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高齢者の運転をやめさせたい!事故しやすい運転の特徴、免許返納や更新の手続き、事故の対策について解説

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「親が高齢になり、運転中に事故を起こしそうで不安・・・今すぐやめてほしい」

「高齢の親が運転することで、他人を巻き込む事故を起こしても責任が取れない・・・」

「高齢者の運転をやめさせるために、免許返納を強制することは出来ないの?」

など、高齢になった親御さんの運転に不安を抱えるご家族は多いと思います。

高齢化が進んだ今、高齢者による運転中の事故はニュースでも多く取り上げられ、社会問題となっています。

この記事では、高齢者の事故しやすい運転の特徴、免許返納の問題、免許更新に必要な講習や認知機能検査の内容、高齢者の運転をやめさせるメリット・デメリット、事故の対策について解説します。

1.高齢者の運転の特徴と事故が多い理由

75歳以上の高齢者による運転中の死亡事故は、年々増加しています。

ここでは、高齢者の事故が多い理由と運転の特徴について説明します。

1-1.注意力低下による判断ミス

高齢者になると、若者と比べて経験値が増える一方、加齢と共に注意力は低下していきます。

そのため、同時に多くの事をこなせなかったり、うっかりミスが増え、事故に繋がりやすくなります。

1-2.視力や聴力、運動能力低下による操作の遅れ

視力や聴力、運動機能の低下は避けて通れない老化現象です。

俊敏さに欠け、頭でイメージするよりもハンドルやブレーキの操作が遅れることがあります。

2.高齢者の運転免許返納

「高齢者の運転は何歳まで大丈夫なのか」「自主返納の手続きはどうすればよいのか」などの疑問について説明します。

2-1.免許返納のタイミング

免許返納のタイミングに関して、定められた年齢はありません。

75歳以上の高齢者に事故が多い現状、認知機能の程度、運転への不安感を踏まえて判断することが必要です。

2-2.免許返納の手続き

免許返納の申請場所や受付時間、必要書類は各都道府県警察の運転免許センターで確認することができます。

返納後は「運転経歴証明書」を交付してもらうことで、公的証明書として使えたり、さまざまな特典を受けることもできます。

3.高齢者の運転免許更新

70歳以上の高齢者が運転免許を更新するためには、講習を受けることが義務付けられています。

また、75歳以上の場合は認知機能検査を受験し、その結果に応じた講習を受けなければなりません。

その講習と検査についてご説明します。

3-1. 免許更新のための講習

講習の内容は、DVDによる安全運転の講義、視力や視野の検査、実際の運転指導などです。

70歳〜74歳の場合、2時間(5100円)の講習を受ける必要があります。

75歳以上の場合、認知機能検査の結果により3つの分類に分けられ、それぞれ受ける講習が違います。

つまり、認知機能の程度により、2時間(5100円)の講習、3時間(7950円)の講習のどちらかを受けます。

また、認知症が疑われる場合には、臨時の適性検査または医師の診断書提出が必要となります。

〈外部リンク〉高齢者講習等の流れ

3-2.免許更新のための認知機能検査

75歳以上の場合、30分(750円)の認知機能検査を受ける必要があります。

認知機能検査の内容は、大きく分けて3つです。

・1つ目:時間の見当識(日にち、曜日、時間がわかるかどうかの検査)

・2つ目:①イラストを覚える(イラストが書かれたボードを見て何が書かれてあるかを覚える)

      ②介入課題(たくさんの数字から特定の数字だけに印をつける注意力の検査)

      ③手がかり再生(①で覚えたものを思い出す記憶力の検査)

・3つ目:時計描画(白紙に時計の文字盤を描き、指定された時刻を描く検査)

〈外部リンク〉認知機能検査の方法および内容

◉認知機能検査を体験する場合はこちら

4.高齢者の運転をやめさせるメリット・デメリット

高齢者の運転をやめさせることにより、どのような影響があるのでしょうか。

メリットとデメリットについて考えてみましょう。

4-1. 高齢者が運転をやめるメリット

高齢者が運転をやめることによるメリットは、事故発生の危険が減ることです。

また、運転をやめることで得られる特典(バス・タクシーの乗車運賃割引など)もあり、各都道府県別に提示されています。

〈外部リンク〉運転免許証の自主返納をお考えの方へ 〜各種特典のご案内〜

4-2. 高齢者が運転をやめるデメリット

高齢者の移動が制限されてしまい、自由が減ることです。

特に、公共交通機関の少ない田舎は移動手段が少なく、タクシー代が高いという理由で外出頻度が減ります。

また、多忙なご家族にとって、送迎の頻度が増えることにもなります。

その対策として、上記の免許自主返納による特典があるのです。

5.高齢者の運転による事故の対策

高齢者の運転をやめさせたくても、そう簡単にはいかないのが現実です。

そこで、高齢者の運転による事故を防ぐための対策についてご紹介します。

5-1. 高齢者マークを貼る

70歳以上の人が運転に影響を及ぼすおそれがある時には、車の前と後ろの両方にマークをつけるよう努めなければならないと、道路交通法に示されています。

高齢者マークを付けた車に幅寄せや割り込みをすると罰則があるため、マークを付けることで他の車が配慮しなければならなくなり、安全性がアップします。

〈外部リンク〉警察庁 高齢運転者標識を活用しましょう!

5-2. 高齢者の安全運転相談窓口を利用する

高齢者の運転に不安がある場合、本人様やご家族の方に向けた相談窓口があります。

担当の職員さん(看護師や医療系専門職など)から助言をもらうことができるため、積極的に相談することをお勧めします。

電話でも相談できるので、警察署へ足を運ばなくても大丈夫です。

〈外部リンク〉警察庁 安全運転相談窓口(旧運転適正相談窓口)について

◉都道府県警察の安全運転相談窓口はこちら

6.まとめ

高齢になった親御さんの運転は、ご家族にとって大変不安な事だと思います。

近年、自動運転の車が普及しつつあるとは言え、なかなか簡単には導入できません。

この記事を読んだことで、高齢者の運転に対する不安を減らす一助となれば幸いです。

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