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自然に起こる老化と脳の疾患である認知症の違いを徹底解説

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「最近、親の物忘れが激しい・・・」

「老化か認知症かわからず、対応に困っている。」

そんな悩みをお持ちでないですか?

物忘れが著しくなった際に受診する物忘れ外来では、受診者の60%前後がすでに認知症と診断されています。

(参照:https://symptoms.genkiweb.jp/forgetfull/?utm_source=Yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=2exact&yclid=YSS.1001133065.EAIaIQobChMIx-6vwbeD7QIVF1pgCh0pnQa7EAAYASAAEgKLj_D_BwE)

ここでは、老化と認知症の違いについて、受診する目安から対応方法について解説します。

1.老化現象は自然に訪れる

老化とは、成熟期を迎えてから死ぬまでに起きる変化です。

人の脳は歳を重ねるとともに機能が低下し、記憶力や判断力、適応力が衰えます。

そのため老化は、誰にでも起こりうる自然なことなのです。

1-1.身体への影響

老化は、体に様々な影響があります。

それぞれ引き起こりうる影響について、表で見ていきましょう。

機能 影響
脳神経系 認知機能の低下
心血管系 心筋梗塞、心不全、高血圧
呼吸器系 息切れや胸の圧迫感など、呼吸機能の低下
消化器系 便秘、便通の異常

逆流性食道炎

腎泌尿器系 尿失禁
骨格系 骨粗しょう症、骨折、関節炎

1-2.原因は酸化・糖化・ホルモンの変化

老化は主に、酸化・糖化・ホルモンの変化により起こります。

それぞれについて見ていきましょう。

・酸化:人は酸素を吸うと、体の中に活性酸素が発生します。

その活性酸素は、タンパク質や脂質を酸化させ、細胞の動きが低下します。

活性酸素は酵素により消去されますが、40代を過ぎると酵素は減り、活性酸素は減らず老化が進むのです。

・糖化:体の中にタンパク質と食事から取り入れた糖が結びつくと、糖化が進みます。

体は糖化すると、体や肌の老化が早まってしまいます。

・ホルモンの変化:男性ホルモンや女性ホルモンの源になっているのは、若返りホルモンのDHEAホルモンです。

DHEAホルモンは老化により変化し、分泌量が減少します。

2.認知症は脳の疾患

認知症は、脳の疾患により引き起こる機能障害で、日常生活に支障が出ている状態をいいます。

一度発症すると元の状態に戻すのは困難で、治療は進行を抑えるのが主な目的です。

2-1.中核症状と周辺症状

認知症の症状は、中核症状と周辺症状の2つにわかれます。

中核症状 周辺症状
概要 認知症の方なら誰でも現れる症状 中核症状が元となり、行動や心理に現れる症状

個人差あり

症状 ・記憶障害

・見当識障害

・理解・判断力の障害

・実行機能障害

・失語・失認・失行

・不安・抗うつ

・徘徊

・物盗られ妄想

・幻覚

・暴力・暴言

・介護拒否

・失禁

・睡眠障害

2-2.原因は生活習慣病

認知症の原因は、さまざまな脳の病気です。

原因の約7割はアルツハイマー病で、神経細胞が傷害され脳が委縮します。

次に、脳梗塞や脳出血など脳血管障害が認知症の原因です。

これらアルツハイマー病や脳血管障害を引き起こすリスクを高めるものとしては、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病があります。

3.表で見る老化現象と認知症チェック

老化現象と認知症による物忘れの特徴は、以下の表の通りです。

老化で起こる物忘れ 認知症で起こる物忘れ
内容 一般的な知識を忘れる 経験した出来事を忘れる
範囲 体験したことの一部分 体験したこと全体
進行 進行しない 進行する
日常生活 支障なし 支障あり
自覚 自覚がある 自覚はない
学習能力 判断力や理解力に問題ない 判断力や理解力が低下する

新しいことを覚えられない

感情・意欲 保たれている 怒りっぽくなる

やる気がないように見える

何事にも億劫になる

疑い深くなる

(参照:https://www.sompo-egaoclub.com/articles/fixed/2)

3-1.見分け方3選

3-1-1.何を忘れたか

何を忘れたかに着目しましょう。

老化現象であるもの忘れは、物事自体は覚えています。

例えば、食事した内容は忘れていても、食事をしたことはわかります。

一方で、認知症になると食事をしたこと自体を忘れ、体験したことの記憶が抜け落ちるのです。

3-1-2.自覚があるか

自覚があるかどうか、確認しましょう。

物忘れは、忘れたことを思い出そうとしたり、ヒントがあれば思い出せるなど、忘れたことを自覚しています。

認知症の場合、忘れた自覚がなく、忘れたことに気づきません。

3-1-3.人柄に影響しているか

認知症は、人柄に影響を与えることがあります。

以前よりも怒りっぽくなった、頑固になったなど、「性格が変わった」と感じた場合、認知症の可能性があるでしょう。

4.認知症の対応方法

身近な人に認知症の症状が現れた場合の対応方法を紹介します。

4-1.病院で受診する

まず、認知症かもしれないと思ったら、病院を受診しましょう。

認知症の検査が受けられるのは、主に神経内科や脳神経外科、精神科、心療内科です。

認知症は早期発見、早期治療により症状の進行を遅らせられます。

症状が現れたら、なるべく早く病院に行くのが大切です。

4-1-1.5つの健診STEP

病院で行われる検査の一例を紹介します。

①採血

血液検査を行うためにまず採血する。

通常の健康診断では行わない項目の検査をすることで、認知症の原因を探る。

②頭部のCT検査

頭部のCT検査で、脳震盪や脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など、血管性認知症の原因があるか確認。

③家族や患者本人にヒアリング

病院を受診するまでの経緯や生活習慣を聞き取りする。

認知症の種類によっては、本人に自覚がないため、身近にいる人から情報を聞き出す。

④認知機能検査

簡単な質問や計算、言語理解など認知機能検査を行う。

⑤治療を受ける

①~④を通して、認知症かどうか判断が行われる。

認知症である場合、種類や原因に応じた治療が始まる。

以上が、5つのステップによる認知症の検査です。

4-2.否定したり叱らない

認知症の方とコミュニケーションをとるとき、否定しない・叱らないを意識しましょう。

認知症になると記憶障害により、理解しがたい言動が多くつい強く注意しがちです。

しかし、本人も症状には戸惑い混乱しています。

本人の気持ちや考えを尊重し、穏やかに接するのが大事です。

4-3.環境を整える

認知症になった本人が生活しやすい環境を整えましょう。

例えば、トイレの場所を忘れる場合は、張り紙でトイレまで誘導すると安心です。

同じ商品を買ってくる場合は、買い物メモを渡すことで余計なものを買う頻度が下がります。

このように、本人の症状に合わせた工夫を取り入れ、自身の負担を軽減します。

5.予防方法

老化現象と認知症、それぞれの予防方法の紹介です。

5-1.老化への予防方法

5-1-1.酸化対策

酸素を吸うことで活性酸素が発生し、老化が進みます。

酸化を防ぐには、活性酸素を消去してくれる酵素を補う必要があります。

そのため、抗酸化作用のある栄養素を積極的にとりましょう。

抗酸化作用のある栄養素の例は、以下の通りです。

・βカロテン:人参、かぼちゃ、ほうれん草、しそ、ひじき

・ビタミンC:レモン、みかん、ブロッコリー、アセロラ、パセリ

・ビタミンE:アーモンド、イワシ、マーガリン、うなぎ

・ポリフェノール:ブルーベリー、赤ワイン、ココア

・フラボノイド:レタス、春菊、玉ねぎ、ぶどう

5-1-2.糖化対策

糖化は、体や肌の老化を早めます。

糖化を抑えるには、食生活を見直すのが大切です。

食事は最低20分かけて行う、炭水化物を控える、食事の時間を空けるのも効果的でしょう。

5-1-3.ホルモン対策

若返りホルモンのDHEAホルモン量は、低下を抑えることが可能です。

しっかり睡眠をとる、ストレスをためない、軽い運動をするよう心がけましょう。

5-2.認知症への予防方法

認知症の予防では、脳の活性化に役立つ行動が大切です。

その方法として、「リハビリ」「家事」、そして「生活習慣病対策」を紹介します。

5-2-1.リハビリ

リハビリの方法として、回想法や芸術療法があります。

・回想法:昔の写真を使用し家族で思い出を語る

・芸術療法:懐かしい歌を歌う、楽器を演奏する、絵を描く

認知症の本人は、古い記憶は残りやすい特徴があります。

本人が親しみやすいテーマでやるのが大切です。

5-2-2.家事

家事を工夫することで、自宅でリハビリができます。

家族や友人と家事を分担することで、達成感や自信を得られるのです。

ポイントは、以下の4つです。

・シンプルにお願いする

・うまくできていることを伝える

・さりげなく手伝い、失敗を防ぐ

・感謝する

このように、感謝を伝えることで自分が必要とされていると感じ、リハビリへの意欲がわきます。

5-2-3.生活習慣病対策

生活習慣病は、認知症の原因となる病気との関連が強いです。

そのため、以下の生活習慣病対策を心がけることで、予防になります。

・食生活:低糖質、低塩分にする。バランスよくとる。

・体を使う:スポーツ、運動をする。楽器を演奏、手芸、料理など体の一部を使う。

・人と交流をする:家族や友人と会話する。共同作業をする。

6.まとめ

いかがだったでしょうか。

老化現象は自然に訪れるものに対し、認知症は早期発見早期治療が大事です。

症状の違いや日常生活に影響がでているかを見分けて、適切な対応をしましょう。

また、普段から家事やリハビリ、生活習慣病対策を一緒に行うことで、認知症の予防をするのが大切です。

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