「カゾクを支える、カイゴを変える」
介護と親と向き合うサイト

【種類徹底比較】あなたに合った老人ホームを選ぶ5つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

自分の『大切な人』に介護が必要になった時,気になることは”どこで”介護をするか。

この記事ではこれから介護施設を選ぶ方に向けて

「要支援度・要介護度に合った介護施設」

「公的・民間施設の違い」

「名前は聞いたことがあるけれども,違いがよくわからない介護施設」

について解説していきながら,

あなたとあなたの大切な人が満足できる介護施設選びをお助けできればと思います。

1.介護施設の種類と特徴

ではここから介護施設の種類と特徴をどんな人に向いているのか、対象者に分けて解説していきます。

主な施設の種類の一覧は以下の表のとおりです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
自立 要支援1~2 要介護1~2 要介護3~5 認知症 認知症重度 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
グループホーム 0~15.8 10~14.3 × ×
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 × ×
特別養護老人ホーム 0 8.8~12.9 × × × ×
介護老人保健施設 0 7.6~13.4 × ×
介護医療院 0 7.6~13 × ×

◎充実した対応が受けられる
〇入居可能
△施設によって受け入れ可能
×入居不可

1-1.要支援1・2の方向けの施設

要支援1または要支援2と認定された方が利用することができる施設は以下の表のとおりです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
要支援1~2 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
グループホーム(要支援2以上のみ) 0~15.8 10~14.3
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 ×

要支援1と2と認定された方が受ける介護サービス内容は要介護状態にならないための「予防」になります。 

予防のサービス内容としては、日々の身体機能向上ための体操やレクリエーション、リハビリや栄養面での食生活改善、物を食べたり、噛んだりするための口腔機能の向上などがあります。

そのため、要支援1・2の方が施設を選ぶポイントとしては施設でどんな介護予防サービスが行われているかに着目して選ぶようにしましょう。

*ここで一点、注意が必要です。
要支援認定を受けていても認知症の状況によっては、施設によっては入居を断られる場合もあります。

具体的には「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」「ケアハウス」などです。

これらの施設は、介護体制が十分でないために、認知症の症状が中等度以上の場合の受け入れを断られることがあります。

またグループホームについては、要支援2以上であることと、認知症の診断がついていることが条件となります。

あらかじめ、認知症を患っていても入居することができるかを確かめておくようにしましょう。

1-2.要介護1・2の方向けの施設

要介護1または要介護2と認定された方が利用することができる施設は以下の表の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
要介護1~2 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
グループホーム 0~15.8 10~14.3
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 ×
介護老人保健施設 0 7.6~13.4
介護医療院 0 7.6~13

要介護1・2と認定された方は7種類の施設の中から選ぶことができます。

後述する「介護施設の特徴」「介護施設を選ぶポイント」を参考に、それぞれの施設の特徴を見極め、要介護者に合った介護施設を選ぶことが大切です。

*ここでも1点注意が必要です。

2015年度に介護保険制度が改正され、公的な介護施設である特別養護老人ホームに入居できる対象者が要介護3以上の方に限定されました。

そのため、要介護1・2の方は特別養護老人ホームには入居できなくなりました。

(参考:厚生労働省 2015年7月 介護保険制度の改正について

1-3.要介護3以上の方向けの施設

要介護3以上と認定された方が利用することができる施設は以下の表の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
要介護3~5 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 ×
グループホーム 0~15.8 10~14.3
特別養護老人ホーム 0 8.8~12.9 ×
介護老人保健施設 0 7.6~13.4
介護医療院 0 7.6~13

まずは、重介護が必要になる要介護3以上の方向けの医療・介護体制が整っているか確認しましょう。

介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどでは、医療・介護ケア体制はそろっているため安心ですが、グループホームの場合は寝たきりや常時医療処置が必要な場合には対応することができないといったケースもあります。

あらかじめしっかりと確認しておくようにしましょう。

また、年齢を重ね、介護度の段階が上がったり、医療行為の必要性が高まってしまった時には施設からの退去を求められるケースもあります。

要介護度が上がった時、医療行為の必要性が高まった時の対応は施設ごとに異なります。

退去してからまた新しい施設に入居するのは要介護者にとって、身体的にも精神的にもきついものです。

そのため、施設の入居を検討する際に、施設の情報をまとめた重要事項説明書や契約書をしっかりと確認しておくことが大切です。

さらに、最近では看取りまで行う施設も増えてきました。

看取りまで行う施設の場合、入居時に、看取り指針、体制について、本人や家族が説明を受けます。

その時に、家族として要介護者の人生の最後をどのように見送るのが大切であるかを考えておくことが大切です。

要介護3以上の方が施設を選ぶ時は以下の基準から施設を選ぶことが大切です。

・重介護の方向けに医療・介護の体制が整っているか。

・要介護度が上がった時に、そのまま住み続けることができる体制になっているか

・看取りまで希望する場合は、家族、本人が望む形の体制になっているか

1-4.認知症の方向けの施設

認知症と認定された方が利用することができる施設は以下の表の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
認知症 認知症重度 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
グループホーム 0~15.8 10~14.3
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 × ×
特別養護老人ホーム 0 8.8~12.9 ×
介護老人保健施設 0 7.6~13.4
介護医療院 0 7.6~13

認知症の方向けの施設は、それぞれ全く違う特徴があります。

例えば、グループホームは認知症を抱えた方が自宅のような家庭的な環境のもと、少人数で共同生活をするのが特徴の施設です。

人と交流することが得意な形にはオススメしたい施設ですが、他の人と交流することが苦手な認知症の方には不向きの施設であるといえます。

認知症を抱える本人の相性を考えた施設選びが大切です。

また、重度認知症の場合、ケアハウスへの入居はできません。

1-5.自立状態の方向けの施設

要介護認定を受けていないけど、家族が遠距離にすんでいて高齢者が一人で住むのは不安。という方も多いと思います。

そんな自立状態の高齢者が利用することができる施設は以下の表の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
自立 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
ケアハウス 0~30 9.2~13.1 ×

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなど高齢者向けの住宅に分類される施設があります。

自立状態の方は視野を広げて、将来の介護だけでなく、住宅としての住み心地なども踏まえ検討してみるのもオススメです。

以上が対象者別の入居する事ができる施設の種類でした。

次の章から介護施設1つ1つの特徴、費用などを公的な介護施設、民間の介護施設にわけ、詳しく解説していきます。

2.公的な介護施設の種類と特徴

1章でも紹介した表を公的介護施設にだけをまとめると以下の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
自立 要支援1~2 要介護1~2 要介護3~5 認知症 認知症重度 看取り 入居の

しやすさ

ケアハウス 0~30 9.2~13.1 × ×
特別養護老人ホーム 0 8.8~12.9 × × × ×
介護老人保健施設 0 7.6~13.4 × ×
介護医療院 0 7.6~13 × ×

公的な介護施設は 自治体、社会福祉法人などが運営をしており、民間よりも費用がかなり抑えることができるのが特徴です。

ではここから1章で紹介した施設ごとの特徴、費用などを1つ1つ丁寧に解説していきます。

2-1.ケアハウス(軽費老人ホームC型)

<特徴>
・身の回りのことは自分でできるが、家事など自宅での生活が困難な人向けの福祉施設。
・全国どこでも申し込めるが、住民登録を優先する地域もある。
・要介護認定をうけていなくても入居できる。
・食事などの日常生活に必要なサービスを受けられる。
・介護認定を受けたり、介護度が高くなると退去を求められることも。
・自治体から助成を受けられる。
・「一般型」と「介護型」の2種類がある。

<対象者>
介護型:独立して暮らすには不安な要介護1以上の認定を受けた65歳以上の方
一般型:60歳以上(夫婦の場合はどちらか片方が60歳以上であれば良い)で自炊ができない程度の身体機能の低下がある人や、独立して暮らすには不安がある人

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):一般型 0〜数百万円 介護型 0~30万円
月額利用料:一般型 0万円〜数百万円 介護型 9.2~13.1万円

2-2.特別養護老人ホーム

<特徴>
・食事・入浴・排泄などの身体介護から清掃や洗濯などの生活支援、リハビリ、脳トレなどの介護サービスを提供している。
・看護師は夜間配置の義務がないため、夜間にも医療ケアが必要な方は入居の際に断られるケースが多い。
・人気の介護施設で入居待ちとなることも多い。(入居の順番は先着順ではなく介護度や家庭状況などが考慮されて、介護者がいないなどの緊急度の高い方が優先されるので注意が必要です。)
・初期費用がかからない
・介護保険を利用できる
・全国どこでも申し込めるが、住民登録を優先する自治体が多い。

<対象者>
要介護3以上の認定を受けた方(要介護1・2の方は自治体から特別な許可を受けた場合のみ可能 詳しくは厚生労働省が提供する「特別養護老人ホームの特例入所に係る国の指針について」を参照してください)

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):なし
月額利用料:5〜15万円

2-3.介護老人保健施設

<特徴>
・入院治療を終えて退院した後、在宅復帰することを目指すことを前提とした施設。
・特別養護老人ホームの順番待ちとして選ぶ方も多い。
・長期的な入居を前提とした施設ではなく、入居期間は原則3ヶ月ほど(あくまで在宅復帰することを目的としているため)
・サービス内容はリハビリや医療サービスなど。

<対象者>
要介護1以上の認定を受けた方

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):なし
月額利用料:7.6~13.4万円

2-4.介護医療院

<特徴>
・急性期の治療が終わり、長期の療養を施すことを目的とした施設
・体調が順調に回復してくると退去を求められる可能性が高くなる。
・病院に併設されている施設が多く、医師や看護師が常駐し、本格的な医療やリハビリ指導を受けられる(認知症の受け入れも積極的におこなっている)。

<対象者>
要介護1以上の認定を受けた方

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):なし
月額利用料:7.6~13万円

2-5.その他の老人ホーム

軽費老人ホーム(A型、B型)

<特徴>
・自立した生活に不安があり、支えてくれる家族がいない高齢者が、自治体の助成により低価格で入居できる施設
・A型とB型があり、A型は食事を提供する、B型は食事を提供しないというサービス体制。

<対象者>
60歳以上(夫婦の場合はどちらか片方が60歳以上であれば良い)で月収34万円以下の方。

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):A型 0〜30万円 B型 0〜30万円
月額利用料:A型 6万円〜17万円 B型 3〜4万円

以上5つが公的な介護施設の種類と特徴になります。

3.民間の介護施設の特徴

では次に国から認可を受けてサービスを提供している民間の介護施設の特徴を解説していきます。

1章でも紹介した表を民間の介護施設にだけをまとめると以下の通りです。

種類 相場 入居条件
入居(万) 月額
(万)
自立 要支援1~2 要介護1~2 要介護3~5 認知症 認知症重度 看取り 入居の

しやすさ

介護付き老人ホーム 0~580 15.7~28.6
住宅型有料老人ホーム 0~21 9.6~16.3
サービス付き高齢者向け住宅 0~20.4 11.8~19.5
グループホーム 0~15.8 10~14.3 × ×

民間の介護施設は公的介護施設よりも費用はかかりますが、その分充実したサービス内容を受けることができます。

1つ1つ丁寧に解説していきます。

3-1.介護付き老人ホーム

<特徴>
・施設職員が介護サービスを提供する。
・介護保険上の「特定施設入居者生活介護」という介護サービスを提供するため、介護費用が別途かかることはない。
・職員は24時間常駐している。
・サービスは食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援サービス、入浴・排泄介助などの介護サービス、リハビリ・機能訓練、レクリエーションなどが入居者ごとの状態ごとに提供される。
・サービス内容、施設によって費用の幅が広い

<対象者>
・要支援1以上と認定された方(自立の方も入所できる混合型もあります)

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):0~580万円
月額利用料:15.7~28.6万円

3-2.住宅型有料老人ホーム

<特徴>
・食事のサービスや家事支援、レクリエーションなどのサービスが受けられるところが多い。
・介護サービスが必要な場合は別途外部の訪問介護、通所介護などの介護事業者契約をする必要がある。
・月々の入所に関する費用に介護保険を利用できない。(外部の事業者と介護サービスを契約する場合はその分について、介護保険を利用できる)

<対象者>
・特に規定はなし、施設によって異なる

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):0~21万円
月額利用料:9.6~16.3万円(介護サービスを利用する場合は介護サービス費用もプラス)

3-3..サービス付き高齢者住宅

<特徴>
・施設職員が安否確認や生活相談サービスを提供する。
・介護付き老人ホームよりも料金がやや安いところもある。
・介護保険上の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているところでは介護サービスを受けられる。(基本的な対象者は介護度が軽度の高齢者)
・「安否確認サービス」「生活相談サービス」は必ずどの施設にもついている。
・要介護度が重くなったらどのような暮らし方ができるのか、どんな対応をしなくてはいけないのか事前に確認しておくことが大事。

<対象者>
・60歳以上の方
・特定施設入居者生活介護のサービスを受ける場合は、要支援、要介護の認定が必要

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):0~20.4万円
月額利用料:11.8~19.5万円

3-4.グループホーム

<特徴>
・認知症の高齢者向けの施設。
・介護保険上の「認知症対応型共同生活介護」というサービスを提供する。
・自宅のような家庭的な環境のもと、少人数で暮らす。
・体調が悪化したり、施設側に迷惑をかける行為をすると退去をもとめられることも。
・住民票のある市町村でしか利用できない

<対象者>
・要支援2以上と認定された方

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):0~15.8万円
月額利用料:10~14.3万円

3-5.その他の老人ホーム

①健康型有料老人ホーム

<特徴>
・要介護認定関係なく、健康に生活を営みたいの方のために作られた施設。ジムや温泉などの設備を持つ施設もある。
・介護状態がより必要になると退去を求められることもある。
・月々の入所に関する費用に介護保険を利用できない

<対象者>
・特に規定はなし、施設によって異なる

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):0~1億円
月額利用料:10〜40万円

②小規模多機能型居宅介護施設

<特徴>
・自宅に住みながら施設への「通い」と利用者の自宅を訪れる「訪問」、必要に応じて「宿泊」3つのサービスを受けられる。
・介護保険を利用できる。
・在宅介護と相性が良い施設。

<対象者>
・要支援1以上

<費用>
初期費用(入居一時金や敷金):居宅サービスのため不要
月額利用料:介護度によって下記の表の通り定額

要支援1 3,438単位(自己負担額:3,438円)
要支援2 6,948単位(自己負担額:6,948円)
要介護1 10,423単位(自己負担額:10,423円)
要介護2 15,318単位(自己負担額:15,318円)
要介護3 22,283単位(自己負担額:22,283円)
要介護4 24,593単位(自己負担額:24,593円)
要介護5 27,117単位(自己負担額:26,117円)

※自己負担額は、1単位=10円の地域で1割負担の場合
※上記の基本単位に加えて、事業所の体制により、加算が追加されます。

以上が民間が提供する介護施設の特徴です。

では次から、老人ホームの正しい選び方を解説していきます。

4.自分もしくは自分の大切な人に合った介護施設を選ぶ5つのポイント

ここまで、「名前は聞いたことがあるけれども,違いがよくわからない介護施設」「公的・民間施設の違い」「要支援度・要介護度に合った介護施設」について解説してきました。

介護施設を実際に選ぶにあたり「自分もしくは自分の大切な人に合った施設」に巡り会えるかどうかは、後悔しない選択をする上でも大切なことです。

ここからは介護施設を選ぶにあたり「自分もしくは自分の大切な人に合った介護施設を選ぶための5つのポイント」を解説していきます。

4-1.介護期間から費用を決定する

1つ目のポイントが無理なく負担できる範囲はどれくらいか決定することです。

また、老人ホームにどのくらいの期間お世話になるのか。期間から逆算して費用を考えるようにしましょう。

ちなみに平均介護期間は、4年7ヶ月であることが公共財団法人生命文化センターの介護期間にまつわる調査にからわかっています。

要介護者の貯金、年金を把握し、介護期間が終了する時期、入居年数に見通しを立て、費用を決定しましょう。

いつ介護が終わるのかは判断しづらいものですが、平均4年7ヶ月という数字を参考に、介護期間と家庭の経済状況をすり合わせ、自分に合った料金の介護施設を探すと良いでしょう。

4-2.施設に見学・体験入居する

2つ目のポイントが施設に見学・体験入居することです。

いきなり施設に入居し、その施設が合わずに違う施設に移動するとなると、入居する本人にとって相当のストレス、負担になります。

そのため、施設を選ぶとき、入居する前には必ずといっていいほど見学・体験入居するようにしましょう。

4-3.評判の良い施設よりも相性が良い施設を選ぶ

地域の間で実際に評判が良かったり、ネット上での評価が良い老人ホームでも、実際に入居すると相性が合わないということがあります。

そのため、実際に見学・体験入居をしたり、スタッフと話してみて「評判の良い施設よりも相性が良い施設を選ぶ」ことが大切です。

たくさんの施設を検討し、入居する本人にその施設は本当に合うのかをよく考え、相性の良い施設を選ぶようにしましょう。

4-4..退去の条件を確認する

症状が悪化し、継続的な医療行為が必要となると「退去してほしい」と施設側から要求されることがあります。

施設の移動は入居する本人にとっても心身ともにストレスになります。できるだけ移動しなくてすむよう、あらかじめ最初で最後を考え、老人ホームを選ぶことが大切です。

そのため、施設側の退去するべき条件を老人ホームを選ぶ段階で確認しておくようにしましょう。

具体的に施設側から退去を求められるケースは以下の通りです。

・継続した医療行為が必要になった場合

・施設内で周囲とのトラブルが増加した場合

・月々の利用料を滞納した場合

・施設が閉鎖あるいは縮小した場合

・要介護度が変化した場合

継続した医療行為が必要になった場合でも施設に入居していてもいいのか、過去に退去を求められた人にはどんな人がいるのか、あらかじめ施設の退去条件を確認するようにしましょう。

4-5.医療体制を確認する

5つ目のポイントが「医療体制を確認すること」です。

なぜなら施設によって入居者への医療処置や緊急時への対応に違いがあるからです。

施設によっては人工呼吸器、注射・点滴などの医療処置を断る施設もあります。

また、日常的な医療処置の必要がない場合でも、医師・看護師との連携体制、提携病院の場所、診療科目、病院までの送迎の有無(費用)などが施設によって違います。

入居する本人が持病を抱えている場合は入居予定のケア体制で大丈夫なのか、施設長、ケアマネージャー、医者などと相談をするようにしましょう。

https://carers-navi.com/roujinho-mu-erabikata

5.介護施設を選ぶ時の3つの注意点

5-1.重要事項説明書について

重要事項説明書は、老人福祉法第29条に基づいて、介護施設に関する情報を開示するため都道府県への提出が定められている資料の一つなので、介護施設は必ず作成しています。

自分が求めている条件に適している施設かどうか、施設選びや契約の際に重要となるポイントを確認することは必須事項となります。

5-2.運営法人の経営状況について

施設を選ぶにあたり「安心して暮らせるかどうか」は重要な判断基準となります。

近年、高齢者向け施設は、いわば新しいビジネスと捉えられています。

そのために多くの企業が参入し運営してきているのですが、中には経営に失敗し倒産するケースも同時に増えてきています。

このような状況において安心して暮らせる施設を探すには、運営は堅実に行われているか、経営状況の確認が必須となります。

具体的には経営母体となる企業が安定しているか、あるいは介護事業の実績があるかをみましょう。

設立してから一定の期間が経っている施設、職員が充実し転職の少ない施設、医療法人などが関わっている施設は比較的安心できると言えます。

5-3.身元保証人について

身元保証人は、ほとんどの施設で保証人の必要性に言及していることに気づくと思います。

施設側からすると、支払いが滞った場合だけでなく、体調が急変した場合の介護サービスの手配や医療措置への同意、死亡した際の遺体の引き取りや遺留品の整理などの役割を担ってほしいと考えています。

その為、ほとんどの施設では入居時に身元保証人をを求められます。

しかし、家族がいなかったり、遠くに住んでいたりと保証人がいない場合も中にはありますよね。

そんな身元保証人がいない方の為に大きく2つの方法で身元保証を行います。

1つ目は、身元保証を行なっているNPO法人、弁護士事務所や司法書士事務所などと任意後見契約を結ぶ方法。

2つ目は、預託金を支払うことで施設自体と保証人契約を結ぶ方法。

中には預託金を用意することで自治体が保証人となってくれるケースもあるので保証人を立てるのが難しい場合には、老人ホームや自治体へ確認。

もしくはケアマネージャーや地域包括支援センターなどに相談してみることをおすすめします。

6.介護施設への入居手順

ここからは,実際に介護施設へ入居する際に必要となる手続きについて解説いたします。

大きく8段階の手順となっています。

①利用予定者の状況(要支援度・要介護度/認知症の有無)に合った介護施設の把握

介護施設を選ぶ際にはどんなに費用感であったり,その施設の雰囲気が合っていても自分の家族の要支援度・要介護度によっては入居ができないことがあります。

その為にまずは家族のご状況の把握,ご状況に合った介護施設の把握が必要となります。(本記事では,施設利用予定者のご状況(特に要支援度・要介護度)別に介護施設を分類していますのでご参考にして下さい)

②希望の地域にある「家族の状況に合った種類の介護施設」の情報収集をする

全国の介護施設の情報がわかりやすくまとまっているサイトを参考にしましょう。希望の地域にある「家族の状況に合った種類の介護施設」が見つかったらお問い合わせをして資料請求をすることをおすすめします

③見学・相談

合いそうな介護施設を見つけることができたら、次に見学・相談を行いましょう!

実際に足を運ぶことで雰囲気やスタッフの対応などの資料やサイトからは見えてこない情報を得ることができます。

④仮申し込み

気に入った施設を見つけることができたら、仮押さえの入居申し込みをし、必要な書類(診断情報提供書や健康診断書)の準備、入居前面談の日程決めなどを行います。

*仮押さえの期限はおおむね1ヶ月程度なので、契約に向けての準備は早めに行いましょう。

⑤面談

面談では施設側が利用者の健康状態などをチェックします。

*要介護者であれば、ケアマネージャーが同席し、施設長などの管理者クラスの担当者と面談を行います。

*入居予定者が入院しているなどの理由で、施設に訪問することが難しい場合は、基本的に病院に出向いてもらえます。

⑥入居審査

面談内容を踏まえて、要介護度や健康状態、経済状況などについて施設内での審査が行われます。

*経済状況については身元保証人の有無に重点がおかれます。最近では身元保証人がいない場合でも入居が可能な施設も増えてきています。後見人制度や民間の保証会社を利用することも可能です。

⑦体験入居

実際に入居する前に、3日~1週間ほどお試し入居を実施している介護施設もあります。

ホームページやパンフレットのみの情報や1日見学とは違い、実際に生活をしてみて雰囲気やサービスについてのチェックができます。

前向きに入居を考えている介護施設を見つけた際はスタッフに相談してみましょう。

⑧契約・入居

入居したい施設の見学や体験入居を経て問題がなければ契約の段階に移ります。

契約時に入居契約書などに書類を元に施設側から説明があります。

その際に、少しでも疑問点や不安があればその都度質問して下さい。

7.まとめ

自分の『大切な人』に介護が必要になった時,気になることは”どこで”介護をするか。

この記事ではこれから介護施設を選ぶ方に向けて「介護施設の種類」から「介護施設を選ぶ際のポイント・注意点」について解説してきました。

ここまで読んで頂いた方は自分、もしくは自分の大切な人だからこそ『後悔のない選択をしたい』そんな想いでこの記事を読んでいただいたのではと思います。

そんな想いに寄り添える「あなたの大切な人を大切に」できる情報を引き続き発信していますので、ぜひ参考にして頂けますと幸いでございます!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ご相談はこちらから