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介護現場のヒヤリハットとは?実態や事例、報告書の書き方を解説!

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「介護におけるヒヤリハットって?」
「介護現場で起きるヒヤリハットの事例は?」
「ヒヤリハットの報告書には何を書く?」
そういった疑問を抱えていませんか?

ヒヤリハットは、その場では事故にならなかったものの、看過しておくと重大な事故に繋がりかねない出来事を指します。
人手不足が叫ばれる介護現場において、ヒヤリハットについて情報を共有し、漏れなく対策を講じていくことが構造的に事故を減らすことに繋がります。
この記事では、ヒヤリハットや介護現場の実態、報告書の書き方やよくあるヒヤリハットの事例を詳しく紹介します。

1.ヒヤリハットとは

1-1. 介護現場のヒヤリハット

ヒヤリハットとは、重大な事故にはならなかったものの、そうなる可能性のあった出来事を指します。

介護現場では、多くの利用者が生活していることや、介護現場の人手不足により、ヒヤリハットが多く見られます。

生命に関わる事故になる前に、ヒヤリハットを防ぐ意識を高めることが大切です。

1-2. ハインリッヒの法則とヒヤリハットを考える重要性

ハインリッヒの法則とは、1つの重大な事故の背景には29個の小さな事故があり、その事故の背景には約300ものヒヤリハットが存在しているというものです。

つまり、普段は見過ごしがちなヒヤリハットを一つ一つ無くしていくことが、重大な事故の防止に繋がります。

2.介護事故の実態

介護労働実態調査報告書によれば、介護に関わる75%もの人がヒヤリハットを経験しています。

事故の種類については、介護者のいない場所での転倒や転落が最も多く、次に食事中のヒヤリハットが続きます。

http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2021r01_chousa_kekka_gaiyou_0823.pdf

3.ヒヤリハットが起きる原因

3-1. 利用者に原因がある場合

介護施設を利用する方が必要とする介護レベルには個人差があります。

また、同じ介護レベルの利用者を集めたとしても、精神状態や身体状況には差があります。

そのため、施設利用者に対する画一的な支援や、利用者の意思を無視した介護は、ヒヤリハットに陥りやすい状況を作ってしまう恐れがあります。

3-2. 支援者に原因がある場合

介護は肉体的・精神的負担が大きくなりやすいです。

ヒヤリハットは、集中力が低下している時に起こりやすく、介護者は常に気を張っている必要があります。

慢性疲労を抱えていたり、私生活などでストレスが溜まっていたりする場合には特に注意が必要です。

3-3. 介護環境に原因がある場合

介護環境もヒヤリハット発生の大きな原因の一つです。

例えば、ベッドや椅子の高さが被介護者に適していなかったり、階段に手すりがなかったりするなどの環境が挙げられます。

また、一度ヒヤリハット防止の観点から改善された環境も、特定の被介護者にとって整備が不十分であれば再発の可能性があります。

4.ヒヤリハットの再発を防ぐには

4-1. 報告書を書く

介護現場でヒヤリハットが発生したら報告書を書くことが大切です。

報告書に、ヒヤリハットが起きた理由や場所、対処法などを記録しておくことで、同様のヒヤリハットの再発を防げます。

4-2. 定期的な事例検証

ヒヤリハット報告書に記載された内容を元に、事例を検証することも大切です。

実際に職員が話し合いながら現場に立ち会うことで、現場の課題をつかむことができます。

また、事例を忘れることがないように定期的に行うことが大切です。

5.ヒヤリハット報告書を書く目的

5-1. 利用者の事故防止

報告書を蓄積することの目的は、防げる事故を確実に防ぐということです。

ヒヤリハットが多発する時間帯や場所などを分析し、結果に応じた対応策を講じることで事故を減らせます。

具体的には、人員を多く配置したり、階段などの設計を見直したりすることが挙げられます。

5-2. 支援者の情報共有

報告書の記載と蓄積は、支援者がお互いに情報を共有し合う目的があります。

支援の方法が属人化したり、重大な事故に繋がったりするのを防ぐ点で、情報共有は重要な役割を果たします。

また、情報の共有は、支援者がヒヤリハットについて意識を高めることにも繋がります。

6.ヒヤリハット報告書の書き方

ヒヤリハット報告書には、5W1Hを書くことを意識しましょう。

5W1Hとは、「いつ」「なぜ」「どこで」「だれが」「何を」「どのように」という6単語を指します。

この単語に沿って書くことで、漏れなく端的にまとめられます。

7.ヒヤリハット報告書記入のコツ

7-1. 主観を省く

報告書を書くときは、出来るだけ客観的に書くように心がけましょう。

報告書の中に、意見や推測が含まれていると、原因の特定や対策に時間がかかります。

どうしても主観的な内容を記述する必要のある場合には、客観的な事実とは区別して書きましょう。

7-2. わかりやすく端的に

報告書は、支援者が共有して情報を整理するためのものであるため、簡潔で読みやすいことが前提です。

無駄に長くすることなく、伝える必要があるものに絞って記入することをおすすめします。

8.ヒヤリハットの事例

8-1. 入浴

入浴時のヒヤリハットは多く、支援者が最も気を配りたい場所の一つです。

例えば、転倒したり、シャワーの熱いお湯が体にかかってしまったりなどが挙げられます。

これらの場合、上記に挙げた内容は客観的事実ですが、「床が滑りやすかったと思われる」といった内容や「前のシャワー使用者がお湯を熱いままにして出たのだろう」などといった内容は主観です。

8-2. 移動

移動では、例えばベッドの脇に座り込んでしまったり、段差があり車椅子が転倒しそうになったりすることが挙げられます。

他にも、移乗に関しては、フットレストを挙げずに車椅子に乗ろうとして転倒したり、ベッドに足をぶつけてしまったりなどのヒヤリハットが挙げられます。

この場合も、ヒヤリハット発生の理由と思われる「面倒だったのではないか」ということや、「段差に気づいていなかった」といった内容は主観ですので、客観的事実とは書き分けましょう。

8-3. 食事・服薬

食事の際のヒヤリハットでは、隣の人の食事を食べてしまったり、入れ歯を忘れてしまったりするなどが挙げられます。

また、食事の前後に服薬をする事も多いです。

その場合には内服薬を他の人と間違えかけたり、薬を飲み忘れたり、床に落ちている薬を発見するなどのヒヤリハットがあります。

8-4. 排泄

トイレで足を挟んでしまったり、転倒したり、移乗の際にふらついたりするなどのヒヤリハットがあります。

目を離している一瞬の隙に起こる事もあるため注意が必要です。

8-5. 被介護者同士・支援者とのトラブル

被介護者同士で言い合いになることや、時には被介護者同士の助け合いもヒヤリハットに繋がります。

例えば、被介護者が乗っている車椅子を、認知症の被介護者が押している状況は非常に危険です。

9.最後に

最後に、介護現場における事故を100%無くすことは難しいかもしれません。

しかし、「事故にならなかったから大丈夫」という考えは危険です。

次も同じような事故が起きる可能性や、さらに大きな事故を招く可能性もあります。

些細な出来事でも情報を共有するようにしましょう。

重大な事故を防ぐためにも、小さな報告と検証、対策の積み重ねが大切です。

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