
「今の家では暮らしにくいから、引っ越しを考えている。」
「でも、老人ホームに入るほど体は衰えていない」
こんな悩みを抱えていませんか?
近年、老後に住む場所として、シニア向け分譲マンションが注目されています。
不動産協会が2011年に出した「高齢時代の住宅のあり方に関する研究報告書」によると、シニア向け分譲マンションは2006年以降、売り上げの好調を理由に複数の住宅開発者が参入し、数が増加したそうです。
ここでは、そんなシニア向け分譲マンションの特徴や介護が必要になった場合から、他施設との違いについて紹介します。
ぜひご覧ください。
目次
1.高齢者が生活しやすいシニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションとは、高齢者が生活しやすいよう配慮したバリアフリー仕様の分譲マンションです。
分譲マンションとは、一住戸ごとに販売しているマンションのことで、賃貸マンションとは異なり住戸の所有権は購入者のものになります。
ここでは、シニア向け分譲マンションの特徴や設備について解説していきます。
1-1. 特徴は、所有財産になること
他の介護施設と大きく異なる特徴は、物件が自身の所有財産になることです。
分譲マンションの購入になるため、自由に売却や譲渡、賃貸に出す、子どもに相続するなどができます。
1-2. 入居にかかる費用
入居にかかる費用は、物件購入代と月額費用です。
月額費用の内訳は、居住費や食費など生活にかかる費用です。
価格は、通常のマンションと同じかそれ以上の場合が多いでしょう。
また、購入費用の他に管理費や修繕積立費、サービス利用料金などが上乗せされます。
入居・入所にかかる費用
入居・入所時費用 | 数百万~1億円以上 | 月額費用 | 約10万円~30万円 |
購入資金のハードルが高い場合は、賃貸物件を検討してみましょう。
1-3. 入居対象者
入居対象者は、基本的に自立して生活を送れる高齢者です。
それ以外の、入居時の年齢や身元引受人がいるかなどの条件は、マンションにより異なります。
シニア向け分譲マンションは個人で購入できるものであり、物件ごとの独自条件がある場合が多いため、入居先ごとに確認が必要です。
1-4. 設備
シニア向け分譲マンションでは、生活サポートやフロントサービス、緊急時の対応を行う物件が多いです。
また、広めの間取りの物件もあり夫婦で入居可能な物件もあります。
娯楽施設が充実しており、ジムやレストランなど、マンションごとに特徴があります。
生活設備
浴室の場所 | 居室内 | 居室の広さ | 住宅による |
トイレ | 居室内 | 浴室設備 | 通常浴室 |
リビング | 居室内 | キッチン | 居室内 |
娯楽設備 | あり
(フィットネスジム、シアタールーム、レストラン、温泉など) |
洗濯室 | 居室内 |
2. サービス内容
シニア向け分譲マンションは、通常の分譲マンションと同じ位置づけです。
マンション側が、60歳以上の入居条件や、生活を支援するサービスを設けているだけです。
そのため、物件に介護や医療ケアの設備に関する基準はありません。
2-1. 通常は食事の提供、家事支援
通常のシニア向け分譲マンションが提供するサービスは、食事の提供や家事支援があります。
また、コンシェルジュが常駐し、サポートすることが多いです。
2-2. 介護が必要になったら外部委託
入居後に介護が必要になった場合、外部業者の訪問介護やデイサービスを利用します。
ただ、身体状況が悪化し要介護度が高くなると、住み続けることが難しくなる場合があります。
購入をする際は、自身の状態を十分考慮し検討しましょう。
3. 他施設との比較
ここでは、シニア向け分譲マンションと他施設の比較について紹介します。
3-1. 有料老人ホームとの違い
有料老人ホームは、以下の3タイプに分かれます。
・介護付き有料老人ホーム:生活支援サービスや、介護サービス、レクリエーションなどさまざまなサービスを受けれる。
・住宅型有料老人ホーム:生活支援サービスが提供されますが、介護サービスを受ける場合は外部と契約。
・健康型有料老人ホーム:食事や家事サポートが提供される。介護が必要になった場合は退去するのが基本。
それぞれのタイプと、シニア向け分譲マンションの違いは以下の通りです。
シニア向け
分譲マンション |
介護付き有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | 健康型有料老人ホーム | |
入居基準 | 自立~軽度
年齢は施設による |
自立~要介護5
65歳以上 |
自立~要介護
60歳以上 |
介護の必要がない方
60歳以上 |
費用 | 購入費用+管理費 | 前払金+月額利用料 | 前払金+月額利用料 | 前払金+月額利用料 |
設備 | 居室、娯楽設備 | 健康管理室
機能訓練室 |
娯楽設備
リハビリ設備 |
共同生活室
機能訓練室 |
3-2. サ高住との違い
サービス付き高齢者向け住宅とは、民間事業者が運営するバリアフリー付きの賃貸住宅です。
一般型と介護型の2種類あり、一般型で介護サービスが必要な場合、外部と契約になります。
シニア向け分譲マンション | サ高住 | |
入居基準 | 自立~軽度
年齢は施設による |
・一般型
自立~軽度の要介護度 60歳以上 ・介護型 自立~要介護5 60歳以上 |
費用 | 購入費用+管理費 | 家賃+管理費 |
設備 | 居室、娯楽設備 | 共有スペース(リビング、レストラン、温泉など) |
3-3. それぞれのメリット・デメリット
シニア向け分譲マンションと、介護付き有料老人ホーム、サ高住それぞれの選ぶメリットとデメリットを紹介します。
シニア向け分譲マンション | 介護付き有料老人ホーム | サ高住 | |
メリット | アクティブに過ごせる。
資産として手元に残る。 |
24時間体制で介護サービスが受けられる。
持病持ちの人も入居できる。 |
自由度の高い生活を送れる。
ある程度介護や支援が必要な人も入居できる。 |
デメリット | 外部の介護サービスを利用する必要がある。
売りたいときに買い手がつきにくい。 |
住宅型の有料老人ホームより費用が高い。
サービスの質にばらつきがある。 |
介護サービスを受ける場合費用が高額になる。 |
また、それぞれの施設におすすめの人は以下の通りです。
・シニア向け分譲マンション:自立して生活ができ、経済的に余裕がある。住居を資産にしたい。
・介護付き有料老人ホーム:しっかりした介護サービスを受けたい。
・サ高住:自立して生活ができ、自由に暮らしたい。費用は比較的安く抑えたい。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
シニア向け分譲マンションは、バリアフリー仕様の分譲マンションのことでした。
介護付きの他施設と大きく異なるのは、以下の2つです。
・所有財産となる
・介護サービスは外部と契約
自身の身体状況や資金を考慮し、購入するかどうか検討しましょう。