肌がかゆい。。。
発疹が出てきた。。。
肌がカサカサする
もしかしたら、老人性乾皮症かもしれません。
老人性乾皮症とは、乾燥によって皮膚の表面に亀裂が入り、白い粉を吹いたような状態になる高齢者に多い皮膚トラブルです。
なんと、高齢者の95%が老人性乾皮症とも言われています。
この記事では、老人性乾皮症の原因や治療法、予防法について解説します。
目次
1.老人性乾皮症とは?
老人性乾皮症とは、乾燥によって皮膚の表面に亀裂が入り、白い粉を吹いたような状態になる高齢者に多い皮膚トラブルです。
乾燥により、皮膚に浅い亀裂や白いふけのようなものが生じ、かゆみを伴います。
特に乾燥のしやすい秋から冬にかけて、症状が現れることが多いです。
すねや腰、腕にできることが多いですが、肩や首など全身に現れる可能性があります。
また、かゆみに敏感になり肌をかきむしってしまうと、発疹やただれのような症状に悪化してしまいます。
このように悪化した状態を皮脂欠乏性湿疹と言います。
2.老人性乾皮症の原因
皮膚は、加齢に伴い皮脂や汗の分泌が減ると、肌の水分が失われやすくなり、乾燥してしまいます。
そして、乾燥した皮膚はバリア機能を失い、外部の刺激を受けやすくなります。
その結果、かゆみや湿疹などのトラブルが起きてしまうのです。
実際に高齢者の95%が老人性乾皮症とも言われています。
また、加齢による体内の水分量の低下や体温調節機能の低下なども皮膚トラブルの要因となります。
3.老人性乾皮症の治療
基本的には、保湿剤を用いた治療です。
保湿剤を乾燥している箇所に塗布します。
保湿剤には、ワセリンやユベラ軟膏、セラミド、尿素製剤などがあります。
また、症状が悪化している箇所にはステロイドの外用や内服薬を処方される場合もあります。
しかし、ご自身で判断する前にかかりつけ医に相談しましょう。
保湿剤の種類についてはこちら
4.疥癬の可能性も
疥癬とは、ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが人の皮膚に寄生して発症する感染症です。
免疫力の低下している高齢者に感染しやすいと言われており、介護施設や医療機関での集団感染も少なくありません。
また、年間を通して感染するリスクがあります。
手首やお腹、わきの下、肘の内側など柔らかい部分に発生することが多く、疥癬特有に線状の皮疹が現れて激しいかゆみを伴います。
線状の皮疹が現れている場合には、疥癬を疑いましょう。
5.老人性乾皮症の予防法
5-1.寝不足やストレスを抱えない
寝不足やストレスは、肌の潤いを保っている物質であるセラミドの減少に影響します。
十分な睡眠をとり、ストレスをためないように心がけましょう。
睡眠に不安を抱えている方はこちらの記事をご覧ください。
5-2.室内湿度をコントロールする
老人性乾皮症の原因は乾燥です。
そのため、室内湿度を60%以上に保ちましょう。
暖房を使うと、室内湿度が50%を下回ることが多くなります。
加湿器や空気清浄機などを併用しましょう。
5-3.清潔ケア
高齢者の状態に合わせて、入浴や清拭などを行い体を清潔に保ちましょう。
弱酸性の石鹸を十分に泡立て、優しく皮膚を洗い、38~40℃のお湯で流します。
皮膚をごしごし擦ると、皮膚を痛めてしまう可能性があるため避けてください。
また、清拭を行う場合は、被介護者のプライバシーに配慮しましょう。
基本的には、上半身→下半身→陰部の順番で行います。
5-4.日々、皮膚の観察を行う
老人性乾皮症は、介護をする方の観察も欠かせません。
日々、着替えや入浴の際に皮膚の状態を観察しましょう。
乾燥が見られる場合は、かゆみなどが生じていなくても保湿剤を塗るなど乾燥対策を行ってください。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
老人性乾皮症は、乾燥のしやすい秋から冬にかけて、症状が現れることが多いです。
しかし、高齢者の肌はとても乾燥しやすく、それ以外の季節でも注意は必要です。
日々の肌の状態を観察し、スキンケアを習慣化しましょう。