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高齢者の社会参加|3つのメリットやデメリット、具体例などを解説

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高齢者が社会参加するメリットは?

高齢者ができる社会参加は何がある?

社会参加しなくなるとどうなる?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

この記事では、高齢者が社会参加をする3つのメリットや具体例、社会参加しなくなるデメリットなどを解説します。

1.高齢者が社会参加するメリット

1-1.QOLの向上

QOLはQuality of lifeの略で、「生活の質」や「人生の質」と訳され、私たちが満足に生きる指標として注目されています。

明確な定義としては、1994年にWHOが「一個人が生活する文化や価値観のなかで、目標や期待、基準、関心に関連した自分自身の人生の状況に対する認識」と定義しています。

超高齢社会の日本では、ただ長く生きるのではなく、如何に生活や人生の質を高めるかが重要となっています。

実際に総務省の調査によると、ボランティア活動するシニアのうち67.7%が参加理由を自分自身の生きがいと考えおり、社会参加することでQOLを高めることができます。

1-2.認知症予防

他者との社会的交流で、他の人に対して気を使ったり、頭を使うことが神経細胞ネットワークを強化できると考えられます。

自分の居場所となるコミュニティや趣味を見つけましょう。

また、家族が親の趣味や交友関係を把握しておくことは、居場所を見つけるためにも大変重要です。

1-3.健康寿命を維持できる

健康寿命とは、介護の手に頼らず暮らしていける期間です。

2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、健康でいられる期間を伸ばすという健康寿命の指標が重視されています。

しかし、日本では平均寿命は延びているが健康寿命は比例して伸びておらず、介護が必要な状態が長くなっています。

内閣府の調査によると、社会参加していない人よりも、社会参加している人のほうが健康状態が良いという結果になっています。

つまり、社会参加をしている人のほうが健康状態が良い傾向にあることがわかります。

健康と日常生活|平成30年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

2.社会参加する例

ここでは、社会参加する例をいくつか紹介します。

2-1.就労

再雇用制度の活用やアルバイトなどを行うことで、社会参加を維持できます。

2-2.自治会や町内会の活動

自治会や町内会の活動に参加することで、社会参加することができます。

また、地域との交流があることで、いざという時の助けにもなるでしょう。

2-3.ボランティア

ボランティアでは、様々な年代の方々と交流ができるだけでなく、適度に体を動かす機会にもなります。

2-4.習い事・趣味

習い事や趣味をきっかけに交流が生まれることも多いです。

老後を迎えるまでに、没頭できる趣味を見つけておくことは重要です。

3.社会参加しないとどうなる?

3-1.閉じこもりの危険性

閉じこもりとは、1日のほとんどを家の中あるいはその周辺(庭先程度)で過ごし、日常の生活行動範囲がきわめて縮小した状態です。

閉じこもりは、さまざまな要介護のハイリスク状態とも密接な関係を持っています。

認知症やうつ病、低栄養などと極めて密接な関連を持っています。

外出するきっかけや用事がないことも要因です。

意識的に予定を作らなければ、一週間家に閉じこもっていたなんてことも少なくありません。

社会参加をしたり、デイサービスを定期的に利用したりすることが大切です。

3-2.フレイルの危険性

社会参加や運動機会が減少するとフレイルリスクが高まります。

フレイルとは、『加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態』のことです。

(参照:厚生労働省発表、『後期高齢者の低栄養防止等の推進について』) 

実際、脳梗塞や転倒などにより、健康な状態から要介護状態になることもあります。

ただ、高齢者のほとんどは、フレイルの時期を経て、徐々に要介護状態に陥るとされています。

ここで大切なのは、フレイルの状態は、対処の方法によっては健康な状態に戻ることができる、つまり可逆的な状態であるということです。

4.社会参加以外のフレイルの予防法

4-1.運動をする

身体的な衰えは、活動の意欲を削いでしまうことにもつながります。

日常的な運動を取り入れて、筋力の低下が起こらないようにしましょう。

スポーツや筋トレなど激しい運動をすると言うよりも、自分のできる範囲で運動を行い、適切な栄養を摂取すれば、筋力の低下は防げます。

毎日1回は散歩をする。地域のゲートボール団体などに入る。庭の盆栽のお手入れをするなど、自分の好きな分野で体を動かすように意識してもらいましょう。

https://carers-navi.com/exercise

4-2.栄養をとる

低栄養もフレイルの原因です。

高齢になると、誰でも食が細くなりますよね。

そうすると、少量の食事で満腹になってしまったりして、十分な栄養が取れていないことがあります。

特に、一人で暮らしていると、食事の品目も減り、食材も減り、食欲もわかないということが起きがちです。

そこでオススメなのが、誰かと一緒に食事をとることです。

月に1回は家族や親戚と食事をとることや地域の仲間と食事をすることで、食欲もわき、栄養もとれるようになります。

特に体を作ると言う意味で、少量でもバランスのいい食事を摂ること、特にタンパク質やカルシウムを多く含む食品(肉や乳製品など)を積極的に摂るようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

高齢者が社会参加するメリットは以下の3つです。

・QOLの向上

・認知症予防

・健康寿命を維持できる

社会参加する方法は様々あるため、興味のある取り組みから始めてみてください。

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