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専業主婦は大丈夫?認知症になりやすい人の特徴:疾患、生活、性格、職業について解説

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「専業主婦が認知症になりやすいというのは本当?」

「認知症になりやすい人の特徴はあるの?」

という疑問を抱く方のために、認知症になりやすい人の特徴について解説致します。

専業主婦だから認知症になりやすいという訳ではありません。

認知症は、老化に伴う脳の機能低下をはじめ、様々な要因が関係しています。

この記事は、認知症になりやすい人の特徴を、疾患、生活、性格、職業の面から深掘りした内容となっておりますので、是非参考にしてみて下さい。

認知症になりやすい疾患とは

認知症になりやすい疾患は、いわゆる生活習慣病です。

生活習慣病により、脳の血管はダメージを受けやすく、認知機能の低下に影響します。

ここでは、生活習慣病の代表的な疾患である高血圧と糖尿病における認知症との関連についてご説明します。

高血圧

高血圧は、脳血管性認知症になる危険が高いという報告は多くあります。

また、北欧や中国の研究では、アルツハイマー型認知症になりやすいとの報告もあります。

高血圧によって動脈硬化が起こり、脳の血管を流れる血流を悪くすることが原因です。

高血圧の方が血圧を下げる薬を飲むことは、認知症の発症を予防する手段になるとも言われています。

糖尿病

糖尿病と認知症の関連は、最近注目を集めています。

糖尿病は高血圧と同じく、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症になる危険が高いことが証明されています。

原因として、糖尿病は血管の障害を起こしやすく、さらに脳内のインスリン不足による影響もあると報告されています。

また、低血糖によって神経細胞が障害されることも、認知症の発症に関連しています。

引用文献:⑴生活習慣病と認知症

引用文献:認知症の大部分は生活習慣病型

認知症になりやすい生活とは

認知症になりやすい生活として、「刺激がない」「1人暮らし」「会話がない」などをイメージする方は多いと思います。

ここでは、研究報告から明らかになった、認知症になりやすい生活についてご説明します。

睡眠の質が悪い

睡眠薬を長期間、多めの量で使うと、認知症を発症しやすくなるという報告があります。

また、睡眠の質が悪いと、アミロイドβ(アルツハイマー型認知症の原因となる物質)が脳に溜まりやすく、認知症になる可能性を高めることも示唆されています。

社会交流が少ない

認知症は若い頃から仕事一辺倒で、右脳の感性を刺激する交友が乏しかった人に多発しているという実態があります。

「家族や友達にユーモアや褒め言葉が言える」「気楽に相談事に応じれる」「仲間と一緒にやる趣味に参加している」などに当てはまる場合は、交流の機会が多いと言えます。

趣味が少ない

1週間当たりの趣味に使う時間が長いほど、認知症になりにくいという報告があります。

男女共に多くの種類の趣味を持つことが、認知症予防の効果を高めると示唆されています。

これは、趣味が多いと知的な刺激を多く得られることが理由と言われています。

引用文献:睡眠・概日リズムの障害と認知症リスク

引用文献:地域高齢者の日常・社会生活の状況と物忘れ自覚症状との関連性

引用文献:⑸高齢者の趣味の種類および数と認知症発症

認知症の症状別、なりやすい性格とは

そもそも認知症になりやすい性格はあるのでしょうか。

性格とは、19歳頃までに完成する個人の特性であると言われています。

これからご紹介するのは、認知症の症状と認知症になる前の性格にどのような関連があるのかを調べた報告の内容です。

勤勉な性格

勤勉な性格の人は、“脱抑制”と言われる認知症の症状を起こしやすいと報告されています。

脱抑制とは、前頭葉と呼ばれる脳の前側の部分の障害によって引き起こされ、衝動のコントロールができず突発的な行動をしてしまう症状のことを示します。

勤勉な性格の人は、「時間を守る」「几帳面」「きちんとしている」「野心がある」などの特徴があり、多くの仕事をこなし、責任感のある性格で、ストレスをため込みやすいと言われています。

ストレスは、前頭葉の機能を低下させ、脳の萎縮を進める原因になります。

そのため、勤勉な性格の人は、脱抑制を起こしやすいと言えるのです。

神経質な性格

神経質な性格の人は、“易刺激性”という認知症の症状を起こしやすいと報告されています。

易刺激性とは、ささいな刺激に反応し怒ったり不機嫌となることを示します。

神経質な性格の人は、心配性、神経質、感情的な傾向があります。

神経質な性格の人は感情のコントロールが苦手であり、認知機能が低下することにより、感情や情緒が不安定となりやすく、元々の性格が強く現れてしまうと言われています。

協調性のある性格

協調性のある性格の人は、“異食”という認知症の症状を起こしやすいと報告されています。

異食とは、食べ物でないものを口に入れたり飲み込んでしまう行動を示します。

また、協調性のある性格の人だけでなく、反社会的な性格、ナルシストな性格の人も異色を起こしやすいという報告もあります。

引用文献:男女別にみた認知症高齢者の病前性格とBPSDの関連

認知症になりやすい職業とは

認知症になる危険性と職業との関連を調べた研究によると、認知的に非刺激的な仕事をしている人よりも、認知的に刺激的な仕事をしている人の方が、認知症になるリスクが低いことが報告されています。

この研究における認知的に刺激的とは「能動的」な仕事、認知的に非刺激的とは「受動的」な仕事のことを示しています。

つまり、指示されたことや決められた内容をこなす受身的な仕事よりも、自ら考え創造する自発的な仕事の方が、認知症になりにくいと言えます。

引用文献:Cognitive stimulation in the workplace, plasma proteins, and risk of dementia: three analyses of population cohort studies

まとめ:認知症になりにくい生き方とは

これまで解説した認知症になりやすい特徴を踏まえて、逆に認知症になりにくい生き方について以下にまとめました。

ただし、性格だけは簡単に変えることができないため、それ以外の面に注目しましょう。

・生活習慣病(高血圧、糖尿病)を予防する

・睡眠の質を良くする

・社会交流を増やす

・趣味を増やす

・受動的な仕事だけでなく能動的な仕事をする

認知症になりにくい生き方、できることがあれば是非意識してみて下さい。

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