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高次脳機能障害と認知症の違いとは?

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高次脳機能障害と認知症の違いは?

高次脳機能障害はどんな症状?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

高次脳機能障害と認知症は症状が似ているため、誤診されてしまうことも少なくありません。

この記事では、高次脳機能障害と認知症の症状や2つの違いを解説します。

1.高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、交通事故などによる頭部への外傷や脳血管障害などの病気が原因で、脳に損傷を受けたためにおこる障害です。

症状として、滑らかに話せない、話を理解できないなどの失語症や記憶障害。周囲障害などがあります。

外見からは障害があることがわかりづらいため、周囲からの誤解を受けやすくご本人や家族にとっては大きな負担がかかります。

2.高次脳機能障害の症状

2-1.記憶障害

記憶障害は、薬を飲み忘れたり、二重に飲んでしまう、ついさっき言われたことを忘れてしまう、今何しているかわからなくなる、質問を繰り返すなどです。

体験全体を忘れることから、話しのつじつまが合わなかったり、作り話をしてしまうこともあります。

https://carers-navi.com/memory

2-2.注意障害

注意障害は、注意力が散漫になりで、一つのことに集中出来なくなる症状です。

具体的は、集中力が続かない、ミスが増える、複数のことを同時にできないなどが挙げられます。

2-3.遂行機能障害

遂行機能障害は、目標を設定し、計画的に行動していく事が出来なくなることで、高次脳機能障害のひとつです。

具体的には、約束の時間に遅刻する、計画的に物事を進められないなどが挙げられます。

2-4.社会的行動障害

社会的行動障害は、言動や感情がコントロール出来なくなることです。

自己中心的な性格に変わってしまったり、大声で怒鳴り散らかす用になったりしてしまいます。

3.認知症とは

認知症とは、厚労省によると「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」のことを指します。

つまり、「認知症」は様々な病気により脳の働きが低下して起こる一連の症状を表すため、病名ではありません。

認知症の原因になる病気は様々で、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、甲状腺機能低下症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などがあります。

4.認知症の症状

4-1.記憶障害

高次脳機能障害と同様に、記憶障害を引き起こします。

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4-2.見当識障害

見当識とは、時刻や日付、場所、周囲の状況などを判断する能力であり、その能力が低下するのが見当識障害といいます。

見当識障害の症状には、時間・場所・人物の3種類があり、時間→場所→人物の順番に進行していきます。

認知症の初期のころから現れ、ゆっくり進行します。

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4-3.言語障害

言語障害では、失語症(言葉が出なくなること)や、言い間違えが増えるなどが起こります。

また、物の名前がわからなくなってしまうため、コミュニケーションが難しくなります。

4-4.実行機能障害

実行機能障害とは、物事を論理的に考えたり計画を立てて実行することができなくなってしまう症状です。

例えば、洗たくをした後に服を干すことを忘れてしまう、料理ができなくなってしまうなどです。

また、一連の行動が取れないだけでなく、予期せぬ出来事に対応できなくなることもあります。

5.認知症との違いについて

5-1.脳を損傷した時期が明らかである

高次脳機能障害では、交通事故による頭部への外傷や脳卒中の発症などきっかけが明確です。

一方の認知症は、きっかけは不明確で徐々に進行していきます。

ただし、認知症の中にも血管性認知症の場合は、事故や転倒などによる脳の外傷も原因の1つと考えられています。

そのため、確実な違いとは言い切れません。

5-2.回復が見込めるかどうか

基本的に、認知症は一度発症すると回復は見込めません。

一方で、高次脳機能障害は、治療やリハビリテーションである程度の回復を見込めます。

高次脳機能障害は回復する見込みがあるため、早期の治療が重要です。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

高次脳機能障害と認知症の違いは、「脳を損傷した時期が明らかであること」と「回復が見込めるかどうか」の2つです。

高次脳機能障害は、本人だけでなく、家族にとっても非常に負担が大きいです。

ご自身やご家族で判断するのではなく、必ず医師の診断を受け、早期の治療を受けるようにしましょう。

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