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ノーマライゼーションとは?課題やバリアフリーとの違いを詳しく紹介

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「ノーマライゼーションって?」

「ノーマライゼーションとバリアフリーは違う?」

「ノーマライゼーションの課題は?」

そういった疑問を抱えていませんか?

ノーマライゼーションとは、「障がいを持つ人も持たない人も平等に暮らしていける社会を目指そう」という社会福祉の理念で、介護においてもこの理念が目指されています。

この記事では、ノーマライゼーションの歴史や日本への普及、ノーマライゼーションの8原理、バリアフリーとの違いなどを詳しく紹介します。

1.ノーマライゼーションとは?

ノーマライゼーションとは、障がいを持つ人も持たない人も平等に暮らしていける社会を目指そうという社会福祉の理念です。

介護においては、高齢や障がいの有無に関係なく、住み慣れた地域で社会生活を送り続けられる状態が目指されています。

厚生労働省の主な取り組みには、障がい者サービスの利用自らがサービスを選択し、事業者と直接契約する利用制度への移行などがあります。

2.ノーマライゼーションの歴史

ノーマライゼーションの起源は、1950年にデンマークにあります。

当時の社会省担当官は、知的障がい児への不当な扱いを問題視していました。

その後、そうした考えは社会運動へと発展し、1959年には知的障がい者福祉法が制定されました。

これにより、世界で初めてノーマライゼーションの理念が法律に組み込まれるようになります。

3.ノーマライゼーションの日本への普及

ノーマライゼーションが日本に普及したきっかけは、1981年の「障がい者に関する世界行動計画」にあります。

これは、国連で採択された、障がいを持つ人々の人権を促すための政策の一つです。

日本でもこの「障がい者に関する世界行動計画」をきっかけに、ノーマライゼーションへの関心が高まりました。

4.ノマーライゼーションの8原理

ノーマライゼーションには、8つの原理があります。

生活リズムやサイクルに関する原理と、環境や経済、自己決定に関する権利の2つに大別されます。

この章では、8つの原理を一つ一つ紹介します。

4-1. 1日のノーマルなリズム

朝起きて、身支度を整え、食事をして、職場や学校に行き帰宅するという1日のリズムのことです。

例えば、障がいがある方でも、食事をする際にはベッドからおりて食卓につくことも含まれます。

他の例としては、介護施設の都合ではなく、利用者のリズムに合わせて食事を摂るなどもあります。

4-2. 1週間のノーマルなリズム

平日に働き、土日に休むといった仕事を含む1週間のリズムのことです。

例えば、外出に介護が必要な状態でも休日には外に出かけられることなどがあります。

他にも、介護度に関係なく出勤したり、休日に友人を招くなども含まれます。

4-3. 1年間のノーマルなリズム

季節の行事に参加したり、長期休みに旅行に行くなどの1年間のリズムのことです。

障がいや介護のレベルに関わらず、1年間のイベントを楽しめるようにという原理になります。

4-4. ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験

年齢やライフステージに応じた発達経験を積むことです。

例えば、介護が必要な場合でも散歩や買い物をしたり、これまで培ってきた経験を活かして孫世代に何かを教えたりすることが挙げられます。

他にも、ライフステージに合わせておしゃれを楽しんだり、仕事に没頭したりすることなども挙げられます。

4-5. ノーマルな個人の尊厳と自己決定権

個人として尊厳が尊重され、基本的な生活を自分で選択するということです。

例えば、食事に介護が必要な状態でも、自分で食事を選ぶことがあります。

他にも、障がいがあっても住む場所を決めることも含まれます。

4-6. その文化におけるノーマルな性的関係

ノーマルとされる性的関係を望んだ場合、それが障がいによって阻害されないことです。

性的関係を望む性がいる環境で交流がある等の間接的なことも含まれます。

4-7. その社会におけるノーマルな経済水準とそれをえる権利

健常者と同様の経済水準が保障されることです。

障がいの有無や介護度にかかわらず、自分で経済活動を行い、財産を保護して自由に使う権利が含まれます。

4-8. その地域におけるノーマルな環境形態と水準

障がいの有無や、介護の必要度合いに関わらず、地域社会に溶け込み生活を送れることです。

例えば買い物に行ったり、地域のイベントに参加するなどが挙げられます。

5.ノーマライゼーションとバリアフリーの違い

バリアフリーとは、障がい者や介護が必要な高齢者が日常生活を送る際に感じる障害を除去することです。

それに対して、ノーマライゼーションとは、障がいの有無や介護度によらず、全ての人が安全に暮らし活動できる社会を目指そうという考えです。

バリアフリーの例の中には、ノーマライゼーションの考えが反映されていることも多くあります。

例えば、近年車椅子用トイレの増設やエレベーターの普及が進んでいます。

これらは施策としてはバリアフリーですが、バリアフリー施策が当たり前になっていきていることは、ノーマライゼーションの理念が浸透した結果とも言えます。

6.ノーマライゼーションの課題

ノーマライゼーションの理念は近年普及してきています。

しかし、障がいを持つ方や被介護者が職場で大きく活躍できない場面もあります。

その理由は、それらの方々をサポートする体制が整っていないことや、それらの方々への理解度が人によって異なることなどがあげられます。

7.まとめ

まとめると、ノーマライゼーションとは障がいを持つ人も持たない人も平等に暮らしていける社会を目指そうという社会福祉の理念です。

介護においては、高齢や障がいの有無に関係なく、住み慣れた地域で社会生活を送り続けられる状態が目指されています。

街でバリアフリー化が進んでいるのは、ノーマライゼーションの理念が普及している証拠とも言えます。

ただし、現場レベルではまだ浸透しきっていないという課題があるのも現状です。

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