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狭心症とは?具体的な症状や予防法、心筋梗塞との違いを解説

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狭心症は、心筋梗塞と並んで、代表的な心臓病として知られています。

心臓病は日本人の三大死因と言われており、厚生労働省(2019年)の発表によると死因で第2位となっています。

また、厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると介護が必要となった主な原因のうち、4.5%が心臓病となっています。

心臓病の多くは、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が大きく関わっています。

そのため、生活習慣を見直すことである程度は予防できるでしょう。

この記事では、狭心症の種類や症状、予防方法について解説します。

1.狭心症とは

狭心症とは、心臓に酸素を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、酸素の供給が不足することです。

狭心症の多くは、運動や入浴後など心臓に急激な負荷がかかったときに起こり、短時間で消失することが多いです。

よくある症状は、締め付けられるような胸の痛みです。

しかし、狭心症の初期症状は疲れやだるさ、息切れなどで自覚が難しいです。

さらには、胸以外にも腕や背中、喉など胸以外に痛みが現れる場合もあります。

特に糖尿病患者は、狭心症の症状を自覚しにくいため、息苦しいといった程度でも主治医に早めに相談しましょう。

2.狭心症の症状と種類

2-1.狭心症の症状

狭心症の症状は、発作が起こると胸が締め付けられ、圧迫感と不快感が現れます。

また人によっては、激しい痛みや冷や汗、吐き気などの症状が伴うこともあります。

さらに痛みは胸以外にも、歯やあご、腕に痛みを感じることもあり、放散痛と呼ばれています。

痛みは30秒から30分続くことが多く、30分以上続く場合は心筋梗塞を疑いましょう。

2-2.狭心症の種類は4つ

〇労作性狭心症

早歩きや階段の昇り降りなど労作(運動)をしたとき、心臓に負荷がかかり症状が強くなる狭心症を労作性狭心症といいます。

〇安静時狭心症

労作性狭心症とは異なり、安静時にも症状が現れるものを安静時狭心症といいます。

〇安定狭心症

日常生活の中である一定以上の運動をすると症状が現れるものは安定狭心症といわれています。

〇不安定狭心症

不安定狭心症は、症状の現れ方が不規則で心筋梗塞や突然死につながる可能性が高い狭心症です。

2-3.狭心症と心筋梗塞の違い

心筋梗塞も狭心症と同様に胸の痛みが典型的な症状です。

狭心症とは異なり、胸の痛みが強く、吐き気や呼吸困難などを伴うことが30分~1時間以上続くこともあります。

しかし、高齢者の場合、胸の痛みはないが息苦しいというだけで心筋梗塞を発症している場合があり、注意が必要です。

心筋梗塞は死に直結する病気のため、胸の痛みの強弱に関わらず症状が止まらない場合は、速やかに救急車を呼びましょう。

3.狭心症の治療法

狭心症の治療には、「血流を改善させる」「虚血を防ぐ」この2つが大切です。

3-1.薬物療法

症状が比較的安定している場合は、薬物療法が行われる場合が多いです。

狭心症の発作時には、血管を拡張させて血液をスムーズにするニトログリセリンなどの硝酸薬が使用されます。ニトログリセリンを服薬することで痛みは2,3分で和らぎます。

また、狭心症の予防として心拍数を抑え、心筋に必要な酸素量を少なくするβ遮断薬や血栓を防ぐ抗血小板薬があります。

3-2.外科的治療法

薬物療法で改善が得られない場合には、外科的治療法が選択されます。

外科的治療法には2種類あり、冠動脈形成術と冠動脈バイパス手術があります。

〇冠動脈形成術

冠動脈形成術では、冠動脈のうち血管が狭まっている箇所までカテーテルを導き、バルーンを膨らませ血管を押し上げます。カテーテルを使用することで手術により胸を開かずに治療ができ、患者の負担を減らすことが可能です。

〇冠動脈バイパス術

冠動脈バイパス術では、冠動脈のうち血管が狭まっている箇所を迂回する形で新たな血管を作ります。

基本的には、足の静脈など体の他の部位を使って接続します

4.狭心症の予防法

4-1.食習慣を見直そう

生活習慣病に大きく影響しているのが食生活です。

偏った栄養バランスや不規則な時間の食事などが原因になります。

塩分を摂りすぎると高血圧になり狭心症だけでなく脳卒中のリスクへ、また糖分を取りすぎると糖尿病になりアルツハイマー認知症のリスクへとつながります。

4-2.禁煙・禁酒する

喫煙やアルコールの摂取が多い場合も狭心症を招くリスクが高くなります。

たばこは、一酸化炭素やニコチンが心臓に悪影響を及ぼします。

また、血管にも害を与え動脈硬化をもたらすので、心臓病予防に欠かせない条件です。

4-3.定期的な運動をする

運動不足も狭心症の原因です。

運動不足は、筋力の低下により基礎代謝の減少や血流の低下をもたらします。

しかし、この記事を読んでいきなり激しい運動をすると、かえって狭心症や心筋梗塞を引き起こす原因になってしまいます。

ご自身の体調と生活習慣に合った方法を取り入れましょう。

以下のような簡単にできる運動や体操を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

・ウォーキング

・スロージョギング

・笑いヨガ

https://carers-navi.com/exercise

4-4.ストレスを抱えない

心身にストレスがかかっていると、動脈硬化の進行や血管の収縮、高血圧も起こりやすくなります。

特にストレスについては、被介護者だけでなく介護者も注意が必要です。

ストレスが溜まってると感じているけど、介護が忙しくなかなかリフレッシュできないことは少なくないのではないでしょうか?

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

狭心症とは、心臓に酸素を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、酸素の供給が不足することです。

症状は、胸が締め付けられる圧迫感と不快感が現れ30秒~30分続くことが多く、30分以上続く場合は心筋梗塞を疑う必要があります。

胸に違和感を覚えている場合は、狭心症以外の可能性もあるため、直ちにかかりつけ医に相談をしましょう。

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