高齢者でもパニック障害になるの?
老人性パニック障害とはどんな症状?
このような疑問を抱えているのではないでしょうか?
老人性パニック障害とは、高齢者が発症するパニック障害です。
このパニック障害の発症には「老人性うつ」が関係しています。
高齢者のうつ病は、認知症と間違われることが多いため、周りがなかなか気付けず、知らないうちに症状が進行してしまうことがあります。
今回は、老人性パニック障害についてご紹介します。
目次
1.老人性パニック障害とは
老人性パニック障害とは、高齢者が発症するパニック障害です。
パニック障害とは、突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態です。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。
そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。
このパニック障害の発症には「老人性うつ」が関係しています。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html
2.老人性うつとは
老人性うつとは、正式な名前ではありませんが、65歳以上の高齢者がかかるうつ病を総称して呼ばれています。
老人性うつは、認知症の初期段階の症状と大変似ており診断が難しいです。
認知症は治療が難しいですが、老人性うつは早期に正しく治療をすれば治る病気です。
様子がおかしいと思ったら、認知症と決めつけず、老人性うつの可能性も同時に疑ってみましょう。
老人性うつは、抗うつ気分がより強く、自分が周りの人に迷惑をかけてしまっているという自責の念が強くなります。
その結果、物事に対して悲観的になったり、最悪の場合には死にたいと思うこともあり注意が必要です。
2-1.老人性うつと老人性パニック障害の関係
老人性うつは、環境の変化などのきっかけを機に突然数日前の出来事を忘れてしまいます。
しかし、忘れてしまったことを自覚しているため、心配や不安を感じパニック障害を発症してしまう場合があります。
3.老人性うつの原因
老人性うつは、大きく環境的要因と心理的要因の2つの要因によって引き起こされます。
環境的要因では、「定年退職してやることがなくなった」「子どもが独立した」「引っ越しをした」など環境の変化が原因となります。
また、心理的要因では、「配偶者が亡くなった」「重い病気にかかった」「長年飼っていたペットが亡くなった」など心理面での原因があります。
4.老人性パニック障害の治療方法
医療機関を受診の上、パニック障害と診断された場合、一般的なうつ病と同じく3つの治療法があります。
4-1.薬物療法
一般的なうつ病と同じように、抗うつ剤などを使用するのが基本です。
うつ状態の方は、「セロトニン」や「アドレナリン」といわれる脳内の神経伝達物質の働きの低下が影響しているといわれています。
そのため、その物質の働きを促す薬を処方されます。
しかし、薬によっては、血圧をあげてしまったり、尿が出にくくなるなどの副作用もあるため注意が必要です。
4-2.環境の改善
老人性パニック障害の原因の一つに環境的要因があります。
これは、活力を取り戻せるような環境を整えたり、家族と定期的に会えるようにするなどが効果的です。
また、進行に応じて施設への入居も検討しましょう。
ゆっくり休んでもらいつつも、心身に適度な刺激を与えられることが重要です。
4-3.精神療法
「頑張れ」などの励ましは、病気を悪化させることもあるため避けましょう。
接し方については、症状や原因、その人の性格によって一概には言えないため、専門家に相談しましょう。
症状が回復してきたら、社会との接点を徐々に増やし刺激を与えていくとよいです。
症状にもよりますが、デイサービスなどを利用するとよいでしょう。
5.うつ病と併発の可能性も
ごくまれに、認知症とうつ病を併発しているケースもあります。
この場合、うつ病が認知症の症状に拍車をかけたり、その逆も起こりうります。
また、うつ病が原因で、認知症のような症状を発症する「仮性認知症」と呼ばれる状態もあります。
いずれにせよ、医師による診断が必要ですので、兆候がある場合は専門機関を受診しましょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
パニック障害は、突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態です。
原因を特定し治療をすることで改善が見込めます。
また、認知症と併発している可能性もあるため、前兆が見られた場合には、かかりつけ医に相談しましょう。