冬場は低体温に気をつけましょう。
高齢者は、体温調節機能が低下していることが多く、気づいたときには低体温になってしまっていることも少なくありません。
低体温とは、体の中心部の体温が36度を下回ることを指し、35度以下になると低体温症と診断されます。
低体温症になると、震えが止まらなくなったり、判断力が低下したりして、最悪の場合には死に至ることも少なくありません。
この記事では、低体温の原因や冷え症との違い、具体的な対策について解説します。
目次
1.低体温とは
低体温とは、体の中心部の体温が36度を下回ることを指し、35度以下になると低体温症と診断されます。
また、高齢者の低体温の状態を老人性低体温症と言う場合もあります。
低体温症になると、震えが止まらなくなったり、判断力が低下したりして、最悪の場合には死に至ることも少なくありません。
一般的に低体温症は、真冬の登山やマラソン大会などで起こりやすいです。
しかし、60歳代以上の低体温患者のうち、約4分の3が屋内で発症しています。
そのため、高齢者にとって低体温は他人事ではありません。
2.低体温になる原因
低体温になる原因には、環境要因と病気による低体温があります。
環境要因では、寒いところに長時間いる、冷たい水に長く浸かる、冷たい地面に横たわるなどを行うと、低体温症になってしまう可能性があります。
また、病気による低体温では、甲状腺や下垂体、副腎など内分泌腺と呼ばれる臓器機能の低下が原因の可能性が高いです。。
具体的には、甲状腺機能低下症や下垂体機能低下症、副腎機能低下症といった疾患が挙げられます。
3.冷え性と低体温の違い
低体温と聞くと冷え性をイメージするのではないでしょうか?
しかし、低体温と冷え性は異なります。
一番大きな違いは寒さを感じるか否かです。
冷え性では、手足の寒さを感じますが、低体温では寒さを感じることは少なく、気が付いたら低体温症になっていることもあります。
特に体温調節の能力が衰えている高齢者は低体温に気づきにくいです。
4.体温の低下が免疫力の低下に
体温が1度下がってしまうと免疫力が30%落ちると言われています。
ただでさえ、高齢になると免疫力は低下し、60代の免疫力は20代の半分になります。
冬場は、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が広まりやすいです。
高齢者は、インフルエンザやノロウイルスに感染すると重篤化しやすいので、一層の注意をしましょう。
5.低体温の対策
5-1.室温を調整する
まずは、室温を調整しましょう。
基本的には室温が20度以上になるようにしましょう。
また、暖房を使用する際は室内が乾燥してしまうため、注意が必要です。
乾燥は、肌トラブルや感染症、気づかぬうちの脱水のリスクを高めます。
50~60%の湿度を目安に加湿器を使用しましょう。
5-2.厚着をする
外出をする際は、厚着をしましょう。
高齢者は体温調節機能が低下していることもあり、薄着で出かけてしまう可能性があります。
出かける際には、周囲の人が服装を確認しましょう。
5-3.食事を意識する
食べ物には体を温める食べ物と、体を冷やす食べ物があります。
体を温める食べ物には、根菜類や発酵食品、肉や魚などのタンパク質が挙げられます。
一方のナスやきゅうりなど夏が旬の野菜は体を冷やす効果があります。
冬場は、旬の野菜を中心に温かいものを食べましょう。
5-4.アルコールは控える
お酒などのアルコールは控えましょう。
アルコールは体内の血管を広げるため、温まったと感じます。
しかし、実際には多くの熱を放散させてしまいます。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
低体温とは、体の中心部の体温が36度を下回ることを指し、35度以下になると低体温症と診断されます。
そして、60歳代以上の低体温患者のうち、約4分の3が屋内で発症しています。
そのため登山やマラソンをしないからと言って、油断はできません。
以下4つの対策を心がけましょう。
・室温を調整する
・厚着をする
・食事を意識する
・アルコールは控える