幼老複合施設ってどんな施設?
どんなメリットがあるの?
実際どのくらい交流するの?
このような疑問を抱えているのではないでしょうか?
幼老複合施設とは、高齢者施設と児童施設が同じ敷地に建てられている複合施設です。
まだ数は少ないですが、様々なメリットがあり少しずつ増えており注目が集まっています。
この記事では、幼老複合施設のメリット・デメリット、実際の交流事例について解説します。
目次
1.幼老複合施設とは
幼老複合施設とは、高齢者施設と児童施設が同じ敷地に建てられている複合施設です。
例えば、特別養護老人ホームと幼稚園の併設、デイサービスと保育園の併設など様々な組み合わせができます。
まだまだ数は少ないですが、土地や建物の有効活用が見込めるだけでなく、高齢者の生きがいづくりや子どもの教育にも期待でき、少しずつ増えてきています。
また、幼老複合施設の中には、高齢者と乳幼児が分け隔てなく同じ空間で過ごす施設もあります。
幼老複合施設では、異世代交流ができる貴重な場所となっていくでしょう。
2.幼老複合施設が増えている2つの理由
2-1.費用を抑えられる
1つ目の理由は、費用を抑えられる点です。
限られた予算の中で施設を運営するにはコスト削減が欠かせません。
施設を複合することによって、土地代や建設費、運営費などを削減することが可能です。
2-2.異世代交流が促進される
幼老複合施設では、核家族化や地域社会の変化で減少した異世代交流の促進が期待されています。
また、幼老複合施設は、地域包括ケアシステムの介護予防・生活支援の役割も担っています。
子どもと交流することで、活力を得られるだけでなく、認知症や介護予防にも繋がるでしょう。
3.幼老複合施設のメリット
3-1.高齢者のメリット
〇認知症予防につながる
子どもと遊んだり、気を配ることで脳が活性化され、認知症や介護予防に繋がります。
〇活度量が増える
子どもと一緒に遊んだり、世話をしたりするため、通常の介護施設よりも活動量が増えます。
活動量が増えることで、筋力低下を防げたり、寝たきり予防に繋がります。
〇社会との繋がりが増える
子どもと過ごすことで、社会との繋がりを実感できるでしょう。
また、子どもを育てる役割も生まれ、生きがいが持てるようになります。
3-2.子どものメリット
〇多様性が生まれる
高齢者と関わることで、高齢者への理解が深まり、多様性が生まれます。
また、介護や認知症について知ることができ、思いやりやいたわる心が育まれます。
〇マナーを学べる
高齢者と過ごす中で、家庭では学べないマナーや伝統を教えてもらえます。
〇様々な教養が身につく
様々な人生経験など、学校では教わらない知識や智恵を学ぶことができます。
さらに、歴史や戦争についての原体験などを教えてもらうことで、教養が高まるでしょう。
3-3.事業者のメリット
〇コストが削減できる
施設を複合することによって、土地代や建設費を削減できます。
それだけではなく、追加設備や運営費用もコストを抑えられます。
〇他施設と差別化できる
幼老複合施設の数はまだ少なく、魅力的な施設とみられるでしょう。
〇子どもを預けられる
スタッフ自身の子どもを預けられるのもメリットの1つです。
子どもを育てながら働ける環境は、採用の効果も高まるでしょう。
4.幼老複合施設のデメリット
〇職員の確保が困難
幼老複合施設では、介護スタッフと保育スタッフがいなければなりません。
どちらも人材不足の中、既定の人数を採用するのは困難です。
また、介護スタッフが保育をしたり、保育スタッフが介護をしたりすることは原則ありませんが、最低限どちらの知識も必要になります。
〇トラブルが発生しやすい
子どもが走り回って高齢者が転倒する、抱っこしている高齢者が子どもを落としてしまうなど様々なトラブルが起こりうります。
〇感染症のリスク
乳幼児・高齢者共に免疫力が弱く、感染症にかかりやすく、重症化しやすいです。
そのため、一気に集団感染してしまうリスクがあります。
5.幼老複合施設の交流事例
幼老複合施設では、1日中同じ空間で生活を共にする訳ではありません。
施設によって交流する時間や方法が異なっております。
ここでは主な交流事例をご紹介します。
交流事例
〇毎朝ラジオ体操を一緒にする。
〇一緒におやつを食べる。
〇週に2回一緒にレクリエーションを行う。
〇季節行事を合同で行う。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
幼老複合施設とは、高齢者施設と児童施設が同じ敷地に建てられている複合施設です。
幼老複合施設は、高齢者、子ども、事業者にとってもメリットのある施設です。
少子高齢化が進む中、異世代交流ができる幼老複合施設は、地域共生ができる社会の中核を担うものとして期待が高まっています。