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地域包括ケアシステムとは?設立の背景や5つの構成要素、今後の課題を解説

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「住み慣れた地域で長く暮らしたい」

このようなことは誰もが思う事ではないでしょうか?

要介護状態になっても長く住み続けられる仕組みを作るために、地域包括ケアシステムが生まれました。

地域包括ケアシステムとは、高齢者ができる限り長く住み慣れた地域で生活を続けられるよう、地域一体となり支援するシステムです。

今回は、地域包括ケアシステムについて、できた背景や構成要素、今後の課題について解説します。

1.地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムとは、高齢者ができる限り長く住み慣れた地域で生活を続けられるよう、地域一体となり支援するシステムです。

日本は超高齢化社会に直面しており、65歳以上の総人口比は2017年時点で27.7%と言われています。

今後、この数値はさらに高まる見込みで、介護や医療の整備が急務です。

地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特

性に応じて作り上げていくことが必要です。

2.地域包括ケアシステムが必要な背景

この背景には2025年問題があります。

2025年問題とは、第二次世界大戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)で生まれた人口比率の高い世代の全員が後期高齢者(75歳以上)に達することで生まれる様々な問題の総称です。

例えば、介護を必要とする状態にもかかわらず、適切な介護サービスを受けられない介護難民の増加や65歳以上の高齢者が同じく65歳以上の高齢者を介護する老老介護が問題として挙げられています。

このような背景から2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築が進められています。

3.地域包括ケアシステムの構成要素は5つ

地域包括ケアシステムは5つの構成要素から成り立っています。

・医療

医療では、かかりつけ医や地域の病院との連携、リハビリなどにあたります。

通常の診察はかかりつけ医や地元の診療所、大きな病気の際は急性期病院が担うことを想定しています。

・介護・介護予防

介護では、地域密着型サービスが主になります。

地域密着型サービスとは、要介護の高齢者ができる限り長く住み慣れた地域で生活を続けられるように、2006年4月の介護保険制度改正により創設されたサービスです。

地域ごとの特性を活かし、その地域に添ったサービスを提供するため、市町村指定の事業者が提供しています。

また、要支援1・2の方が利用できる「地域密着型介護予防サービス」もあります。

https://carers-navi.com/area

・住まい

住まいでは、自宅やサービス付き高齢者向け住宅などを指します。

そして、充実した人生の最後を迎えるため、支援を行います。

・生活支援

生活支援では、自治体やボランティア、NPO法人等が主体となり、見守りや安否確認などを行っています。

また、地域交流の場の提供もしています。

4.地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、少子高齢化の対策として「介護」「医療」「福祉」「保健」「生活支援」など高齢者を支える自治体などに設置されている相談窓口です。

平成31年、全国で5167か所が設置されています。

2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

https://carers-navi.com/center

5.4つの助とは?

地域包括ケアシステムを構築するには、「自助」「互助」「共助」「公助」という4つの助の連携が大切です。

それぞれの「助」について見ていきましょう。

・自助

自助とは、自分で自分自身を助けることです。

現在の日本では、平均寿命と健康寿命の差が広がっています。

平均寿命だけでなく、健康寿命を伸ばすことで豊かな老後を過ごすことができます。

高齢者自身が、介護の予防に取り組み健康寿命を伸ばすことが重要です。

・互助

互助とは、家族や地域住民との助け合いです。

互助は、自発的な支援であるボランティアに該当します。

個人的な関係を持つ人々が、お互いを支え合うことで地域包括ケアシステムは成り立ちます。

・共助

共助とは、介護保険や医療保険など制度化された相互扶助です。

互助とは異なり、制度化されています。

・公助

公助は、上記3つでは対応できない場合、例えば生活困窮などの問題に対応するものです。

生活保護や虐待対策、災害時の支援などがこれに該当します。

6.地域包括ケアシステムの3つの課題

6-1.医療との連携不足

地域包括ケアシステムの構築には、医療との連携が欠かせません。

しかし、現状では十分に機能している地域は少ない現状があります。

今後、医療と介護の連携がカギとなります。

6-2.地域ごとの格差が大きい

地域包括ケアシステムは、地域ごとに行っています。

そのため、地域の税収や人口比率などの差によって、支援の充実度に差ができ始めています。

また、地域の特徴によって違いがあるため、他の地域の成功例がうまくいくとは限りません。

今後、地域ごとの格差を整えることも課題になります。

6-3.人手不足

地方では、医療介護従事者の人手が不足しています。

少子高齢化が進む地域では、介護が必要な高齢者は増えていく一方で、医療・介護従事者は減っています。

人材確保が地方では急務となっています。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?

地域包括ケアシステムは、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つの構成要素から成り立ちます。

そして、地域包括ケアシステムを構築するには、「自助」「互助」「共助」「公助」という4つの助の連携が大切です。

2025年に向けて、課題は山積みですが、これからの日本に必要不可欠な制度となるでしょう。

 

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