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変形性膝関節症とは|介護で気を付けたいポイントを解説

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最近、膝が痛みがひどくなってきた。。。

歩き始めると膝がズキズキする。。。

変形性膝関節症ってどんな症状?

このような悩みや疑問を抱えているのではないでしょうか?

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで炎症を起こし、痛みや関節の変形などの症状が現れる慢性疾患です。

初期症状に気づきにくく、進行が進むと歩行が困難になり、寝たきりになってしまう可能性もあります。

早速、変形性膝関節症の症状や治療法、予防について解説します。

1.変形性膝関節症とは??

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで炎症を起こし、痛みや関節の変形などの症状が現れる慢性疾患です。

男女比は1:4と女性に多くみられ、40歳以降に発症することが多く、加齢とともに罹患率は高くなります。

2.変形性膝関節症の症状は?

変形性膝関節症の症状を時期に分けて解説します。

〇初期症状

初期では、立ち上がったときや歩き始めたときなど、膝を動かした時に生じる痛みがあります。

しかし、休めば痛みが消えることがほとんどです。

そのため、病院に行こうと思う方も少なく、早期発見が難しいです。

〇中期症状

中期では、膝を動かすときに生じる痛みの頻度が増え、休めば和らいでいた痛みが消えにくくなります。

また、階段の上り下りや正座など膝に負担のかかる動きが困難になります。

その他、膝の変形や歩くたびにきしむような音がするなどの症状が現れる場合もあります。

〇末期症状

末期には、関節軟骨がほとんど無くなり、膝が曲がりきらなくなったり、普通に歩くことができなくなったりと日常生活に大きな支障をきたします。

3.原因は主に4つ?

変形性膝関節症の原因は、はっきりとは分かっていません。

しかし、以下4つが関わっていると考えられています。

〇遺伝

家族に変形性関節症患者がいる場合、発症する可能性が高くなるという報告があります。

〇加齢

高齢になるにつれ、発症する割合が高くなることがわかっています。

筋力の低下や長年にわたる関節への負担の蓄積などが原因の1つに考えられます。

〇肥満

肥満の方は、膝に負担が大きくかかるため、発症率が高くなります。

〇職業

職業も大きく関係していると考えられます。

肉体労働やスポーツ選手など関節に負担がかかる職業の方は、変形性膝関節症を起こす可能性が高くなります。

4.治療

4-1.運動療法

運動療法とは、運動によって関節機能の回復を図る療法です。

運動療法では、膝周囲の筋力を強化することで、膝への負担を軽減します。

4-2.薬物療法

薬物療法には、「内服薬」「外用薬」「関節内注射」があります。

〇内服薬

痛みが激しい場合は、効果が早く出やすい内服薬を使用します。

痛みや炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬や解熱鎮痛剤などが用いられます。

しかし、長期間の使用は副作用の心配があるため、落ち着き次第、外用薬に切り替えることが多いです。

〇外用薬

外用薬には、クリームや軟膏、シップなどがあります。

これらには、非ステロイド性消炎鎮痛薬などが含まれており、炎症を抑える効果があります。

〇関節内注射

炎症を抑える作用が強いステロイドや関節機能の改善のためヒアルロン酸の注射が行われます。

4-3.手術療法

手術療法は大きく3つあります。

〇関節鏡手術(関節鏡視下郭清術)

関節の変形が高度ではなく、半月板の損傷などが炎症の原因の場合に行う手術です。

膝の皮膚の一部を切開して、軟骨の破片を取り除いたりします。

3日~1週間ほどの入院期間なので、患者の負担が少なく治療できます。

〇高位脛骨骨切り術

O脚を矯正するために脛骨の一部を切り、膝への負担をバランスよくかかるようにする手術です。

脛骨に歪みがある場合に有効な方法です。

回復までに半年ほどかかるので、筋力の衰えやすい高齢者にはあまり向いていないです。

〇人工膝関節置換術

変形した膝軟骨の表面を削り、インプラント(人工関節)に置き換える手術です。

進行が進み、関節の変形が著しい場合や痛みが強く歩行が困難になった場合に行われます。

手術後は1〜3週間で歩行可能になり、入院は1ヵ月ほどで済むため、高齢者にも適しています。

ただし、正座やスポーツ、膝に負担のかかる仕事は避ける必要があります。

http://www.jcoa.gr.jp/health/clinic/knee/koa.pdf

5.変形性膝関節症の予防法

変形性膝関節症の予防には、ロコモを予防することが大切です。

ロコモとは、運動器が故障し、立つ・歩く・走る・座るといった移動機能が低下する状態のことです。

2007年に、日本整形外科学会が高齢化社会を見据え、この概念を提唱しました。

正式名称は「ロコモティブシンドローム」、和名だと「運動器症候群」と表します。

ロコモが進行すると、寝たきりになったり介護が必要になります。

ロコモの予防には、運動と栄養バランスが整った食事の2つが挙げられます。

5-1.運動から行うロコモ予防

まず、ロコモを予防するための運動法についてです。

身体はそれぞれ違います。

そのため、運動で予防する際には、個人の身体にあった方法で無理せず続けましょう。

ロコトレ(ロコモーショントレーニング)と呼ばれる方法について紹介します。

①片足立ち

片足立ちは、バランス能力をつけるためのトレーニングです。

机や壁など転倒しないように掴まるものがある場所で、床につかない程度で片脚をあげます。

片足上げた状態を左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。

注意点

・支えが必要な人は机に手を置き十分注意してください

・姿勢はまっすぐ

・指をつくだけでできる人は机に指先をつけて行ってください

②スクワット

スクワットは、下肢筋力をつけるためのトレーニングです。

※下肢筋力とは、太ももやふくらはぎといった足の筋力です。

足を肩幅よりも少し広げ、つま先を30度くらい開けます。

おしりを後ろに引くように身体を沈めます。

この時、膝がつま先より出ないように、また膝が足の人差し指のほうへ向くよう注意してください。

スクワットができない方は、椅子に座り机に手をついたまま立つ・座るの動作を行います。

深呼吸するペースで5,6回繰り返しましょう。1日3回が目安です。

注意点

・息をとめないで行いましょう

・膝は90度以上曲げると負担がかかってしまうため、曲げすぎないようにしてください

・太ももの筋肉に力が入っているか意識して行いましょう

・支えが必要な場合は、机に手を置き十分注意してください

5-2.食から行うロコモ予防

ロコモにならないためには、肥満や痩せすぎにも注意することが必要です。

メタボは、内臓に脂肪がつきすぎ肥満になることで、様々な病気になりやすい状態を指します。

そのため、メタボになると身体の負担が大きくなり、ロコモになりやすくなります。

食生活を意識することもロコモ予防には重要になってくるでしょう。

5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル)を一日3回の食事からバランスよく取ることが大切です。

忙しくて食事に時間を取れない方でも、朝はパンにフルーツをプラスする、おにぎりに味噌汁をプラスするといった工夫を行い、一週間の中で栄養バランスを整えられるようにしましょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで炎症を起こし、痛みや関節の変形などの症状が現れる慢性疾患です。

初期症状では、立ち上がったときや歩き始めたときなど、膝を動かした時に生じる痛みがあります。

ただ、休めば痛みが消えることがほとんどです。

そのため、早期発見が難しいです。

痛みが生じた場合は、我慢せずにかかりつけ医に相談しましょう。

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