「介護を行う上でトイレ問題がよくおきてしまう」
あなたはこんな問題や悩みを抱えてはいませんか?介護を行う上でトイレの問題はよくおきてしまう内容です。
そんな問題の中でも「トイレに行く前に漏らしてしまう」ということが多いのではないでしょうか?
そこで今回この記事では、この介護におけるトイレ問題を解決してくれる「ポータブルトイレ」について解説していきます。
ポータブルトイレは好きな場所に設置し、要介護者の方がトイレに行きたくなったときにすぐ利用できるようにするものです。
手入れや扱い方、選び方がよくわからず不安な方も多いと思いますので、この記事を通して理解した上で介護へ導入を検討してみてください。
1.介護のトイレはポータブルトイレがおすすめ
最初にお話しましたが、介護を行なっていく上で要介護者の方が「自分で長い距離移動できない」「トイレに行く前に漏らしてしまった経験が実際にある」場合、ポータブルトイレの導入を視野にいれておきましょう。実際にどんなものか、これから解説して行きます。
1-1.ポータブルトイレの特徴
ポータブルトイレとは、家の中のトイレのある場所まで移動しなくてもいいように考えられたものです。要介護者の方が過ごしている部屋に直接設置することができる、トイレ自体の移動が可能なものになります。また、特定福祉用具としても指定されていますので、申請すれば購入費用の1割~3割で購入することが可能です。
具体的にどんな方に適したものなのか、いくつか条件となるものをここで紹介しておきます。
1-1-1.自分でトイレまで移動ができる
ベッドから人の手をかりないと全く移動できない方には、残念ながらポータブルトイレの使用は向いていません。最低限ベッドから自力で起き上がり、移動できる必要があります。逆に少しの移動はできるという方には非常に適した器具になります。ポータブルトイレは、「移動距離」を減らすためのポータブルトイレという認識をもってください。
1-1-2.座位が問題なくとれる
トイレまで移動ができても、座ることができなければ用を足すことはできません。なので、ご自分の足で座ったり立ったりできるかが、ポータブルトイレを導入するための鍵になります。実際にポータブルトイレと同じ高さの椅子を用意して、実際に座位がとれるか確認してみましょう。
1-1-3.下着の着脱を行えるか
下着の着脱を自分で行えるのかも大切なポイントになります。移動が自分で可能で下着を着脱さえできればポータブルトイレを利用できると思っていただいて大丈夫です。
「自分でトイレまで移動ができるか」「座位が問題なくとれる」「下着の着脱を行えるか」この3つのポイントができる方で、「トイレまでの移動距離」を縮めたい方、「これまでにトイレに行く前に漏らしてしまった経験」がある方は、導入を積極的に考えて行きましょう。また、少しの介助があればポイント3つを行えるかの確認もしてみましょう。
それでは次にポータブルトイレの基本的な種類をご紹介します。種類と合わせて、実際にどんなものか、メリットとデメリットも解説していきます。
1-2.ポータブルトイレ4つの種類
1-2-1.プラスチック製標準型
こちらのタイプのポータブルタイプは、「安価」「軽量のため移動がしやすい」「掃除が楽」「スペースをとらない」といったメリットがあります。しかしメリットだけではなく、軽量のため「安定性に欠ける」というデメリットが存在します。こちらのタイプを使用する場合は、安定性がでるような設置の仕方、用をたす際の姿勢をしっかり保つことを意識しましょう。もし立ち上がるときや座る時に不安がある場合は、近くに「手すり」を設置することも考えておきましょう。
1-2-2.木製いす型
プラスチック製のポータブルトイレと違い、木製のため重さがあるため「安定性」があります。また木製ということで、和室とマッチしやすいなど部屋の内装として不釣り合いがおきにくいという利点があります。また安定感があるため、そのまま普通の椅子として使用できるものも存在します。しかし重さがあるので、移動が少し難しいので設置する場所をしっかり考える必要があります。また少し高価になってしまう、木製のため傷がつくと汚れがとりにくくなるという欠点もあります。
1-2-3.金属製コモード型
こちらのタイプのポータブルトイレは、金属のため「安定感」があります。また木製のものよりも軽いため、「移動がしやすい」という利点があります。他にも「高さ調節ができる」「左右にアームがある」ことによる、座りやすい移動しやすいという利点があるので、木製のものより機能面では優れているものが多いです。デメリットとしては、部屋の内装に合いにくいことがあるので、色々な商品をみて部屋の内装のあったものを選ぶことを推奨します。
1-2-4.スチール製ベッドサイド設置型
スチール製ベッドサイド設置型のポータブルトイレは、名前の通りベッドから移乗ができるタイプのポータブルトイレです。ベッドの高さに合わせて、椅子の高さを調節できるようになっているので、他の3つのタイプのポータブルトイレとは違い、ベッドからの移乗が可能になります。そのため移動がしづらい方にはよりおすすめのポータブルトイレになります。
以上この4つがポータブルトイレの種類の紹介になります。この次に、各ポータブルトイレのメリットとデメリットをまとめた表をお出しするので、おさらいも兼ねて確認していきましょう。
1-3.ポータブルトイレの種類と利点・欠点を表で振り返る
それではこれまでお話した内容から、各タイプ別のメリットとデメリットを表で確認しましょう。
メリット | デメリット | |
プラスチック製標準型 | ・移動がしやすい
・掃除がしやすい ・スペースがあまり必要ない |
・軽いため不安定 |
木製いす型 | ・重いため安定感がある
・和室などにマッチしやすい ・商品によっては、高さ調節ができる |
・他のタイプより高価なものが多い
・重いため移動がしづらい ・スペースが必要になる ・傷がつくと、汚れが取りにくくなる |
金属製コモード型 | ・安定感がある
・移動がしやすい ・高さ調節が可能 ・立ち座りがしやすい ・掃除がしやすい |
・室内の内装と合うものが少ない |
スチール製ベッドサイド設置型 | ・ベッドからそのまま移乗できる
・高さ調節ができる ・掃除がしやすい |
・室内の内装と合うものが少ない |
いかがでしょうか?ポータブルトイレにも種類があり、それぞれにメリットデメリットが存在することがわかっていただけたと思います。ここまで知ったいただいた上で、次にポータブルトイレを選ぶ際のポイントと、おすすめのポータブルトイレを4つ紹介いたします。
2.ポータブルトイレを選ぶ際のチェックポイント5点
それではまずポータブルトイレの選び方のポイントを紹介します。
2-1.設置場所を考える
基本的に利用する方の寝室、ベッドの近くのスペースに設置しましょう。できるだけ移動する距離が短くなることと、ベッドの近くに設置する場合はできるだけ移動しやすいようにしましょう。事前に置けそうなスペースを見つけて、サイズのあったポータブルトイレを選ぶことも大切です。
また利用する本人のプライバシーや 臭いなどについての配慮も必要です。
2-2.高さを合わせる
とても重要なポイントの1つです。利用者の方の身体にあわせる、またはベッドの高さに合わせて平行にするのが基本的な高さ調節の仕方です。高さがあっていないと、利用者の方に負担がかかってしまったり、介助する際に負担になってしまいます。なので利用者の方と一緒に高さ調節をして、一番ベストな高さに設定しましょう。
2-3.安定感
軽いポータブルトイレですと、なかなか安定していないため用をたす際に不安を感じてしまう場合があります。軽いと確かに移動が楽という利点がありますが、利用する方のことを考えると少し重くても安定感があった方が、安心して用をたすことができます。
2-4.背もたれ、肘掛けの有無
背もたれがあることによって、用をたす時に無駄な力を使わずにすむので、利用者の方の負担を減らすことができます。肘掛けがあることで、移動の際にひじかけにつかまって移動することや、用をたす時につかまることができるので安定感が格段にあがります。なので、この2つがついているポータブルトイレを選びましょう。
2-5.その他機能は必要なものを
寒い日でも便座を温めてくれる「暖房機能」、臭いを抑える「脱臭機能」、温水シャワーがでる「洗浄機能」といった機能付きのポータブルトイレも存在します。機能がついたものだと値段はもちろん上がってしまいますが、利用者の方にあわせて、必要な機能のポータブルトイレを選ぶことが大切です。
3.ポータブルトイレをうまく利用する2つのポイント
それでは最後にポータブルトイレをうまく利用していくためのポイントを2つ紹介します。
3-1.においが気になる場合に使うべきアイテム
ポータブルトイレを利用する時にどうしても気になってしまうのが、「におい問題」です。掃除をする回数にもよりますが、ポータブルトイレの容器に水を入れるだけ、または脱臭機能のついたポータブルトイレだけでは、どうしてもにおいを抑えることが難しいです。
そこで、ポータブルトイレのバケツ部分となる容器に水+消臭液を入れることをおすすめします。消臭液をいれることで、短い期間ではなく長時間の脱臭が可能になります。においを抑えられることで、介護者の精神的負担を減らすことができるので、消臭液の使用をおすすめします。特ににおいが気になる方は、脱臭機能のついたポータブルトイレと消臭液を一緒に利用すると、かなりの臭いを防ぐことができるので、検討してみてください。
3-2.掃除はこまめにしましょう
ポータブルトイレの掃除をこまめにすることが大切です。目安として1日1回の掃除を心がけましょう。
ポータブルトイレ自体が汚れたり、傷がついてしまうとにおいや汚れがとりにくくなってしまいます。バケツ部分に袋を被せるタイプのものもあるので、このタイプを利用すればポータブルトイレ自体の掃除回数を減らすことも可能です。
ただ大切なことは、できるだけ清潔な状態をたもって利用者に気持ちよく使っていただくことです。ポータブルトイレを放置せず、快適に使えるように1日の掃除回数を決めておきましょう。おすすめなのが、「夜利用したあとの朝」と「寝る前の夜」に2回清掃することです。少なくとも、用を足したものをなくして新しい水と消臭液をいれることをしていきましょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?今回この記事では、介護のトイレ問題を解決するポータブルトイレについて解説しました。
ポータブルトイレは、移動距離を短くして負担をへらしたい方、トイレにいくまでに漏らしてしまった経験がある方におすすめです。是非選び方のポイントや、利用するうえでのポイントを参考に、介護のトイレ問題を解決していってください。