老人ホームへの入居を考えているご家族にとって「老人ホームに入ることは幸せなのだろうか?」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、老人ホームに入居することで幸せを感じる高齢者はとても多いです。
とはいえ、どのようなことが幸せに感じるのか分からないという方もたくさんいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、高齢者が幸せに感じることと老人ホームに入居して感じた幸せについて詳しく解説していきます。
目次
そもそも高齢者にとっての幸せとは?
人それぞれ「幸せ」と感じることは異なりますが、その中でも身体的機能の衰えや喪失を経て幸福感が変化していると考えられている高齢者の幸せについて、老人社会科学は「百寿者にとっての幸福感の構成要素」という論文を発表しています。
「百寿者にとっての幸福感の構成要素」の中では、高齢者の幸せを構成するものとして下記の5つが研究結果とされています。
・前向きな気持ちで生きること
・制限の中で生きること
・他者とのよい関係を築くこと
・人生の充足感を感じること
・あるがままの状態を受け入れること
まずは、上記の5つの幸せの内容について詳しく解説していきます。
老人の幸せ①:前向きな気持ちで生きること
「前向きな気持ちで生きること」では、日常生活に関心ごとを見つけ出す・信念を持って生きるという2つのカテゴリに分けることができます。
新しい本を見つけて面白いと感じることや、今までの自分の考えを突き通して老人になっても過ごすなど、ポジティブな気持ちで生きることは、老人に関わらず幸せなことですよね。
老人の幸せ②:制限の中で生きること
「制限の中で生きること」では、活動性の低さ・限界の認識の2つのカテゴリに分けることができます。
高齢になればなるほど活動に制限が出たり限界を感じることが増えてきますが、それらを受け入れて自分のできる範囲の活動をすることで、できることがある幸せを感じられるのです。
老人の幸せ③:他者とのよい関係を築くこと
「他者とのよい関係を築くこと」では、他者との調和・世話をされるありがたさの2つのカテゴリに分けることができます。
老人になるとひとりで生活することすら難しくなりますが、だからこそ自分の身の回りの人間関係に感謝でき、幸せを感じることができるのです。
老人の幸せ④:人生の充足感を感じること
「人生の充実感を感じること」では、生きることへの満足・十分に生きた実感の2つのカテゴリに分けることができます。
今までの充実していた人生を振り返ってみたり、やり残したことはないと言えるくらい生きることに満足していると幸せだと感じることができるのです。
老人の幸せ⑤:あるがままの状態を受け入れること
「あるがままの状態を受け入れること」では、考えすぎない・自然に任せる・平穏な気持ちの3つのカテゴリに分けることができます。
中には老化現象を受け入れられないこともありますが、考えすぎずに自然に任せて受け入れることで、幸せを感じることができるのです。
老人ホームに入居して感じた幸せとは?
老人ホームに入居して感じた幸せを調査するためのアンケートはよく実施されていますが、そのようなアンケートで回答が多い内容は下記の3つです。
・新しい人間関係を作ることができた
・家族との絆が深まった
・新しい趣味ができた
それぞれの幸せに感じたことについて詳しく解説していきます。
1.新しい人間関係を作ることができた
老人ホームではレクリエーションなどを通じて施設内の方と交流する場面も多いですが、高齢になってからも新しい人間関係を作ることができることを幸せに感じる方は多いです。
身体が自由に動かせなくなってしまうと、なかなか新しい人間関係を作ることが難しいため、老人ホームならではの幸せと言えるでしょう。
2.家族との絆が深まった
ご家族が介護をしている場合、介護疲れで自身の体調が崩れてしまったり、介護している方から距離を取りたくなってしまうことも実は多いのです。
このような場合、老人ホームに入居することでご家族全員が健康に過ごすことができるだけでなく、家族関係も良好になり絆がさらに深まるという事例は少なくありません。
3.新しい趣味ができた
自宅にいるとテレビを見て1日を過ごすという高齢の方も多いですが、老人ホームであればレクリエーションをはじめとしたさまざまな趣味を見つけることができます。
まとめ
本記事では、高齢者が幸せに感じることと老人ホームに入居して感じた幸せについて詳しく解説していきました。
高齢者にとっても幸せに感じることは人それぞれですが、老人ホームに入居することで幸せに感じられることが増えるという方はとても多いため、老人ホームに入居することで不幸になることはありません。
ぜひ本記事を参考にして老人ホームへの入居の検討材料のひとつにしてみてください。