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傾眠傾向とは?原因や起こりうる問題、対策について解説

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日中の高齢者のウトウト。

もしかしたら、傾眠傾向かもしれません。

傾眠傾向とは、声かけや肩をゆするなどの弱い刺激で意識を戻す軽度の意識障害です。

一見すると、居眠りに見えてしまいますが、傾眠は意識障害です。

放っておくと、寝たきりになってしまう場合もあります。

この記事では、傾眠傾向の原因や起こりうる問題、対策について解説します。

1.傾眠傾向とは

傾眠傾向とは、声かけや肩をゆするなどの弱い刺激で意識を戻す軽度の意識障害です。

一見ただの居眠りと見えてしまいますが、意識障害であることが重要で、放置しておくと寝たきりになってしまう可能性もあります。

稀に、直前の記憶が無くなることもあり、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。

2.意識障害の4つのレベル

2-1.意識清明(正常)

意識がはっきりしており、何も問題がない状態を指します。

2-2.傾眠

声かけや肩をゆするなどの弱い刺激で意識を戻す軽度の意識障害です。

2-3.昏迷

傾眠よりも深く眠りに落ちてしまい、大声での声かけや強く体に刺激を与えなければ、意識を取り戻せない状態です。

2-4.昏睡

昏睡は、最も重度な意識障害です。

外部からの強い刺激を受けても目覚めることはなく、刺激に対する反応もない状態です。

しかし、排泄行為や脊髄反射はあるため、脳死とは別で分類されています。

3.傾眠傾向の原因

3-1.加齢などによる睡眠障害

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。

「レム睡眠」とは浅い眠りで、「ノンレム睡眠」は深い眠りです。

通常は、この2つの睡眠が一晩に4~5回の周期で繰り返されます。

しかし、高齢になると「ノンレム睡眠」が短くなり、70歳以上ではほとんどなくなってしまうことが分かっています。

この結果、睡眠のバランスが乱れ、傾眠傾向になってしまいます。

3-2.脱水症状

脱水症状も原因の1つです。

加齢とともに体内の水分量が減っていきます。

体に占める水分の割合が成人で約60%に対して、高齢者は50%〜55%です。

そのため、意識的に水分補給を行わなければ脱水症状になってしまいます。

脱水症状は、意識レベルを低下させて傾眠の原因になります。

3-3.薬の副作用

薬によっては、傾眠傾向をもたらす副作用のある薬もあります。

例えば、脳細胞の興奮を抑える「抗てんかん薬」には、副作用に傾眠傾向をもたらす可能性があります。

その他にも、副作用を持つ薬があるため、服用前に医師や薬剤師に副作用の有無についてはしっかりと確認しましょう。

3-4.認知症

認知症の症状である無気力状態から、傾眠傾向になる場合があります。

また、認知症の方の中には、生活習慣の乱れにより、昼夜逆転する場合があります。

このような方は、夜間の睡眠量が足りず、日中に傾眠傾向になってしまいます。

4.傾眠傾向により起こる問題

4-1.誤嚥

傾眠傾向の方は、噛む力や飲み込む力が衰えていることが多く、誤嚥してしまう可能性が高いです。

誤嚥は、誤嚥性肺炎になる可能性もあり注意が必要です。

誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌や食べかす、逆流した胃液などが気管支や肺に入ることで生じる肺炎で、死に至ることも少なくありません。

4-2.転倒

傾眠傾向の方は、ふらつきや眠気によって転倒する可能性が高いです。

内閣府が発表した平成27年版高齢社会白書によると、「要介護」となる主な原因として、「骨折・転倒」は全体の12.2%を占め、4番目の多さになっています。

このようなデータからも、転倒への対策は必須といっても過言ではありません。

4-3.寝たきり

自発的に動くことが少なく寝たきりの生活になりやすいです。

寝たきりは要介護4~5に当たり、要介護5では介護なしに日常生活を営むことがほぼ不可能な状態で、意思伝達も困難になってしまいます。

つまり、軽度の意識障害である傾眠の段階で対策をすることがとても大切なのです。

5.傾眠傾向の対策

5-1.日中に活動をする

日中活動をすることで、体は疲れを感じて睡眠を促します。

生活のリズムを付けるため、可能な範囲で家事を頼んだり、デイサービス・デイケアを利用することで、活動を習慣化させることができます。

自宅では日中、なるべく横にならないように工夫しましょう。

5-2.服薬の調整

薬が原因で傾眠傾向に至っている場合は、服薬の調整が必要です。

かかりつけ医に相談し、薬の変更や量の調整を行いましょう。

5-3.水分補給

脱水を防ぐにはこまめな水分補給が欠かせません。

喉の渇きに本人が気づいていない場合もあるため、周囲が声をかけるようにすると良いです。

普段から水筒を持ち歩く癖をつけたり、生活の一部に習慣として取り入れるなど工夫してみましょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

傾眠傾向とは、声かけや肩をゆするなどの弱い刺激で意識を戻す軽度の意識障害です。

放置しておくと、寝たきりに至る可能性もあります。

高齢者のウトウトは放置せずに声掛けを行い、夜間に十分な睡眠がとれるよう日中の運動習慣などを整えましょう。

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