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ユニットケアとは?従来型の違いやメリット・デメリット、今後の課題について解説!

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ユニットケアってなんですか?

従来型とユニットケアの違いって?

ユニットケアは割高って本当?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

ユニットケアとは、介護施設で入居者やスタッフが共同生活をする中で、一人ひとりの生活リズムや個性に合わせて、サポートする介護手法です。

ユニットケアは、福祉先進国である欧州諸国が始まりと言われており、日本でも2002年度からユニットケアを行う特別養護老人ホームへ支援金を支給するなどして、広まり始めました。

この記事では、ユニットケアと従来型の違いやメリット・デメリット、今後の課題について解説します。

1.ユニットケアとは?

ユニットケアとは、介護施設で入居者やスタッフが共同生活をする中で、一人ひとりの生活リズムや個性に合わせて、サポートする介護手法です。

効率を優先していた集団ケアから、ひとり一人に焦点を当てた個別ケアの考え方に変わりつつあります。

日本は、2002年度からユニットケアを行う特別養護老人ホームへ支援金を支給するなどして、広まり始めました。

そして現在では、特別養護老人ホームだけではなく介護老人保健施設や介護付き有料老人ホームなどにも取り入れられています。

2.ユニットケアと従来型との違い

従来型と比較した場合、ユニット型の特徴は、5つあります。

まず、すべて個室になります。

従来型では、個室と多床室(4人部屋)となっていたため、プライバシーがより守られるようになりました。

そして2つ目は、ユニットごとにキッチンや食堂、リビングなどの共有スペースがあり、居室と併設している点です。

従来型ではこのような設備は独立していることが多かったです。

共用スペースがあることで、他者と交流しやすくなっています。

3つ目は、スタッフがユニットごとに専任であることです。

従来型は、スタッフの担当は決まっていませんでした。

専任であることで、スタッフと入居者の距離が近くなり、安心してケアを受けやすくなります。

・介護スタッフはユニットごとの専任である

・ユニット単位(少人数)での共同生活になる

4つ目は、ユニット単位での共同生活になることです。

集団生活であった従来型と比べると、入居者のプライバシーや生活リズムを尊重した暮らしができます。

5つ目は、費用の違いです。

従来型と比べると、ユニットケアは割高となってしまいます。

特別養護老人ホームの費用は、主に「居住費」「食費」「介護サービス費」「日常生活費」がかかります。

それを部屋タイプごとにまとめた表が以下のとおりです。

すべて30日分の合計になっています。

■従来型個室(例)

内訳 月額(30日計算)
居住費 3万5,130円
食費 4万1,760円
介護保険

1割負担額(基本単価のみ)

要介護3         要介護4        要介護5 

2万1,360円     2万3,400円    2万5,410円

日常生活費 1万円
合計 要介護3         要介護4        要介護5

10万8,250円     11万0,290円    11万2,300円

■ユニット型個室(例)

内訳 月額(30日計算)
居住費 6万0,180円
食費 4万1,760円
介護保険

1割負担額(基本単価のみ)

要介護3         要介護4        要介護5 

2万3,790円     2万5,860円    2万7,870円

日常生活費 1万円
合計 要介護3         要介護4        要介護5

13万5,730円    13万7,800円   13万9,810円

※居住費、食費、日常生活費は施設によって設定が違います。

※介護保険部分は基本単価の上に施設ごとに体制やサービスの種類によってそれぞれ加算が追加となります

上記の表からも、ユニット型の場合3万円ほど上乗せした費用がかかってしまいます。

3.ユニットケアのメリット・デメリット

3-1.メリット

〇共用スペースがあるため、他の入居者とコミュニケーションが取れる

〇個室のため、プライベートを確保できる

〇感染症の感染リスクを低減できる

〇ひとり一人の生活を尊重できる

〇個室のため、家族が訪問しやすい

〇少人数のため、ひとり一人に寄り添った介護ができる

〇1人の時間を大切にしたい方の希望も叶えられる

3-2.デメリット

●従来型と比較すると費用が割高

●人間関係にトラブルが起きると気まずくなる

●1人が苦手な人にとっては孤独を感じてしまう

4.ユニットケアが基本のグループホームとは?

グループホームとは、認知症高齢者を対象に少人数で共同生活をする施設であり、地域密着型サービスの一つです。

グループホームでは、ユニットケアが採用されています。

基本的に5〜9人ほどで構成されるグループと思ってください。このユニット単位で生活していくのが、グループホームの基本です。

そして1つの施設の定員として1ユニット9人の2ユニット制などがメインになります。

ではなぜ少人数なのか?

もちろん理由があります。

この理由としては、認知症の方を対象にしており、家庭的な雰囲気の中で過ごしていただくという趣旨がある点が大きいです。

また、他の施設と比べると、低コストの場合が多いです。

他の施設ですと、認知症の方を受け入れると別のオプションとして費用がかかります。

しかしグループホームの場合は、認知症の方を受け入れることを前提とした施設のため費用が抑えられる場合が多いです。

https://carers-navi.com/group-home-detail

5.ユニットケアの課題

ユニットケアの定着には、まだまだ課題が山積みです。

この章では、3つの課題について解説します。

5-1.施設の立て替えが必要

ユニットケアは、プライバシーの確保や交流が生まれやすいように施設を設計する必要があります。

そのため、既存の施設がユニットケアを導入する際、リフォームや建て替えが必要になってしまいます。

建て替えのハードルは高く、ユニットケアが普及しない要因となっています。

5-2.割高になってしまう費用面

ユニットケアの場合、個室となることで費用がどうしても割高となってしまいます。

経済的に余裕がないとユニットケアの利用は難しいのが現状です。

5-3.介護の質の担保

介護の質を保つことも課題です。

手厚いケアが見込める反面、スタッフが限定されてしまうことによるローテーションの問題やスタッフの経験が反映されやすくなってしまう課題があります。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

ユニットケアはひとり一人の生活習慣や個性に合わせて柔軟なサポートをする介護手法です。

近年では、特別養護老人ホーム以外にも、介護老人保健施設(老健)や有料老人ホームなどの施設でも広まり始めています。

ぜひ、施設を選ぶ一つの基準としてみてください。

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