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骨粗しょう症とは?3つの種類や症状、予防法まで徹底解説

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骨粗しょう症とは、骨の強度が弱くなり骨折しやすい状態をいいます。

性別をみると、骨粗しょう症の患者は女性980万人、男性300万人で、女性の方が圧倒的に多くなっています。年代別では女性で40代、男性は50代から増えはじめ、年齢とともに増えていきます。

参照:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

骨粗しょう症の場合、くしゃみや咳などのわずかな衝撃や、少し躓いて転倒しただけで骨折し、最悪の場合には寝たきりになってしまうこともあります。

内閣府が発表した平成27年版高齢社会白書によると、「要介護」となる主な原因として、「骨折・転倒」は全体の12.2%を占め、4番目の多さになっています。

出典:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/zenbun/27pdf_index.html

今回の記事では、骨粗しょう症の種類や原因、予防法について解説します。

1.骨粗しょう症の3つの種類

骨粗しょう症には3つの種類があります。

1-1.原発性⾻粗しょう症

原発性骨粗しょう症は、加齢や生活習慣の乱れによって引き起こされます。

特に女性は閉経を機に骨密度が低下するため、骨粗しょう症になりやすいです。

また、無理なダイエット、運動不足、カルシウム不足も原因になりえます。

骨粗しょう症の詳しい原因については次の章で解説します。

1-2.続発性⾻粗しょう症

続発性骨粗しょう症は、特定の疾患や服用している薬の副作用で、骨の強度が低下することによって起こります。

特定の疾患では、糖尿病や腎臓病など関連しており、骨粗しょう症を合併しやすいと言われています。

また、薬の副作用としては、ステロイド剤が大きく関係しており、50%の確率で骨粗しょう症を発症するという報告もあります。

1-3.特発性⾻粗鬆症

特発性骨粗鬆症は、突発的に骨密度が低下し急激に進行する骨粗しょう症です。

代表的なものとして「妊娠後骨粗しょう症」が挙げられます。

原因が不明の稀な病態で、初産婦に多く妊娠後期や授乳中に発症します。

2.高齢者が骨粗しょう症になる3つの原因

2-1.加齢が主な原因に

骨粗しょう症は、年齢を重ねるごとに発症率が高まる病気です。

骨の量は年齢を重ねると、どんな人でも減っていきます。

また、加齢によって、カルシウムの吸収量低下やビタミンDを作る働きが弱くなるといったことも原因になります。

2-2.骨密度を保つホルモンの減少

女性は閉経を機に骨密度を保つ作用がある女性ホルモンの分泌が減少するため、骨粗しょう症になりやすくなります。

一方で男性についても、男性ホルモンの低下によって、発症のリスクが高まると考えられています。

2-3.病気や薬の副作用で

骨粗しょう症は、特定の疾患や服用している薬の副作用によって起こる場合もあります。

骨粗しょう症を引き起こす可能性のある病気

・腎臓病

・動脈硬化

・慢性閉塞性肺疾患

・関節リウマチ

・糖尿病

また、薬の副作用としては、ステロイド剤が大きく関係しており、50%の確率で骨粗しょう症を発症するという報告もあります。

3.骨粗しょう症の症状

3-1.初期段階

初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。

健康診断などで、骨密度を検査した際に発見されることがあっても自覚できることは少ないです。

3-2.軽度

軽度では、立ち上がったときに腰や背中が痛むなどの自覚症状が現れます。

また、背が縮んだ、背中が丸くなってきたと言われた場合も注意が必要です。

軽度の症状

・身長が縮んだ気がする

・背中や腰が曲がってきた

・立ち上がるときに腰や背中が痛む

3-3.重度

重度では、背の縮みや背中の曲がりが明らかにわかるようになります。

少し転んだだけで骨折してしまったり、骨の変形で呼吸器障害を起こしてしまうこともあります。

寝たきりになりやすく、重度になる前に必ず医師に相談して対策をしましょう。

重度の症状

・あきらかに身長が縮んだ

・背中や腰の曲がり方が目立つ

・背中や腰の痛みで寝込む

・ちょっと転んだだけで骨折した

・呼吸器障害が起きる

4.骨粗しょう症の予防

4-1.骨密度を低下させない食事

骨の形成に関係する栄養素を摂りましょう。

骨密度の低下を防ぐ主な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKになります。

4-1-1.カルシウム

カルシウムは、骨を作る重要な栄養素です。

75歳以上の方のカルシウム摂取量は、男性700mg、女性600mgが推奨されています。

【カルシウムを多く含む食品】

牛乳、チーズ、いわし、さんま、大豆、緑黄色野菜 など

4-1-2.ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。

主に魚介類に多く含まれます。

また、食事を取らなくても、日光に当たることで皮膚からビタミンDは作られます。

そのため、散歩などで日光を浴びることも大切です。

【ビタミンDを多く含む食品】

鮭、うなぎ、さんま、まぐろ、しいたけ、きくらげ、しめじ など

4-1-3.ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムの吸収を助け丈夫な骨づくりに関わる栄養素です。

油に溶けやすい性質を持っているため、油を使用した料理で吸収が促進されます。

【ビタミンKを多く含む食品】

納豆、油揚げ、卵、ほうれん草、アスパラガス など

一方で、アルコールやカフェイン、さらにリンを多く含む加工食品は、過剰摂取を控えるべき食品です。

4-2.転倒防止のための運動

骨粗しょう症の予防には、転倒予防に有効な筋肉である、お尻と太もも(前後)、ふくらはぎのトレーニングが大切です。

また、下半身だけでなく、上半身も鍛えることで体のバランスが安定します。

ここでは、家にあるもので簡単にできる体操を3つ紹介します。

ぜひ実践してみてください。

4-2-1.柔軟性をアップするタオル体操

タオル体操は、筋肉の萎縮を予防し柔軟性がアップする効果があります。

タオルの端を両手で持ち、横向きに振ったり、縦向きに振ったりしましょう。

4-2–2.新聞紙体操で指先の運動

新聞紙をちぎることで、指先や握力の機能訓練ができる体操です。

新聞紙を用意し、複数人で行います。

ひとり一枚の新聞紙を、制限時間内に何分割にできるか競いましょう。

この時、「両手で」「片手で」「親指と人差し指で」のように制限することで身体の多様な場所を動かせます。

制限時間は、1分から2分程度が目安です。

4-2-3..転倒予防になるペットボトル体操

ペットボトルで転倒の予防ができる体操方法です。

まず、水を少し入れた500mlのペットボトルを寝かせておきます。

そのペットボトルを、片足だけを使い起き上がらせましょう。

この際、ペットボトルを5つほど用意し、何秒で全部起き上がることができたか測るのがおすすめです。

https://carers-navi.com/exercise

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

骨粗しょう症とは、骨の強度が弱くなり骨折しやすい状態をいいます。

年齢を重ねるごとに発症率は上がるため、日々の食事や運動での注意が欠かせません。

また、初期段階は自覚症状がほとんどないため、定期的に骨密度を計る検査をすることをオススメします。

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