いびきがうるさいと注意されることが増えた。
朝起きると異常な喉の渇きを感じる。
日中に異常な眠気に襲われる。
それは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満気味の方がかかりやすい傾向にありますが、やせている人や子どもがかかることも少なくないです。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状や治療法、予防法について解説しています。
目次
1.睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に無呼吸や低呼吸状態になる病気です。
医学的には「無呼吸(10秒以上の呼吸停止)がひと晩7時間の睡眠中に30回以上、あるいは1時間に5回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断されます。
患者数は、日本人口の2~4%といわれており、200~400万人のが睡眠時無呼吸症候群であると推測できます。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症を合併することが多く、要介護状態になる主な原因である脳卒中や糖尿病とも関係しているといわれています。
1-1.どんな人がかかりやすい?
睡眠時無呼吸症候群は、肥満気味の方や生活習慣病を患っている方がかかりやすい傾向にあります。
しかし、やせている人や子どもでもがかかることも少なくありません。
体型的には、首が太くて短い方や下あごが小さい方にかかりやすいといわれています。
1-2.睡眠時無呼吸症候群の種類
睡眠時無呼吸症候群は、主に3種類の症例に分けることができます。
〇閉塞型
閉塞型は、気道が狭くなり、無呼吸を引き起こす種類です。
肥満やあごが小さいなどが原因と考えられます。
大きないびきをかく特徴があります。
睡眠時無呼吸症候群の90%以上は、閉塞型といわれています
〇中枢型
中枢型は、脳の呼吸を命令しているところがうまく働かず、無呼吸を引き起こす種類です。
この種類は、脳血管障害や心疾患の方に現れることが多いです。
〇混合型
混合型は、閉塞型と中枢型が混ざった種類です。
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状を睡眠中、起床時、日中に分けて解説します。
2-1.睡眠中
睡眠中の症状は、無呼吸のほかに激しいいびきがあります。
突然いびきが止まり、しばらくして激しいいびきが再び起こります。
そのため、家族からの指摘で初めて症状に気づく方もいらっしゃいます。
また、何度も目が覚める、尿意を頻繁に感じる、激しい寝返りなどの症状も見られます。
・激しいいびき
・呼吸が止まる
・何度も目が覚める
・頻回にトイレに行く、
・激しい寝返り
2-2.起床時
起床時には、熟睡感を感じられず、頭がすっきりしなかったり頭痛がしたりします。
また、いびきをかいているため、喉の渇きを感じます。
・熟睡感がない
・口が渇いている
・頭がスッキリしない
・頭痛
2-3.日中
睡眠時無呼吸症候群では、熟睡しずらくなるため、日中に激しい眠気が現れます。
さらには、集中力低下や倦怠感につながり、運転中に不注意による交通事故を引き起こすこともあります。
・眠気(運転中や会話中にも)
・集中力が続かない
・倦怠感
3.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
睡眠時無呼吸症候群の最も代表的な治療方法はCPAP治療です。
睡眠中のみ装着する呼吸装置で、鼻マスクを装着し気道を確保します。
CPAPを使用することで深い眠りが得られ、無呼吸症状の改善が見込まれます。
その他の治療法には、マウスピースの装着や手術などもあります。
※CPAP治療をおこなう前には導入効果確認及び指導のために1泊2日の検査入院が必要です。
4.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の予防法
4-1.生活習慣病にならないこと
〇食事
食事の内容を炭水化物中心から低糖質、低塩分にするとよいでしょう。
考えるのが難しい方は、すでに塩分やカロリー計算されている宅配食を検討してみてはいかがでしょうか?
http://carers-navi.com/care-food
また、様々な栄養素を含む食品をバランスよく摂りましょう。
いきなり食生活を変えることは難しいので、ゆっくりと習慣を見直して行くことをおすすめします。
〇運動
運動は生活習慣病以外にも、認知予防などの介護予防につながります。
自分の体調と生活習慣に合った方法を取り入れましょう。
この記事を読んでいきなり激しい運動をすると、かえって心筋梗塞などを引き起こす原因になってしまいます。
以下のような簡単にできる運動や体操を日常生活に取り入れてみましょう。
・ウォーキング
・スロージョギング
・笑いヨガ
https://carers-navi.com/exercise
4-2.睡眠時に気を付ける
〇就寝前の飲酒を控える
アルコールは一時的に眠気を感じさせますが、夜間に目覚めやすくなります。
また、利尿作用によって途中で目が覚めやすくなり、睡眠の質が悪くなるのです。
さらに、お酒を飲むとあご周りの筋肉が緩み、気道を維持しづらくなってしまいます。
〇就寝時の姿勢に気を付ける
就寝時は横向きで寝ましょう。
仰向けで寝ると気道が狭くなり、無呼吸状態になりやすくなってしまいます。
また、高すぎる枕では呼吸がしずらくなるので、自分に合った程よい高さの枕を使いましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群は、3つの種類に分かれており、90%以上を占める閉塞型は生活習慣が大きく関係しています。
生活習慣病の予防が睡眠時無呼吸症候群の発症を抑えます。
日々の生活を見直して、快適な睡眠を守りましょう。
また、すでに症状が現れている方は、すぐにかかりつけ医に相談して治療を開始しましょう。