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介護ロボットは、いつから使えるようになる?6つのロボットを徹底解説

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親が高齢になり、そろそろ介護が必要になる。

できれば施設に入れるのではなく、自宅で一緒に暮らしたい。

でも、24時間付き添うことはできない…

そんなとき、介護ロボットがあれば便利ですよね!

介護ロボットは、日々の介護負担を減らし、被介護者の自立した生活も促します。

現在開発途上の段階ですが、既に製品化されているロボットもあります。

この記事では、そんな気になる介護ロボットの、現時点での種類や機能、個人での入手方法、介護保険情報に加え、利用するメリットとデメリットについてもご紹介していきます!

1.介護ロボットとは

介護ロボットは、介護が必要な人(被介護者)の生活や介護をする人(介護者)の介護負担を、ロボット技術を用いて補助する介護機器です。

あなたは、人間のように腕や顔がある介護ロボットが、様々な介護を代行してくれる様子を想像していませんか?

残念ながら、まだそのような介護ロボットは開発に至っていません。

現時点では、「排泄のサポートに特化した介護機器」や「入浴のサポートに特化した介護機器」のように、必要な機能ごとに個別で開発されています。

ですので、あくまでも介護ロボットは介護をサポートする機器という認識でいてください。

2.介護ロボットの役割は二つ

介護ロボットの役割は、介護者のためと被介護者のためと2つに分かれます。

①介護をサポートし、身体的および精神的負担を軽減させる(介護者)

少子高齢化が進む日本では、介護者への負担がますます増えていくと予測されます。

介護負担を軽減するべく、介護ロボットの開発が始まりました。

介護の現場で、最も多い悩みの一つが腰痛です。

介護職員のおよそ7割が腰痛を抱えているという統計もあります。

日々の介護でも身体的負担が大きくかかる、ベッドや便座から車いすへ移る移乗、浴槽の出入りなどのサポートに特化した介護ロボットが開発されています。

②自立した生活の実現(被介護者)

介護ロボットは、被介護者にとっても重要な役割を担います。

「被介護者」と一括りに言っても、必要な介護サービスは人によって様々ですよね。

同様に、被介護者が自分でできることも人によって様々です。

介護ロボットを利用することで、自分で出来る幅が広がります。

よって、被介護者自身が自立した生活を送ることへの意欲に繋がるのです。

3.様々な介護ロボットの機能

3.‐1. 6つの開発重点分野

現在、さまざまな機能を持つ介護ロボットが開発されています。

その中でも厚労省と経産省によって、

「開発重点分野」が6つ定められています。

厚労省が公表している情報を基に、一つずつ見ていきましょう。

1. 移乗支援

http://robotcare.jp/jp/development/index.php

ベッドやトイレから車いすへ乗り移る、移乗のサポートに特化したもので、2種類あります。 

①装着型

介護者がこれを体に装着することで、腰や腕などの身体的負担を軽減します。

脳から筋肉に送られる信号を読み取って動きをサポートする機器や、

空気圧を用いた人工筋肉を使って持ち上げる力を最小限に抑えられる機器などがあります。

②非装着型

ベッドと車いすが一体化したものや、ベッドのシートごと持ち上げるものがあります。

介護者と被介護者の身体的負担を軽減します。

2. 移動支援

http://robotcare.jp/jp/development/04_05.php

被介護者の歩行サポートに特化したものです。

①屋外用

外出する際のサポートに特化しています。歩行器型の製品が多いです。

上り坂で自動的にパワーアシストが作動する機能や下り坂で人の動きに合わせて自動的に減速する機能を搭載した歩行器などが製品化しています。

②屋内用

立ち座りやトイレなどを往復するサポートに特化しています。

③装着型

被介護者が体に装着することで、歩行や立ち座りをサポートします。

股関節や膝関節の動きに合わせてモータが稼働し、転倒予防に繋がります。

3. 見守り・コミュニケーションの精神的サポート

https://suumo.jp/journal/2020/03/09/170876/

介護には、身体的だけではなく精神的サポートも必要です。

①在宅向け

センサーやカメラなどの外部通信機器を備えた、見守りに特化したロボットです。

被介護者を遠隔地から見守ることができます。

②生活支援

被介護者とのコミュニケーションに特化しています。

体操やクイズなどのレクリエーション機能が搭載された機器もあります。

4. 排泄支援

https://kaigorobot-online.com/product_categories/toilet/description

①排泄物処理

排泄物の処理にロボット技術を用いたポータブルトイレです。

ベッドの横に設置することも可能なので、移動の負担をなくすことができます。

②トイレ誘導

超音波を利用することで排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器です。

③動作支援

トイレ内での着脱や、排泄の動作をサポートする機器です。

5. 入浴支援

http://robotcare.jp/jp/development/08_02.php

浴槽に出入りする際の動作をサポートする機器です。

リフト型の椅子に被介護者が座ることで、跨ぐ動作を省いて座ったまま入浴することができます。

3.‐1.‐6. 介護業務支援

https://ledge.ai/aeolus-robot/

続いて、介護施設での利用を想定した介護業務支援ロボットを紹介します

ロボット技術を用いて、見守りや移動支援、排泄支援をはじめとする介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、

それを基に、被介護者の必要な支援に活用することを可能とする機器です。

4.在宅向け介護ロボットの入手方法

介護ロボットは現在多くが開発段階なので、

個人で入手できる、製品化した商品はあまり多くありません。

数少ない個人向けの介護ロボットですが、現時点で入手する方法をご紹介します。

4.‐1. 自治体のロボット貸し出し制度を使う

介護ロボットは政府が開発に携わっているので、安く借りられる制度を設けている地方自治体もあります。  

中には1割負担で借りることができる自治体もあるようです。

しかし、各自治体によって制度が異なり、貸し出し制度自体がない自治体や、法人向けのみに貸し出しを行っている自治体もあるので注意が必要です。

またそれらの制度は、介護ロボットの開発の進捗状況に応じて更新されています。

最寄りの自治体が出す情報を、日頃からチェックしておくと良いでしょう。

4.‐2. 個人で購入やレンタルをする

現在個人で購入やレンタルができる介護ロボットは数が少ないですが、

介護ロボットを専門に扱うオンラインストア(介護ロボットONLINE)や

Amazonなどの通販サイトで購入することができます。

以下は商品例です。

○コミュニケーション介護ロボット「パロ」 453,600円~(税込)

セラピーロボットとして実際に介護施設の現場で導入されている製品です。

自宅で個人利用をされている方もいるようです。

Amazonや楽天などの大手通販サイトで購入することができます。

○移乗介助型ロボット「HAL®」 2,000,000円~(税込)

介護者が体に装着することで、身体的負担を減らせる製品です。

詳しくはCYBERDYNE株式会社のホームページで確認できます。

5. 介護保険が適応される製品もある

介護ロボットの購入やレンタルは、一部の製品に限り介護保険の対象です

要介護度によって支給される限度額が変動します。

対象となる介護ロボットは、

・自動歩行器(移動支援)

・自動排泄処理機(排泄支援)

の一部の製品です。

現時点では対象が限られていますが、今後も開発に伴い対象が広がっていくことでしょう。

6. 介護ロボットのメリット

最も大きなメリットは、介護者の身体的および精神的負担を軽減させることです。

一日に何度も人間を抱え上げたり、降ろしたりすると腰や腕にかなりの負担がかかってしまいます。

さらに毎日続くため、精神的にストレスをためてしまう恐れもあります。

ロボットの技術に力を借りることでこれらの負担を減らすことができるのです。

また介護ロボットは、被介護者にとっても、日々の介護に対する申し訳なさや、排泄や入浴の際の恥ずかしさなどの心理的負担を減らすといったメリットがあります。

自分で出来ることが増えれば、自立した生活への意欲にも繋がるでしょう。 

7. 介護ロボットのデメリット

最も大きなデメリットは、巨額のコストがかかることです。

実際に活用されている例が少ない上に高額な介護ロボットですので、

購入を躊躇してしまう方も多いです。

ですが、4.‐1. 自治体の制度を使う で紹介したように、

政府が一般の普及に向けて補助金制度を設けるなど、様々な取り組みをしています。

通販サイトの販売価格だけを見て諦めてしまうのではなく、

最寄りの自治体が出す情報をチェックしてみてください。

8.まとめ

介護ロボットは、まだ開発の入口段階と言えます。

少子高齢化という社会問題を抱える日本にとって、介護ロボットは欠かせない存在となっていくことでしょう。

しかし現段階で実用化に至っている製品は、多いとは言えません。

今後も、政府や民間企業、そして介護現場が一丸となって開発を進め、さらに高度な技術を持った介護ロボットが一般に普及されることを願っています。

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