時間圧迫されることを防ぎます。
拘縮の部位や要介護度などによってもポジショニングの位置や方法は異なるため、専門家の指導を受け、適切なポジショニングを身につけましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
拘縮とは、寝たきりや骨折などがきっかけで、関節が正常な範囲で動かなくなってしまう状態です。
予防には、関節可動域訓練や動作練習、ポジショニングが重要となります。
まずは、理学療法士や作業療法士の指導のもと訓練方法を学びましょう。