化粧で介護予防ができる?
化粧療法にはどんな効果がある?
化粧療法は何を行うの?
このような疑問を抱えているのではないでしょうか?
化粧療法とは、化粧の力により心身に良好な変化をもたらす手法です。
介護や病気をきっかけに化粧から遠ざかってしまう人は少なくありません。
再び化粧をすることで、表情が明るくなったり、幸福度が高まったりする効果が期待できます。
この記事では、化粧療法の効果や実例、その他の介護予防について解説します。
目次
1.化粧療法とは
化粧療法とは、化粧の力により心身に良好な変化をもたらす手法です。
メイクセラピーとも呼ばれ、認知症や介護の予防・改善が期待されます。
介護や病気がきっかけで化粧から遠ざかってしまう人が多くいます。
化粧をすることで表情が明るくなり、外出をするきっかけにもなるでしょう。
また、化粧療法は女性だけでなく、男性の心身にも良い影響を与えます。
化粧療法では、スキンケアやハンドケア、顔のストレッチなども行います。
そのため、男女に関わらず効果が期待できます。
1-1.日本臨床化粧療法士協会とは
日本臨床化粧療法士協会は、学術研究を基礎とした臨床化粧療法の普及・啓蒙活動、人材の育成・研鑽を行う団体です。同団体が認定する臨床化粧療法士®や臨床化粧アドバイザー、化粧体操指導士らは、医療・介護をはじめとするさまざまな現場で活動しています。
https://japanclinical-cta.org/
1-2.化粧療法の実例
・メイクアップ
・ヘアセット
・ネイルケア・マニキュア
・スキンケア
・表情筋のストレッチ
2.化粧療法の効果
2-1.心身の健康につながる
化粧をすることで、幸福感が高まり、抗うつ症状や不安感の改善が見られることがわかっています。
また、スキンケアによって、血行の促進や肌トラブルの予防にも繋がります。
2-2.QOLの向上
QOLはQuality of lifeの略で、「生活の質」や「人生の質」と訳され、私たちが満足に生きる指標として注目されています。
化粧をすることで、若々しさを取り戻したり、社会との交流を促進したりすることが予想されます。
2-3.認知症の予防・改善
化粧は、脳の働きを活性化させます。
化粧品を選ぶ、香りを楽しむ、繊細に手を動かすといった動作が五感を刺激します。
このように化粧療法は、脳に良い影響を与えるのです。
3.自宅でできる化粧療法
化粧療法は、自宅で取り組むことも可能です。
できる限りご本人に取り組んでいただきましょう。
また、男性でもスキンケアや表情筋のストレッチを行うことで上記で説明した効果が期待できます。
いきなり行うのは大変な場合もありますので、少し口紅を塗る、少しフェイスマッサージをするなど、できることを少しずつ始めてみましょう。
4.その他の介護予防についても紹介
4-1.コグニサイズ
コグニサイズとは、認知(cognition)と運動(exercise)を組み合わせた造語で、運動と脳トレを組み合わせたエクササイズのことを示します。
軽度認知機能障害(MCI)の方にコグニサイズを行った結果、認知症の進行を抑え、記憶力アップにも繋がったことが報告されています。
また、コグニサイズを行うポイントは、中等度のきつさの全身運動であること、脳トレは難し過ぎないこと、週に3回以上行うことで効果が上がることです。
4-2.アニマルセラピー
アニマルセラピーとは、動物と触れ合い、ストレス緩和やリラックスなどを促進するために行う動物介在療法です。
動物と触れ合うと、幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されます。
オキシトシンには、幸せな気分になる・不安や恐怖心の軽減・ストレス緩和など様々な効果があります。
老人ホームでは、レクリエーションの一環として取り入れられています。
4-3.回想法
回想法は、自分の過去を話すことで精神を安定させ、認知機能の改善も期待できる心理療法です。
昔を思い出すことで、記憶障害の予防になるだけでなく、症状が現れた場合不安の軽減や、うつ感の改善にも繋がります。
回想法は、1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラー氏によって開発されました。
現在では、日本でも認知症の非薬物療法として、利用されることが増えています。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
化粧療法とは、化粧の力により心身に良好な変化をもたらす手法です。
メイクセラピーとも呼ばれ、認知症や介護の予防・改善が期待されています。
自宅でも気軽にできるため、無理のない範囲で行ってみてはいかがでしたでしょうか。