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親の介護は誰の担当?親の介護をする前にしておきたい2つの準備

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「親の介護がこれから始まる・・・」

あんたは今このような状況にありませんか?

親の介護のとにかく不安。
何から始めればいいのかがわからないという方も多いはず。

事実、内閣府の世論調査(平成15年7月調査)の「親の介護を子が自らすべきか」という調査によると、以下の表のような結果になっています。

およそ半数(48.6%)の人が「子が親の介護をすることは当たり前のことだ」という考えをもっていることが分かっています。

調査からも日本では、古くから親の介護を子がすることは一般的な認識であることがわかります。

しかし、多くの子が介護の自覚はあるものの、実際に何をすればいいのか分かっていないのが現状です。

せめて、親とお互いに納得のいく介護をするためにも、

介護費用はいくらかかるのか?
どんなことを準備すればいいのか?
介護がはじまったらまずは何をしなくてはいけないのか?

など介護のことをあらかじめ知ることができたら理想的ですよね。

そこでこの記事では、親の介護にかかる費用を解説するとともに、子が親の介護をする前にしておきたい介護の準備2つと、親の介護をする上で重要な2つの注意点、介護がいざ始まったらすぐにすべき2つのSTEPを解説しました。

この記事を読めば、親の介護の準備は安心です。

親と子がお互いを尊重し、互いに納得のいく介護をしてほしい。という思いでこの記事をかきました。

少しでも参考になれば幸いです。

では解説していきます。

1. 親の介護の義務は実の子供にある

親の介護の義務は誰にあるのかという疑問をもたれている方も多くいます。

結論から言うと、介護のような身上介護(面倒見)については、法的に強制されるものではありません。

つまり、必ずしも実の子が親の介護の面倒を見なくてはいけないというわけではありません。

しかし、金銭的扶養についていうと、民法の扶養義務に関する記述によれば、自分の経済状況に応じて自分の生活を優先する、という前提付きではあるものの、親が経済的に困窮をしている場合、子供が金銭的扶養を含めて、援助を行う必要があると規定されています。

金銭的な面では実の息子(直系血族)に扶養義務があるとされています。
*息子は自分のこと、家庭が第一という前提つきであるので、もしそれ以上の範囲で親の扶養を見ることができないという場合は生活保護を申請する選択肢もあります。

法律、民法では以上のような規定がありました。

では実際の現場は誰が親の介護の面倒をみているのでしょうか?

厚生労働省が提供する「国民生活基礎調査の概況」によると、介護者の割合として一番多いのが、配偶者で、二番目に多いのが実の子となっています。

(出典:厚生労働省データ 平成28年度「国民生活基礎調査の概況」より)

一般的には、親の介護は親の配偶者または子が親の介護を担当するケースが多いことがわかります。

しかし、なかには、親の介護は施設・事業者に完全に任せっきりとしている家族もあります。

自分たちはどちらを選択するのか、3-1でも説明しますがは家族・親戚と話し合い、誰が親の介護を主に面倒をみるのかを事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。

2. 親の介護にかかる費用

では次に親の介護にかかる費用を解説していきます。

親の介護をするとなると大きく分けて家で介護をする「在宅介護」、施設に預けて介護をする「施設介護」の2種類があります。それぞれにかかる費用の特徴をくわしく解説していきます。

2-1. 在宅介護にかかる費用

2016年度の家計経済調査によると親が在宅介護をする場合にかかる1ヶ月の費用は以下の通りです。

要介護1 3.3万円
要介護2 4.4万円
要介護3 6万円
要介護4 5.9万円
要介護5 7.4万円
全体平均 5万円

(参考:家計経済調査 「在宅介護のお金と負担」より)     

*要介護とは65歳以上の高齢者もしくは40歳から64歳までの老化に伴う特定疾病の人に対し、市区町村から「介護が必要な状態」と認められた状態のことをいいます。

要介護状態は具体的に7つの段階に分けることができます。
段階ごとに利用できる介護保険の額が変わってきます。

そのため、以下の記事を読み、自分の親はどのくらいの介護状態なのかをあらかじめ確認しておきましょう。

>>>関連記事 「要介護とは介護必要と認定された状態!要介護7つの段階を徹底解説

費用の内訳でも公的介護保険を利用した自己負担額の平均は1万6000円、おむつ代や医療費など介護サービス以外にかかる費用は平均3万4000円となっています。

*公的介護保険とは介護が必要になっても住み慣れた地域で、できる限り、自立した生活が送れるよう、介護を社会全体で支えようという目的で2000年に国が設けた社会保険制度のことです。

公的介護保険を利用すれば、介護サービスを利用した時の負担額が一部賄われます。

公的介護保険を利用するのとしないとでは月々の介護費に大きな差がでます。

在宅介護には全体平均として5万円ほど介護費用としてかかることがわかります。

また介護費用以外にも生活費などもかかってきます。それを考慮した要介護1の親の1ヶ月の全体的な支出の事例は以下の通りです。

在宅介護(要介護1の場合)
介護保険を利用した自己負担額(1割) 6,500円
介護サービス以外の介護利用料(おむつ代など) 6,000円
福祉用具レンタル費用(9割給付) 1,500円
生活費(食費・光熱費) 60,000円
その他費用 25,000円
合計 99,000円

上記の生活費はあくまで一例ですが在宅介護をする場合には合計で10万円程度の費用がかかることになります。公的介護保険を利用しながら、在宅介護をする場合、自分の親の介護の一ヶ月にかかる費用はどのくらいなのかを上記の表と現在の生活費からだいたいでいいので見積もっておくようにしましょう。

2-2. 施設介護にかかる費用

では次に親を施設に入れた時の費用を解説していきます。

要介護3の親が施設に入居した時の介護費用を含めた生活費の事例は以下の通りです。

施設介護(要介護3の場合)
居住費 70,000円
介護サービス料 25,000円
生活費(食費・光熱費) 55,000円
その他費用(娯楽など) 10,000円
合計 160,000円

施設に親を入居させた場合は、介護費用として居住費、介護サービス料がかかります。

施設での介護は生活費などを合わせると施設によって違いが大きくかわるものの、数十万〜ほどが月々の費用にかかってきます。

在宅介護と比べてみても分かるように、施設介護の方が費用に負担がかかることがわかります。

上記はあくまで一例ですが、施設介護の方が在宅介護よりも費用面での負担は大きいというのは一般的です。

施設の種類によって、月々の費用は違ってくるため、詳しくは担当のケアマネージャー、家族・親戚、親としっかりと相談することが大切です。

ケアマネージャー・・・「介護支援専門員」とも呼ばれ、介護サービス事業者の選定、手配、調整などのコーディネート業務を行う介護の専門家のこと。介護について相談がある時に気軽に相談できる相談相手。

3. 親の介護する前にしておきたい2つの準備

ではここから親の介護をする前にしておきたい2つの準備を解説していきます。

介護がいざ始まる、という前に今から紹介する2つの準備を早めにしておくようにしましょう。

3-1. 家族・親戚と親の介護について話し合っておく

1つ目の準備が.家族・親戚と親の介護について話し合っておくことです。

家族・親戚とは介護が始まる前、もしくは介護が始まった直後に必ず親の介護についての方針などを話し合っておくことが重要です。

なぜならば、親の介護が原因で、家族間でもめたり、金銭面的なことが原因で裁判沙汰になるケースがよくあるからです。

そのため、早いうちから親の介護の方向性・方針について話し合うことが大切です。

具体的には以下の5つの内容を話し合うことをオススメします。

話し合う際のポイントとしては、親の意向をしっかりと踏まえたうえで、話をすることが大切です。

親がちゃんと話ができる状態であれば、親と一緒に話し合うことをお勧めします。

・誰が主として介護を担当するのか
・家族それぞれができることや思いを共有する
・介護の役割分担について話し合う
・介護費用の分担について話し合う

詳しくは「親の世話は誰がする?介護をする時に兄弟で話しておくべき5つのこと」に詳しく説明してあります。兄弟でなくとも、親戚、片親の話し合いにも活用できるお話となっています。

ぜひ読んでみてください。

家族・親戚と早いうちから親の介護について話し合う場を設けるようにしましょう。

3-2. 介護の情報をできるだけ多く集める

2つ目にしておきたいことが介護の情報をできるだけ多く集めることです。

介護は未知で、まずは何からしていいのかわからないことも多くあるかと思います。

そのため、介護について不安に思うことや悩みなどは早いうちから介護に関する情報を集め、対処することが大切です。

介護の情報は各市町村区にある「地域包括支援センター」を利用すると良いでしょう。

地域包括支援センターは介護の情報の宝庫といえる存在です。

各自治体では、介護保険のサービスをはじめ、自治体独自サービスなどの種類や利用の仕方を記した印刷物を作成しています。地域包括支援センターに足を運べば、それらを一括で入手することができます。(自治体ではホームページから閲覧できるとこともあります。)

印刷物を入手しておけば、印刷物の不明な点をスムーズに電話から問い合わせることができます。

遠方に住んでいて、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに行くことができない場合は、資料を郵送してもらえないかを問い合わせるようにしましょう。

介護に不安なこと、不明なことがあれば、地域包括支援センターに足を運ぶなどして、情報をできるだけ多く集めるようにしましょう。

介護の準備はこれで安心!今から備えておきたい3つの準備」でも解説したように、介護をする前にどれくらい準備をしたかで、その後の介護に差が出ます。

事前準備をしっかりとしておくことで、いざ親の介護が始まっても慌てず対応することができます。

介護の準備から目を逸らさずにしっかりと準備をしておくようにしましょう。

当メディアでもお問い合わせページから介護の質問をお気軽に受けつけております。

不明点・不安なことがあれば、お問い合わせページからコメントいただけると介護の専門家がご相談にのります。

地域包括支援センターとは・・・各地域にある介護についての総合相談窓口的な役割を担っている施設のこと。社会福祉士、保健師、主任ケアマネージャーなどの資格を持つ職員が、専門性を活かして、高齢者本人やその家族の相談を無料で対応をしている。(入院を経ていない親のことも相談可能)

4. 親の介護をする上での2つの注意点

では次に、親の介護をする上で気をつけなければいけない注意点を解説していきます。

注意点は以下の2つです。

①自分一人で介護を抱え込まない
②親の意見を尊重する

1つずつ解説していきます。

4-1. 自分一人で抱え込まない

介護をしていて一番注意しなくてはいけないのが、親の介護を全て自分でやってしまおうということです。

周りの家族・親戚が親の介護を協力してくれない。介護のことを相談する相手がいない。といった理由から介護を自分ひとりに抱え込むことがよくあります。

特に、周りにあまり迷惑をかけたくないという真面目な方ほど、親の介護を自分一人で抱えてしまいがちです。

そのため、自分一人だけでなく、周りの人にも親の介護のことを話し、介護サービスをうまく利用したりするばど、「みんなで介護をする」体制を築くことがたいせつです。

例えば、土日は別の兄弟に親の介護を依頼したり、2~3日デイサービスを利用してストレス解消で海外旅行にでかけるのもいいでしょう。

また、1対1の介護は虐待につながることもあります。我が家は親との仲が良いから大丈夫。そう思っていても介護が始まり、親が認知症などで自分のことを認知してくれなくなったり、身体的・精神的ストレスがたまるのが介護です。

いつ終わるのかがわからない介護。自分ひとりで抱え込まず、家族・親戚、友人、地域包括支援センター、ケアマネージャーなどの第三者に相談するようにして自分ひとりでなんでもかんでも介護を抱え込むのはふせぐようにしましょう。

4-2. 親の意見を無視し、周りだけで判断をしてしまう

2つ目の注意点が親の意見を無視し、自分たちの判断だけで介護のことを決めたりすることです。

介護が始まるとどうしても「介護をされる親」対「介護をする側」と別れてしまいがちです。

そのため、介護される本人である親の意見をあらかじめ聞いておくことが大切です。

あなたは親がどのような介護を望んでいるのか本当に理解していますか?

在宅介護を望んでいるのか、施設での介護を望んでいるのか、また自分の最後はどのような形で迎えたいのかなど親の意見をあらかじめ確認しておくことが大切です。

親と互いにコミュニケーションをしっかりと取り、お互いの介護に対する考え方などを早いうちから共有しておくようにしましょう。

5. 介護が始まったらすぐにすべき2つのSTEP

ではここから介護がいざ始まったら行動するべき2つのSTEPを解説していきます。

5-1. [STEP1]要介護認定を受ける

介護が必要になったら、まずは要介護認定をうけるようにしましょう。

要介護認定を受けることで、公的介護保険を使い、介護サービスを利用することができるからです。

要介護認定とは、「介護が必要か」「どのくらい介護が必要か」を判定することをいいます。要介護にはその人の状況によって「要介護2」というように5つの段階が組まれています

認定を受けるには、要介護者が住んでいる地域の役所に本人、家族が申請をする必要があります。

要介護認定を申請する手順は以下の6つのステップです。

① 市区町村の窓口で要介護認定の申込み

② 職員が要介護者のもとを訪問し、聞き取り調査(認定調査)をする

③ 市区町村からの依頼で、かかりつけの医師が心身の状況について意見書を(主治医意見書)を作成する。

④ ②、③の結果をもとに、医療・保健・福祉の専門家による介護認定審査会を開催、要介護度の段階を決定

⑤ 市町区村が要介護度を決定。

⑥要介護認定通知書が届く

申込みから認定の通知までは原則30日で行われます。介護が必要となったらすぐに要介護認定を申請するようにしましょう。

要介護認定申請は、地域包括支援センターや、ケアマネが代行して行ってくれますので、まずは相談してみましょう。

5-2. [STEP2]介護のスケジュールを立てる

要介護の認定を申請してからその結果を待つまでに短くて30日ほどかかります。

その間、いつ、どこで、どんなサービスを、どの事業所から、どれくらいの時間を受けるかなど、介護に関する計画(ケアプラン)を立てる必要があります。

介護に関する計画、ケアプランは本人や家族で作成することも可能ですが、ケアマネージャーという専門職に作成を依頼するのが一般的です。(作成は無料)

また、地域包括支援センターでもケアプランの作成をお願いすることもできます。
*ケアマネージャーの中には、たまに要介護者や家族の意向よりも、自分が所属している事業所のサービスに偏向したプランを作成される場合もありますので、そこはしっかりと意見を言えるようにしましょう。

介護認定の申請が終わった後は結果を待つまで、専門家の力を借りながら、介護のスケジュールを立てるようにしましょう。

以上が介護がスタートしたらしておきたい2つです。

まずは焦らずに介護認定を申請するところから始めてみてください。

6. まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の記事では親の介護は誰がみるのか?介護にかかる費用などを解説していきました。

3章で説明した親の介護する前にしておきたい2つの準備を参考に、早いうちから親の介護の準備をしておくようにしましょう。

・家族・親戚と親の介護について話し合っておく
・介護の情報をできるだけ多く集める

そして後半で説明した2つの注意点に気をつけ、親子納得のいく介護ができるようにしましょう。

・自分一人で抱え込まない
・親の意見を尊重する

介護に関する悩み、不安、質問があればお問い合わせフォームからご連絡してくだされば、介護の専門家が相談をお受けいたします。お気軽にお問い合わせください。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

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