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認知症の物忘れとは?加齢による物忘れとの違いや見分け方、対応方法を徹底解説

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最近、物忘れが多くなったと感じる

物忘れ=認知症ではないって本当?

このような疑問を感じているのではないでしょうか?

物忘れと聞くと、認知症をイメージする方も少なくはないと思います。

しかし、物忘れには「認知症による物忘れ」と「加齢による正常な物忘れ」があります。

脳の機能は60歳頃から加齢により衰えていき、記憶力や判断力が低下し、物忘れが増えていきます。

そのため、昨日の晩御飯が思い出せなかったり、人の名前が出てこなかったりします。

この現象は自然なことであり、認知症ではありません。

次の章からは、具体的な加齢による物忘れと認知症による物忘れの違いについて解説します。

1.加齢による物忘れ

年を取ると、物忘れが多くなるのは自然なことです。

「財布をどこにしまったか忘れてしまった」「集合時間を忘れてしまった」

このようなことはよくあり、認知症の症状ではありません。

ただし、財布をしまったこと自体を忘れていたり、待ち合わせをしたことを忘れている場合は、認知症の可能性があります。

2.認知症による物忘れ

認知症による物忘れでは、記憶を覚える機能に問題が起こります。

記憶は①情報を覚える②情報を記憶として蓄える③情報を思い出すの3つから成り立っており、加齢による物忘れでは、情報を思い出す機能の低下がよく見られます。

しかし、認知症による物忘れでは、①情報を覚えることができなくなるため、財布をしまったことや待ち合わせをしたことを忘れてしまいます。

そのため、何度も同じことを尋ねたり、自分で片づけたことを忘れて盗まれたと被害妄想をしてしまうこともあります。

3. 表で見る老化現象と認知症チェック

加齢による物忘れと認知症による物忘れの特徴は、以下の表の通りです。

加齢による物忘れ 認知症で起こる物忘れ
内容 一般的な知識を忘れる 経験した出来事を忘れる
範囲 体験したことの一部分 体験したこと全体
進行 進行しない 進行する
日常生活 支障なし 支障あり
自覚 自覚がある 自覚はない
学習能力 判断力や理解力に問題ない 判断力や理解力が低下する

新しいことを覚えられない

感情・意欲 保たれている 怒りっぽくなる

やる気がないように見える

何事にも億劫になる

疑い深くなる

    (参照:https://www.sompo-egaoclub.com/articles/fixed/2)

4. 見分け方のポイント3選

4-1. 何を忘れたか

何を忘れたかに着目しましょう。

老化現象である物忘れは、出来事自体は覚えています。

例えば、食事した内容は忘れていても、食事をしたことはわかります。

一方で、認知症になると食事をしたこと自体を忘れ、体験したことの記憶が抜け落ちるのです。

昨日の晩御飯のメニューが思い出せない→加齢による物忘れ

朝ごはんを食べたか思い出せない→認知症による物忘れ

4-2. 自覚があるか

自覚があるかどうか、確認しましょう。

物忘れは、忘れたことを思い出そうとしたり、ヒントがあれば思い出せるなど、忘れたことを自覚しています。

認知症の場合、忘れた自覚がなく、忘れたことに気づきません。

待ち合わせの時間が思い出せない→加齢による物忘れ

待ち合わせをしたこと自体がわからない→認知症による物忘れ

4-3.日常生活に支障がある

加齢による物忘れでは、日常生活に大きな支障をきたすことはありません。

しかし、認知症による物忘れでは、散歩からの帰り道がわからなくなったり、鍋に火をかけっぱなしにしてしまうなど日常生活に支障が生まれます。

タレントの名前が出てこない→加齢による物忘れ

散歩からの帰り道がわからない→認知症による物忘れ

5. 症状が現れたら

認知症による物忘れが現れた場合の対応について説明します。

5-1. 認知症の検査を受けに行く

まず、初期症状が現れたら、病院の物忘れ外来に行き検査をしましょう。

初期症状の確認は以下が目安です。

・同じことを何回も話す

・よく探し物をする

・料理や買い物に手こずる

・お金の管理ができない

進行性の障害なため、完治はできませんが、進行を遅らせる薬があります。

主治医に状態を説明し、本人に合った処方をしてもらいましょう。

5-2. 家族の接し方

対応によって、進行が促進してしまうことがあるので、家族の接し方は重要です。

ここでは、家族の対応の仕方について説明します。

5-2-1. 受けとめる

認知症による物忘れを抱える方は、自身に起きていることが理解できず、混乱や不安を抱えています。

そのため、周りが抜け落ちている記憶に対して否定したり訂正すると、ウソをつかれたと感じてしまい、さらに不安に陥ります。

事実とは違うことを言われても、受けとめることで安心してもらいましょう。

5-2-2. 環境を整える

認知症による物忘れにより、食材管理ができない、水道を出しっぱなしにしてしまう、支払いを忘れるといった日常に支障をきたすことがあります。

その場合は、宅食サービスの利用やガスと水道は周りに人がいるときだけ使えるようにする、支払いを口座引き落としにするなど、環境を整えましょう。

5-2-3. 繰り返して覚える

新しいことを覚えてもらう必要がある場合は、ひとつひとつ繰り返しましょう。

また、使用順番を番号をつける、絵を使うなどして、覚えやすいよう工夫が必要です。

5-2-4. 症状だと理解する

認知症による物忘れの症状として、質問を繰り返したり、約束を破ってしまったり、すぐ忘れてしまうことがあります。

振り回されそうになっても、認知症の症状であることを理解しましょう。

怒りそうになった場合は、その場を離れて冷静になる時間を持つのが大事です。

6.認知症を予防しよう

アルツハイマー病学会国際会議で発表された報告書では、以下の7つが認知症発症要因の35%を占めると発表しています。

(1)若年期の認知症に関する教育の不足、

(2)中年期以降の高血圧、

(3)肥満、

(4)高齢期の難聴、

(5)喫煙、

(6)うつ病、社会的な孤立、

(7)糖尿病

また、若い頃から糖尿病に関する早期教育を行い、中年期の肥満・高血圧・難聴を治療し、改善することで認知症の発症率を20%減らせることがわかりました。

それに加えて、高齢期に以下の5つ全てを満たすことで、認知症の発症率をさらに15%低下できることも判明しました。

(1)喫煙しないこと

(2)うつ病を治療すること

(3)運動をしっかりとすること

(4)社会的な交流を増やすこと

(5)糖尿病を治療すること

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?

加齢による物忘れでは、一般的な知識や体験したことの一部分を忘れてしまいます。

その一方、認知症による物忘れでは、経験した出来事や体験したこと全体を忘れます。

3章の章を参考に認知症チェックをしましょう。

そして、認知症の疑いがある場合には、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

早期発見をすることで、進行を遅らせることができます。

 

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