「親と一緒に暮らしているけど、最近外に出ているとこ見てないな…」
「寝たきりにならないためには、何をしたらいいの?」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
親にはできるだけ健康でいてほしいですよね。
この記事では、家でもできる介護予防を運動と体操の面から紹介します。
後半では、その他の介護予防サービスについて取り上げます。
記事を最後まで読んでいただくことで、親だけでなく自分にも役に立つ介護予防の運動方法を知っていただけます。
それでは、紹介していきます。
1.運動で介護予防
運動は、認知機能の向上や生活習慣病の予防につながるため、介護予防にうってつけです。
介護状態になる原因の1位は認知症、2位は脳卒中です。
そして、認知症の原因は認知機能の低下、また脳卒中の原因は生活習慣病にあります。
その認知機能低下と生活習慣病を予防するためには、運動が効果的です。
(出典:厚生労働省平成28年国民生活基礎調査の概況Ⅳ 介護の状況)
それでは、日常生活に取り入れられる運動を紹介していきます。
3つ紹介しますが、それらすべてを必ず取り入れる必要はありません。
自分の体調と生活習慣に合った方法を取り入れましょう。
1-1.ウォーキング
ウォーキングは、生活習慣病予防に効果的であり、「生きる意欲」を持ち続けるためにも必要です。
歩行ができない生活を想像したことはあるでしょうか。
歩けなくなると、移動範囲が狭くなり精神的にも落ち込んでしまいます。
生きることに前向きであるためにも、ウォーキングを行いましょう。
1-1-1.歩く速さは交互に3分
ウォーキングをする際は、3分「速く歩く」、3分「ゆっくり歩く」と交互に意識します。
「速く歩く」目安は、少しきついと感じる程度の速さです。
「ゆっくり歩く」目安は、通常の速さかそれより少し遅いと感じる程度の速さです。
こうすることで、ただ歩くよりも少し負荷がかかり、介護予防により効果的になります。
1-1-2.歩数は1日5000歩が目安
歩数の目安は身体の状態により異なりますが、一般的に介護予防に効果的な歩数は1日5000歩です。
高血圧や糖尿病といった生活習慣病の疑いがある方は、1日8000歩以上を目安にしましょう。
このことは、東京都健康長寿医療センターの研究で歩数の目安が詳しく出されています。
(出典:東京都 健康長寿医療センター)
1-1-3.歩数計で記録する
ウォーキングを習慣化するために、毎日記録しましょう。
歩数計を使うことで数値が明確に測れるため、記録達成できたかがわかりモチベーションの向上に繋がります。
1-2.スロージョギング
スロージョギングは、心血管系機能や脳機能を高め、生活習慣病と認知症の予防に効果があります。
やり方は、歩幅を狭くゆっくりと走るだけです。
ランニングといったらきついイメージですが、スロージョギングは疲れがたまりにくく誰でも継続しやすい方法となります。
1-2-1.やり方のポイントは5つ
ゆっくりジョギングを行いましょう。
日本スロージョギング協会がやり方の動画をアップしています。
https://youtu.be/CaZ3AgCEO0o
(一般社団法人 日本スロージョギング協会)
動画の中では、スロージョギングのポイントが5つ紹介されています。
・歩幅は小さく
・肩の力を抜き腕振りは自然に
・背筋を伸ばす
・呼吸は自然に
・顎は軽く上げ目線を彼方に
1-2-2.1日30分が目安
スロージョギングを行う時間は、まず1日30分が目安です。
慣れてきたら1時間に延ばしてみましょう。
体調に合わせて無理のないペースで行うことが大切です。
1-2-3.雨の日は室内でその場足踏み
雨の日でも、スロージョギングを室内で行うことができます。
やり方は、上記で紹介した5つのポイントを意識し、その場で足踏みを行うだけです。
一秒に一回足踏みすることを意識し、100回を目安に行いましょう。
1-3.笑いヨガ
笑いヨガとは、「笑う動作」と「ヨガの呼吸法」を組み合わせたものです。
笑うことは、脳の活性化や代謝がよくなる、不安や緊張を和らげるといった効果があります。
そのため、認知症予防や運動機能の向上効果があるとして、介護施設でも導入が進んでいます。
1-3-1.4段階の準備体操
まず、4段階ある準備体操をしましょう。
①手拍子と掛け声
少し強めの力で「1、2、1、2、3」のリズムで手拍子をします。
ひざをやわらかく、身体を動かしながら手拍子に合わせて「ホッホッ、ハッハッハッ」と声を出しましょう。
②深呼吸
上半身を前に倒し、ゆっくり息を吐きます。
その後、上半身を起こしながら息を吸い、腕を上にあげストレッチします。
再度上半身を前に倒し息を吐ききったら、約3秒息を止めて「ハハハハ」と声を出しながら笑いましょう。
③子どものころを思い出すキーワード
手拍子に合わせて「いいぞ!いいぞ!」と言いましょう。
「いぇーい」と両手を伸ばしストレッチした後、「ハハハハ」と子どものころの無邪気でいたときを思い出して
笑います。
④ナマステ笑い
両手の指先を合わせます。
親指どうしを押し合い「ハハハ」と笑い、息を吐くことを3回続けます。
他の指は力を入れないようにしましょう。
親指が終わったら、人差し指、中指、薬指、小指の順で同じことを行います。
1-3-2.笑いの体操
笑いの体操「エクササイズA」を紹介します。
画像は、日本笑いヨガ体操協会代表の方が、笑いの体操エクササイズAを写真図解しているものです。
(出典:ケンカツ!「【写真図解】今すぐ一人でできる『笑いヨガ』のやり方」 https://kenka2.com/articles/737)
1-4.運動を行う際の注意点
3つの運動法を紹介しましたが、ご高齢者が運動する際には注意点があります。
1-4-1.やりすぎは禁物
まず、運動のやりすぎに注意してください。
身体に負担をかけすぎてしまい怪我をすると、寝たきりになるリスクが高まります。
今回紹介した3つの運動法をすべてやるのではなく、一つでも継続して行いましょう。
1-4-2.達成しやすい目標設定を
運動を始める際は、達成しやすい目標を立てましょう。
最初から色々な運動に手を付けても、続かなければ意味がありません。
運動をする本人がモチベーションを保ちやすい難易度で目標を設定し、楽しみながらやることが大切です。
2.体操で介護予防
デイサービスのレクリエーションでは、介護予防として体操が多く取り入れられています。
ここでは、家にあるもので簡単にできる体操を4つ紹介します。
2-1.柔軟性をアップするタオル体操
タオル体操は、筋肉の萎縮を予防し柔軟性がアップする効果があります。
タオルの端を両手で持ち、横向きに振ったり、縦向きに振ったりしましょう。
2-2.脳が活性化するグーパー体操
グーパー体操は、脳の活性化に効果がある体操です。
片手ずつ交互に腕を前に出しましょう。
この際、前に出ている手はグーに、反対の手はパーにして胸に当てます。
慣れてきたら、「もしもしかめよ、かめさんよ」のように歌いながらリズミカルに行うことがおすすめです。
2-3.新聞紙体操で指先の運動
新聞紙をちぎることで、指先や握力の機能訓練ができる体操です。
新聞紙を用意し、複数人で行います。
ひとり一枚の新聞紙を、制限時間内に何分割にできるか競いましょう。
この時、「両手で」「片手で」「親指と人差し指で」のように制限することで身体の多様な場所を動かせます。
制限時間は、1分から2分程度が目安です。
2-4.転倒予防になるペットボトル体操
ペットボトルで転倒の予防ができる体操方法です。
まず、水を少し入れた500mlのペットボトルを寝かせておきます。
そのペットボトルを、片足だけを使い起き上がらせましょう。
この際、ペットボトルを5つほど用意し、何秒で全部起き上がることができたか測るのがおすすめです。
3.3種類の介護予防サービス
これまで運動と体操を紹介してきましたが、介護予防に効果的なのは運動だけではありません。
厚生労働省によると、介護予防は身体機能の衰えを防ぐだけでなく、社会参加を通していきいきと暮らすことも
大切とされており、各地域で様々な取り組みが行われています。
65歳以上の方は厚労省が作成した「介護予防のための基本チェックリスト」を記入後、市町村の介護予防窓口に行くと介護予防サービスを紹介してもらえます。
ここでは、3つの介護予防サービスを簡単に紹介します。
3-1.訪問型
訪問型では、自宅に訪問介護員が訪れます。
入浴や食事、家事のサポートを提供することで、自宅で自立した生活を維持できるようにしてくれるサービスです。
運動機能の向上や維持を行いたい方は、介護予防訪問リハビリテーションを受けることができます。
理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが訪れて、リハビリが一対一で行われます。
3-2.デイサービス型
デイサービスは、日帰りで通えるサービスです。
入浴や食事などの日常生活における支援、また機能訓練を受けることができます。
施設に訪れて行うため、家族の負担は軽減する他、地域の方々と交流できる機会にもなります。
3-3.入所型
入所型は、短い期間だけ福祉施設に入所するもので、2種類のタイプがあります。
①介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
介護予防短期入所生活介護では、入浴や排泄、食事などの介護や機能訓練が提供されます。
デイサービスと近いものだと考えて問題ないでしょう。
部屋のタイプは個室や多床室、ユニット型があります。
②介護予防短期入所療養介護
介護予防短期入所療養介護は、医療機関に入所することが多いです。
医師や看護職員によって入浴や排泄、食事の介護に加え理学療法士や作業療法士などによる機能訓練のサポートがあります。
ショートステイとは異なり、投薬やリハビリの医療的なケアが中心です。
いかがだったでしょうか。
4.まとめ
運動は、認知症と生活習慣病の予防に効果的で、介護予防に欠かせません。
以下のような簡単にできる運動や体操を日常生活に取り入れてみましょう。
・ウォーキング
・スロージョギング
・笑いヨガ
また、介護予防は家族や自分の力だけでやろうとするのではなく、各地域に多様なサービスがあるため生活状況によって利用するのがおすすめです。
この記事が少しでも参考になると幸いです。
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