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ハンチントン病の介護は大変?症状や原因、診断方法、治療方法を紹介

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「ハンチントン病に治療薬はある?」

「ハンチントン病の介護は大変そう……」

そういった悩みを抱えていませんか?

ハンチントン病は治療が難しく、指定難病にも指定されています。

指定難病は治療が難しいため、早期発見によって症状の進行を遅らせることが大切です。

この記事では、ハンチントン病の症状や原因、治療方法を紹介します。

症状や原因を理解しておくことで、認知機能に異常が見られた場合に、ハンチントン病の早期発見にもつながります。

 1.ハンチントン病とは

ハンチントン病は脳内の細胞に異常が見られる疾患の一つです。

具体的には、脳の中にある線条体と呼ばれる大脳基底核のある部位で神経細胞が失われていく、進行性の神経変性疾患です。

30〜50代で発症するケースが多い疾患ですが、まれに60歳以上で発症する場合もあります。

ハンチントン病は、欧米人に多く見られることで知られており、欧米では人口10万人あたり4~8人の有病率です。

一方、日本においては、人口10万人あたり約1人の有病率であると報告されています。

2.ハンチントン病の症状

2-1. 不随意運動

ハンチントン病の症状の一つに不随意運動があります。

不随意運動とは、自分の意思によらず体が不規則に動いてしまうことです。

動きは素早く、踊っているようにも見えます。

2-2. 運動障害

運動障害も、ハンチントン病の症状の一つです。

たとえば、細かく手足を動かす運動が困難になったり、姿勢を保つのが難しくなったりします。

他にも、発音・発語が難しくなるケースもあります。

2-3. 精神障害

精神的な障害が見られることもあります。

精神障害とは、感情の起伏が激しくなることや、うつ状態になることなどを指します。

3.ハンチントン病の原因

ハンチントン病は遺伝による疾患です。

ハンチントン病は、染色体の「HTT」という遺伝子の異常により引き起こされます。

HTT遺伝子上には3つの塩基配列(CAG)が繰り返し連なっている部分が存在します。

通常では26回以下の繰り返しであるところが、ハンチントン病の患者さんでは36回以上、多い時では120回を超える繰り返し配列が認められると報告されています。

親には症状が見られない場合にも、遺伝子が引き継がれる過程で子や孫がハンチントン病を発症するケースも見られます。

参考:https://medicalnote.jp/diseases/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E7%97%85

4.ハンチントン病と似ている病気

4-1. ハンチントン病と認知症

4-1-1. 認知症とは

認知症は、認知機能が低下し、日常生活を送ることが難しくなる状態を指します。

認知症の原因は脳の病気や障害など多岐に渡ります。

認知症の症状は認知機能に伴う症状だけではなく、一見してわからない症状も発生します。

たとえば、せん妄や徘徊、睡眠障害などです。

このような症状は、ハンチントン病の症状と類似しています。

4-1-2. ハンチントン病と認知症の違い

ハンチントン病には、認知症に多く見られる記憶障害はあまり見られません。

その代わり、ハンチントン病は、物事の判断や計画的な行動が難しくなる傾向があります。

4-2. ハンチントン病とパーキンソン病

4-2-1. パーキンソン病とは

パーキンソン病とは、脳の黒質と呼ばれる場所にあるドパミン神経からドパミンの分泌量が低下してしまう病気です。

症状としては、体が思うように動かないなどの運動症状や睡眠障害や認知障害などの非運動症状も現れます。

参考:https://carers-navi.com/parkinson

4-2-2. ハンチントン病とパーキンソン病の違い

ハンチントン病の主な症状には、不随意運動と呼ばれる自分の意思によらず体が不規則に動いてしまうものがあります。

対照的に、パーキンソン病では、手足がこわばったり思うように動かなかったりします。

5.ハンチントン病の診断方法

ハンチントン病を診断するにはCTや MRIなどの画像検査が有効です。

ただし、脳が萎縮していまう原因はハンチントン病だけではありません。

ですから、家族の病歴も非常に重要な要素です。

家族や先祖の病歴から、遺伝性の病因を確認した後、医師が最終的な診断を下します。

6.ハンチントン病の治療方法は?

6-1. 薬物治療

6-1-1. 根本的な治療薬は開発されていない

ハンチントン病の根本的な治療薬は未だ開発されていません。

そのため、ハンチントン病の各症状を緩和する対症療法が治療の中心です。

6-1-2. 不随意運動を和らげる薬

MEDLYやMedical noteによると、不随意運動には、テトラべナジンやハリペリドール、チアプリド、オランザピン、リスペリドンなどが使用されます。

参考:https://medley.life/diseases/54f00d9ed05b85100190f7db/ https://medicalnote.jp/diseases/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E7%97%85 

6-1-3. 精神症状を和らげる薬

MEDLYやMedical noteによると、精神症状にはオランザピンやクロルプロマジンなどの非定型抗精神病薬をはじめ、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗てんかん薬が使用されます。

参考:https://medley.life/diseases/54f00d9ed05b85100190f7db/ https://medicalnote.jp/diseases/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E7%97%85 

6-2. リハビリテーション

ハンチントン病の治療では、運動機能の維持向上のために歩行訓練などのリハビリテーションも行われています。

実際に、歩行訓練を行ったところ、バランス能力や日常生活動作の能力が向上したというデータも発表されています。

https://tottori.hosp.go.jp/files/000100627.pdf

7.周囲の人たちができること

7-1. 生活管理

ハンチントン病が進行すると、衣食住の基本的な生活にも支えが必要です。

たとえば、栄養バランスの取れた食事を自分で作ることや、買い物に行くことなどが難しくなります。。

少しでも生活が楽になるような用品を整えておくことも、ハンチントン病の周囲の人ができるサポートです。

7-2. 正しく知る

ハンチントン病について、正しく理解することも周囲の人たちができるサポートの一つです。

専門家(医師)から適切な診断や治療を受けるため、正しい情報にアクセスすることが大切です。

しかし、お住まいの地域によっては、ハンチントン病に詳しい医師が近くにいないということもあります。

そのようなときは、かかりつけ医に窓口になってもらい、ハンチントン病に詳しい医師を紹介してもらいましょう。

8.まとめ

ハンチントン病が悪化すると、最終的には寝たきりの状態になります。

ハンチントン病は治療法が見つかっておらず、難病に指定されています。

そのため、ハンチントン病の治療は、投薬による症状の緩和が中心です。

出来るだけ早く治療を開始するためにも、この記事で紹介したような不随意運動や精神障害が見られる場合には、早めに医師に相談しましょう。

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