ウォーキングを始める高齢者の方も増えていますが、メリットや注意すべき点を理解していないと、効果的なウォーキングをすることはできません。
とはいえ、高齢者がどのようにウォーキングを取り入れればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、高齢者のウォーキング事情や取り入れるメリット、注意点などについて詳しく解説します。
目次
高齢者のウォーキング事情
高齢者の7割近くが運動不足を感じている
スポーツ庁が行った運動不足についての調査によると、60代の77.2%、70代の70.0%が運動不足を感じているという結果になりました。
また、その中でも60代の30.3%、70代の23.2%が「(運動不足を)大いに感じる」という結果となっており、運動ができていない高齢者が多いことが分かります。
運動不足を感じる割合の男女による違いはほとんどないことも特徴的です。
(参照:スポーツ庁「図 1-3 運動不足を感じるか(Q12)」)
ウォーキングを始める高齢者が多い
スポーツ庁の同じ調査によると、スポーツを始めた年代は10代に次いで70代が81.3%と多くなっています。
また、ウォーキングを始めたと回答した人の割合を年代別に見てみると、60代で62.7%、70代で61.4%となっており、これはすべてのスポーツの中で飛び抜けて多い割合となっているのです。
このような結果から、60代、70代の高齢者でもウォーキングは始めるハードルが低く、肉体的な負担が少ないことが分かるでしょう。
(参照:スポーツ庁「表 2-1-ア この 1 年間に行った運動・スポーツの種目 上位 20 位抜粋(Q13)」)
高齢者がウォーキングをするメリット
高齢者がウォーキングをするメリットは以下の通りです。
- 死亡リスクを下げることができる
- ストレス軽減につながる
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
1.死亡リスクを下げることができる
ウォーキング(身体活動)をしている人と座りっぱなしの人を比べたとき、座りっぱなしの人のほうが死亡リスクが高いことが分かっています。
また、1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病発症や死亡リスクが約3%低下できる可能性があるという推測もされています。
このように、日常生活にウォーキングを取り入れて身体活動を増やすことで、死亡リスクや生活習慣病などの発症リスクを下げることができるのです。
(参照:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 」)
2.ストレス軽減につながる
ウォーキングでは日光を浴びたり、キレイな景色を見たり、風を感じたりと、自然に触れ合うことができるため、リラックスしたり、気分転換にもなります。
ウォーキング後は身体を動かした心地いい疲れからストレス軽減にも効果が期待できます。
高齢者がウォーキングをするときの注意点
高齢者がウォーキングをするときの注意点は以下の通りです。
- 歩けば歩くほど効果があるわけではない
- 継続して行う必要がある
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
1.歩けば歩くほど効果があるわけではない
先ほどもお伝えしたとおり、高齢者がウォーキングをすることで死亡リスクや生活習慣病などのリスクを低減することができますが、長距離歩くことによってリスクが大幅に低減するという調査結果はありませんし、ケガや体調を崩す原因にもなります。
厚生労働省では高齢者の身体活動について、1日40分以上(1日約6,000歩以上)と定めていますので、この基準を目安にしてウォーキングを取り入れるといいでしょう。
また、ウォーキング以外の時間についても座りっぱなしの状態が長くなりすぎないように注意する必要もあります。
(参照:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 」)
2.継続して行う必要がある
短期的にウォーキングを行っても健康面での効果は期待できないため、継続的にウォーキングを行う必要があります。
厚生労働省によると、短時間のウォーキングであっても継続することで健康増進の効果は得られると記載されているため、無理のない範囲で短時間でもウォーキングをすることが大切です。
(参照:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 」)
まとめ
本記事では、高齢者のウォーキング事情や取り入れるメリット、注意点などについて詳しく解説しました。
高齢者の運動としてウォーキングは取り入れやすい種目となっていますので、運動不足を感じている高齢者の方はもちろん、健康を意識し始めた高齢者の方もウォーキングを取り入れてみるといいでしょう。
無理して目標歩数を歩かなくても健康には効果はありますので、無理のない範囲で継続できるように取り組むことを心がけることが大切です。
ぜひ本記事を参考にして、ウォーキングを日常に取り入れてみてください。