「カゾクを支える、カイゴを変える」
介護と親と向き合うサイト

物忘れ外来とは?検査内容や費用、早期治療をするメリットなどを解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

物忘れ外来に行くタイミングは?

どんな検査があるの?

費用はいくら?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

物忘れと聞くと、まず認知症が思い浮かぶと思います。

しかし、物忘れには「認知症による物忘れ」と「老化による正常な物忘れ」があります。

物忘れ外来は、「認知症による物忘れ」と「老化による物忘れ」を見極め、認知症を早期発見するための外来です。

この記事では、物忘れ外来の検査内容や費用、早期治療をするメリットなどを解説しています。

1.物忘れ外来とは

物忘れ外来とは、「認知症による物忘れ」と「老化による物忘れ」を見極め、認知症を早期発見するための外来です。

基本的に、大きな総合病院に併設されており、神経内科や精神科の医師が担当することが多く、段階によっては臨床心理士が対応する場合もあります。

物忘れ外来に行くタイミングは、以下の初期症状がみられたときが目安です。

・同じことを何回も話す

・よく探し物をする

・料理や買い物に手こずる

・お金の管理ができない

2.加齢と認知症による物忘れの違い

物忘れと聞くと、認知症をイメージする方も少なくはないと思います。

しかし、物忘れには「認知症による物忘れ」と「老化による正常な物忘れ」があります。

2-1.加齢による物忘れ

年を取ると、物忘れが多くなるのは自然なことです。

「財布をどこにしまったか忘れてしまった」「集合時間を忘れてしまった」

このようなことはよくあり、認知症の症状ではありません。

ただし、財布をしまったこと自体を忘れていたり、待ち合わせをしたことを忘れている場合は、認知症の可能性があります。

2-2.認知症による物忘れ

認知症による物忘れでは、記憶を覚える機能に問題が起こります。

記憶は①情報を覚える②情報を記憶として蓄える③情報を思い出すの3つから成り立っており、加齢による物忘れでは、情報を思い出す機能の低下がよく見られます。

しかし、認知症による物忘れでは、①情報を覚えることができなくなるため、財布をしまったことや待ち合わせをしたことを忘れてしまいます。

そのため、何度も同じことを尋ねたり、自分で片づけたことを忘れて盗まれたと被害妄想をしてしまうこともあります。

2-3.表で見る老化現象と認知症チェック

加齢による物忘れと認知症による物忘れの特徴は、以下の表の通りです。

加齢による物忘れ 認知症で起こる物忘れ
内容 一般的な知識を忘れる 経験した出来事を忘れる
範囲 体験したことの一部分 体験したこと全体
進行 進行しない 進行する
日常生活 支障なし 支障あり
自覚 自覚がある 自覚はない
学習能力 判断力や理解力に問題ない 判断力や理解力が低下する

新しいことを覚えられない

感情・意欲 保たれている 怒りっぽくなる

やる気がないように見える

何事にも億劫になる

疑い深くなる

    (参照:https://www.sompo-egaoclub.com/articles/fixed/2)

3.どんな検査を行う?

3-1.問診

まずは、問診から行います。

問診では、どんな症状があるのか、きっかけがあったか、これまでの病気や事故などを尋ねます。

また、問診には、必ず家族も同席しましょう。

客観的な見解がとても大切になります。

3-2.神経心理検査

基本的に、問診の次に神経心理検査を行います。

神経心理検査では、認知機能や記憶力などを確認する検査です。

今日の日付などの簡単な質問や計算問題が出題されます。

3-3.脳画像検査

MRIやCTなどの画像検査を行う場合もあります。

脳の萎縮や脳出血などを起こしていないか検査します。

3-4.その他の検査

その他の検査としては、血液検査やレントゲン検査などが行われます。

このような検査では、認知症の種類を判断したり、その他の病気の可能性を調べます。

4.物忘れ外来でかかる費用

物忘れ外来でかかる費用は、検査項目や症状によって異なります。

3割負担の場合以下のような目安になります。

問診と神経心理検査:1000~2000円

CT検査:約5000円

MRI検査:約10000円

あくまでも目安のため、気になる方は事前に診察予定の病院へ問い合わせてみましょう。

5.認知症の早期発見・治療のメリット

5-1.原因によっては、早期治療により改善する可能性も

認知症の原因が、水頭症や慢性硬膜下血腫、甲状腺機能、低下症などのホルモン異常などであれば、早期発見・治療によって改善が見込める場合もあります。

また、認知症の手前である軽度認知障害(MCI)も発見が早いほど、認知症に移行するのを阻止したり、移行スピードを遅らせられたりできます。

https://www.tokai.ac.jp/oisohosp/mame/Medical-Tips48.pdf

5-2.将来に向けた対策を立てられる

早期発見をきっかけに、今後の治療や介護について話し合う時間を持つことができます。

また検査の結果によらず、限りある人生をどのように生きたいか改めて考える機会にもなるでしょう。

介護の準備についてはこちらの記事をご覧ください。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

物忘れ外来は、「認知症による物忘れ」と「老化による物忘れ」を見極め、認知症を早期発見するための外来です。

認知症を早期発見することで、進行を遅らせ、準備をする時間が確保できます。

以下のような症状がみられる場合には、物忘れ外来を受診しましょう。

・同じことを何回も話す

・よく探し物をする

・料理や買い物に手こずる

・お金の管理ができない

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ご相談はこちらから