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寝たきりの介護はどうすればいい?在宅介護の方法を解説!

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寝たきりの高齢者はどう介護すればいいの?

こんな疑問に今回はお答えします。

寝たきりは要介護4~5に当たるため、介護施設への入居がすすめられることが多いです。

しかし、やむを得ない理由で在宅介護をする場合もあるでしょう。

在宅介護をする場合は、廃用症候群にならないように注意が必要です。

廃用症候群は、寝たきりによって起きる、多くの症状の総称です。

この記事では、寝たきりの症状や3つの介護方法について解説します。

1.寝たきりの症状と要介護度

1-1.寝たきりの症状

寝たきりによって起きる、多くの症状を総称して廃用症候群といいます。

廃用症候群は、子どもや若者にも現れる症状ですが、高齢者に多く見られます。

理由としては、加齢により身体機能が低下し始めているためと考えられています。

廃用症候群の症候は、筋骨格系、循環・呼吸器系、内分泌・代謝系、精神神経系など多岐に現れ、日常生活自立度を低下させてしまいます。

〇多岐にわたる具体的な症状

筋萎縮・・・筋肉がやせおとろえる

関節拘縮・・・関節の動きが悪くなる

骨萎縮・・・骨がもろくなる

心機能低下・・・心拍出量が低下する

起立性低血圧・・・急に立ち上がるとふらつく

誤嚥性肺炎・・・唾液や食べ物が誤って肺に入り起きる肺炎

血栓塞栓症・・・血管に血のかたまりがつまる

うつ状態・・・精神的に落ち込む

せん妄・・・軽度の意識混濁のうえに目には見えないものが見えたり、混乱した言葉づかいや行動を行う

見当識障害・・・今はいつなのか、場所がどこなのかわからない

圧迫性末梢神経障害・・・寝ていることにより神経が圧迫され、麻痺がおきる

逆流性食道炎・・・胃から内容物が食道に逆流し、炎症がおきる

尿路結石・尿路感染症・・・腎臓、尿管、膀胱に石ができる、細菌による感染がおきる

褥瘡(じょくそう)・・・床ずれといわれる皮膚のきず

出典:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/sonota/riha_iryo/kyougi01/rehabiri24.files/siryou242.pdf

1-2.寝たきりの介護度

要介護度は、要支援1~2、要介護1~5の7段階に分かれています。

寝たきりは要介護4~5に当たります。

要介護4は歩行が自分だけではできず、排泄や入浴、衣服の着脱など、多くの日常生活の行為において、介助が必要な状態のことを指します。また意思の疎通がとれなくなったり、問題行動が見られたりすることがある状態です。

また、介護状態のなかで、最も重度の介護が必要な状態が要介護5です。

要介護5は介護なしに日常生活を営むことがほぼ不可能な状態で、意思伝達も困難になります。

食事は流動食に頼ることも多く、排泄や入浴においても自分だけの力では不可能で、誰かの介護が必ず必要になります。

そのため、介護施設への入居がすすめられることが多いです。

2.寝たきりの高齢者の介護方法

2-1.食事介助

〇誤嚥しにくい食べ物を選ぶ

誤嚥を防ぐためには食べ物に気を配ることが大切です。

さらさらとした液体も実は誤嚥のもとになってしまうのです。

誤嚥しやすいもの、しにくいもののそれぞれを知り、安心して食事を楽しめるようにしましょう。

〇食事の際の姿勢に気を付ける

食事の際の姿勢に気をつけると、食べ物が食道を通過しやすくなり、誤飲防止になります。

誤嚥性肺炎を防ぐために、6つの項目に気を付けましょう。

– 出来るだけ起き上がる

– 顎を引くこと、イス の 座面の高さを、ひざが90度に曲がるくらいに調整する

– テーブルの高さを、腕を乗せた時にひじが90度に曲がるくらいに調整する

– イスの座面の高さは、ひざが90度に曲がるくらいに調整する

– 足の裏は、床または足置きにきちんとつく高さにする

– 身体とテーブル の間に、 握りこぶし1つぐらいのすき間をつくる

〇隣に座って介助する

食事介助のときは、隣に座りましょう。

対面に座ったり立っていると、落ち着いて食事ができない場合があります。

体の片側に麻痺がある場合は、麻痺のない方に座りましょう。

〇歯磨き

口腔ケアの基本です。

ブラッシングとうがいで歯垢を除去しましょう。

うがいができない場合は、口腔ケア用のウェットティッシュなどで拭き取ることが有効です。

〇お口みがき

食べかす、痰、細菌によるネバネバ汚れを除去します。

歯ぐき、舌、上あごなどの口腔粘膜をきれいにします。

2-2.床ずれを防ぐ

床ずれとは、布団や椅子と接触する皮膚部分に酸素や栄養が行き渡らなくなり細胞が死んでしまうことです。

皮膚が長時間、連続的に圧迫されて血流が悪くなることにより生じます。

〇体位変換を行う

定期的に体位を変換することが重要です。

姿勢を変えることで、同じ部位が長時間圧迫されることを防ぎます。

〇介護用ベッドを使用する

体圧分散効果のある介護用ベッドは、肌が触れる面積をできる限り広くとって圧力を分散させます。

〇皮膚摩擦やズレを防ぐ

シーツや寝間着のしわによって圧力が生まれ、床ずれを起こしやすくなります。

そのため、きちんとしわを伸ばしましょう。

2-3.身体を清潔に保つ

寝たきりでは、入浴も困難になります。家族だけの力では、入浴は難しいですのでサービス利用して行うことをお勧めします。

介護保険の訪問入浴サービスを利用して自宅でも入浴をすることができます。

デイサービスなどを利用して入浴・清拭を行うこともできます。

また、訪問介護や家族によって体の清潔を保つために温かいお湯で体を拭く清拭やベッド上での洗髪なども行うこともできます

〇洗髪

基本的には仰向けの状態で行います。ケリーパッドというものを使って洗髪をおこなうことができますが、専門的な技術が必要となりますので、在宅介護のプロの方のアドバイスを受けながら行うか、在宅サービスを使ってプロの方にお任せするようにしましょう。

注意する点として体を冷やさないように室温は高めに設定します。

また耳に水が入らないように注意をしたうえで38~40度のお湯でシャンプーを行い、しっかりとドライヤーまでしましょう。

〇清拭

清拭を行う場合は、被介護者のプライバシーに配慮しましょう。

基本的には、上半身→下半身→陰部の順番で行います。

終わった後は、床ずれ防止のためにも塗り薬や保湿液でスキンケアをしましょう。

3.介護者の負担を軽減する方法

在宅介護をする上で、介護をするご家族や親戚の方は、一人で苦しまれるのは精神的にも肉体的にも負担が大きくなり、勧められません。

必ず、近くにいる主治医、看護師、ケアマネージャーというような専門職の方や、同じく在宅介護をしている方にまず相談をされてみてください。

一口に在宅介護のサービスと言っても、4種類以上のサービスがあり、その中でも幾つかのサービスを組み合わせて併用することが可能です。

なので、一つのサービスに縛られるのではなく、利用者本人の状態や気持ちに応じて、プランを組む必要があります。

利用者一人一人に寄り添い、医療・介護の専門の方々に相談しながら、プランを組むことで利用者とそのご家族が満足のできる在宅介護になるのではないでしょうか。

 

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