延命治療は受けたくない
リビングウィルを書いてみたい
エンディングノートとは何が違うの?
このような悩みや疑問を抱えているのではないでしょうか?
リビングウィルとは、回復する見込みがない状況で延命治療をしてほしいか否かの意思表明を記しておくものです。
この記事では、リビングウィルのメリットやデメリット、実際の書式などについて解説します。
目次
1.リビングウィルとは
リビングウィルとは、回復する見込みがない状況で延命治療をしてほしいか否かの意思表明を記しておくものです。
人工呼吸器や胃ろうなどの延命措置を一度行うと、簡単に外すことはできません。
外すことは、死に至るためです。
ターミナルケアのような延命治療ではなく苦痛や不安を緩和し、精神的に豊かな生活を望む場合は、リビングウィルを記しておくと安心です。
2.遺言書やエンディングノートとの違い
リビングウィルと似た言葉に遺言書やエンディングノートがあります。
それぞれ違いをみていきましょう。
2-1.リビングウィルと遺言書の違い
遺言書は、自分の意思を直接残すことのできるものです。
遺言書は法的拘束力を持つものであることから、定められた内容を書きます。
相続人を指名したり、相続を希望する理由を書いたりなど、遺言書には複数の項目を記載する必要があります。
リビングウィルと意思を残すという点では共通点がありますが、治療方針以外に記載することはありません。
また、遺言書は法的拘束力を持ちますが、リビングウィルには法的拘束力がないです。
2-2.リビングウィルとエンディングノートの違い
エンディングノートとは、自分の人生の終わりについて考え、自分の希望やメッセージを書いたノートです。
自分の希望を伝えるだけでなく、これからの人生を前向きに生きることにも繋がります。
一方のリビングウィルは、治療方針のみを記すものです。
3.リビングウィルのメリット
3-1.自分の希望を伝えられる
一番のメリットは、自分が希望する最期を迎えられることです。
リビングウィルに記すことで、万が一意思疎通ができなくなってしまった場合でも、自分の希望を伝えられます。
3-2.家族の負担を減らせる
治療や介護はどうしたいかなどを家族と話し合っていますか?
自分の希望を書いてみることで、家族と話し合うきっかけにもなります。
また、いざという時に自分の意思が記されたものがあれば、家族が決定すべきことが少なくなり、精神的な負担を少しでも減らすことができるでしょう。
3-3.将来について考え、現在の生活を見直すきっかけになる
リビングウィルの執筆は、今後の時間をより豊かに過ごすことにも繋がります。
将来のことを考えて希望や理想を書き出してみてください。
理想の姿を描くことで、現在の生活を見直すきっかけになるでしょう。
4.リビングウィルのデメリット
4-1. 法的拘束力がない
リビングウィルは遺言書とは異なり、法的拘束力を持っていません。
お金や契約に関することなど、法的拘束力を持たせたいものは遺言書に書いておきましょう。
4-2. 遺族への負担となるケースも
自分の希望を書ける反面、希望が多すぎてしまうと遺族の負担になりうることも理解しておきましょう。
絶対にしたいこと、できればしたいことに分けて書くなどの工夫をしてみましょう。
5.リビングウィルの書き方
5-1.リビングウィルに書く内容
大まかにリビングウィルに書く内容は以下の4つになります。
〇治療方針についての希望
〇自分以外の治療方針の意思決定者
〇かかりつけ医
〇その他希望すること・伝えたいこと
5-2.リビングウィルの書式
5-2-1.日本尊厳死協会
日本尊厳死協会では、リビングウィルノートのPDFが公開されていますが、利用する際は協会に入会する必要があります。
入会する場合は、年会費2千円(税込み)又は終身会員費7万円(税込み)の会費が必要です。
https://songenshi-kyokai.or.jp/living-will
5-2-2.厚生労働省
リビングウィルの書式ではありませんが、厚生労働省はリビングウィルに似たアドバンスケアプランニングためのシートを公開しています。
アドバンスケアプランニングとは、万が一のときに備えて、あなたの大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自分自身で考えたり、あなたの信頼する人たちと話し合ったりすることです。
https://square.umin.ac.jp/endoflife/shimin01/img/date/pdf/EOL_shimin_A4_text_0416.pdf
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
リビングウィルとは、回復する見込みがない状況で延命治療をしてほしいか否かの意思表明を記しておくものです。
リビングウィルを書くことで、自分が希望する最期を迎えられるだけでなく、今後の人生を考えるきっかけにもなるでしょう。