「レクリエーションを考えなければならないけど、アイディアが思いつかない……」
「色々と試してみたけど、もっと入居者の方が楽しめるレクリエーションを知りたい!」
そんな方も多いのではないでしょうか?
レクリエーションには体を動かすものにだけでなく、指先や頭を使うもの、音楽を活用するものなど、様々な種類があります。
様々な種類のレクリエーションを取り入れることで、体力・運動機能の維持・向上を図ったり、認知症の予防や孤独感を和らげるなどのメリットがあります。
入居者がより楽しく生活するためにも、ぜひ取り入れてみてください。
この記事では、レクリエーションの目的やメリット、気をつけるべきこと、そして具体例を紹介します。
1.レクリエーションとは?
レクリエーションとは自由時間に行われる創造的活動をさします。
老人ホームでは、入居者が集まるレクリエーションが様々に企画されています。
レクリエーションがあることで、日々の生活に変化を与えられるのです。
2.レクリエーションが必要な理由
年齢を重ねるにつれ、誰しも身体機能が低下し、動くことも億劫になってしまいます。
それを楽しく解消するのが、レクリエーションです。
自分一人で打ち込むものから、入居者同士で協力し合うものまで、様々な種類があります。
3.レクリエーションのメリット5選
ここからは、レクリエーションのメリットを5つ紹介します。
3-1. 自信の創出
得意なことを披露する機会があれば、自信が生まれます。
これまでの経験を活かすことで、生きがいの創出にも繋がるでしょう。
3-2. QOLの向上
QOLはQuality of lifeの略で、「生活の質」や「人生の質」と訳され、私たちが満足に生きる指標として注目されています。
生活にレクリエーションを取り入れることで、QOL(=生活の質)向上が見込めるでしょう。
3-3. 脳の活性化
レクリエーションは体を動かすだけではありません。他にも、頭を使うゲームや指先を使う制作活動など、種類は多岐に渡ります。
それら一つ一つが脳の活性化に繋がり、認知症予防にも効果的です。
3-4. 入居者同士や職員との交流の促進
レクリエーションは交流を促進させることができます。
コミュニケーションが増えることで、孤独感を和らげる効果もあります。
3-5. 身体機能の維持・向上
年を重ねるにつれ、体を動かすことが億劫になったり転倒のリスクも増えたりしますよね。
レクリエーションを取り入れることで、安全に楽しく、身体機能の維持や向上を見込めます。
4.レクリエーションの具体例
ここからは、レクリエーションの具体例をご紹介します。
4-1. 体を動かすレクリエーション
まずは体を動かすレクリエーションの具体例を8つ紹介します。
4-1-1. もの送りゲーム
もの送りゲームは、手や体を速く動かすゲームです。
身体可動域の維持やチーム内の交流の促進が期待できます。
- チーム分けをし、チームごとに円になって座ります。
- 物を隣の人に送り、一番早く物が一周したチームの勝ちです。
4-1-2. フープ玉入れ
フープ玉入れは、フープにボールを投げ入れ、うまく入った回数を競うゲームです。
全身を使うため筋力アップに効果的です。
- ボールとフープを用意します。
- チーム分けをし、チームごとに椅子を円状に並べて座ります。
- 円の真ん中に小さめのフープをおきます。
- ボールを投げ入れ、多く投げ入れることのできたチームの勝ちです。
4-1-3. ボーリング
ボールを転がし倒れたピンの本数を競うゲームです。
全身の筋力アップや、チームや職員との交流促進が期待できます。
- ペットボトルを10本とボールを用意します。
- 5m程度離れたところからボールを転がし、倒れたピンが多い人の勝ちです。
4-1-4. ペットボトル立たせゲーム
空のペットボトルを逆さまに立てていくゲームです。
認知機能の維持・向上や、集中力アップが期待できます。
- 空のペットボトルを10本用意します。
- ペットボトルを逆さまにし、蓋を下にしてペットボトルを立たせます。
- 一番速く10本逆さまにできた人の勝ちです。
4-1-5. ジェスチャー伝達ゲーム
単語を体の動きのみでチームに伝えるゲームです。
想像力を働かせることで認知症の予防も期待できます。
- チームで一人、ジェスチャーをする係を決めます。
- ジェスチャーをする人だけがお題を見ます。
- ジェスチャー担当の人がお題を体で表現し、早く回答できたチームの勝ちです。
4-1-6. 音楽に合わせて体操
音楽に合わせて体を動かしましょう。
ストレス発散効果や運動機能の維持・向上が期待できます。
ラジオ体操や氷川きよしのズンドコ節体操などがあります。
4-2. 指先を使うレクリエーション
ここからは、指先を使うレクリエーションをご紹介します。
4-2-1. 書道
書道をこれまで経験された方や得意な方の披露の機会にもなります。
程よい緊張感や、姿勢が正される効果も見込めるでしょう。
4-2-2. 新聞紙開き
新聞紙をくしゃくしゃと丸め、破らないように開いていくものです。
他の参加者との速さを競います。
細かい動きを必要とするため、指先の器用さを高めます。
4-2-3. 水彩絵の具で色ぬり
大人用塗り絵と水彩絵の具を用意し、色をつけていきます。
複雑な模様の色付けもあることから、手先の器用さを高めるます。
寝たきりの方にとっても、座って作業することで座位の姿勢を保ち、腹部の筋肉を補強することにもなります。
4-2-4. バルーンアート
風船をひねり、自由な発想で形を作り出します。
想像力を刺激するほか、割れないように注意するため適度な緊張感を生み出します。
- バルーンアート用の風船を用意します。
- 風船を膨らましてひねり、様々な形を作ります。
4-3. 頭を使うレクリエーション
ここからは頭を使うゲームを紹介していきます。
4-3-1. 頭文字探し
単語の頭文字を抜いたものを書き、当ててもらうゲームです。
真ん中の文字や最後の文字を抜いても大丈夫です。
想像力を刺激し、認知症予防も期待できます。
4-3-2. 川柳
川柳は俳句と同じ五・七・五の十七音でつくる定型詩です。
俳句と違い、季語を使う必要もなく文体も口語であるため、より自由に楽しめるでしょう。
4-3-3. 百人一首
百人一首とは、100人の歌人の和歌を、一人につき一首ずつ選び集めたものです。
音を聴いて考え、カードをとる際に体を動かすため、楽しく全身を使うことができます。
4-4. リラックスするレクリエーション
時には意識的にリラックスできるような企画も取り入れてみましょう。
4-4-1. 動物と触れ合う
入居すると、動物に触れ合う機会が減ってしまいます。
動物と触れ合うことで温もりを感じ、孤独感やストレスが薄れます。
また、可愛い動物に触れると自然に笑顔が生まれ、表情が豊かになることも期待できるでしょう。
4-4-2. 音楽を流す
静かな音楽にもリラックス効果があります。
自由に読書などをする時間にしたり、音楽に合わせてゆったりとストレッチを取り入れても良いでしょう。
5.レクリエーションで気をつけたい8つのポイント
これから紹介するポイントを抑えて、安全で楽しいレクリエーションにしていきましょう。
5-1. 時間配分に気をつける
レクリエーションの所用時間が長すぎると、参加者が飽きる場合があります。
休憩時間を取り入れたり、終わりの時間を決めておくなど工夫が必要です。
5-2. 目的を意識する
レクリエーションの前には、それを行う目的を説明しましょう。
目的がわかることで、参加したい気持ちを起こすことにも繋がります。
5-3. 大きな声でゆっくりと話す
説明の際やレクリエーション中は大きな声でゆっくりと話すことを心がけましょう。
5-4. 笑顔を心がける
企画者が笑顔でレクリエーションを行うことで、参加者も楽しい気持ちになります。
和やかなレクリエーション実施のためにも、笑顔を忘れないようにしましょう。
5-5. 好みや個性を把握する
好きなテーマには個人差があります。
運動が好きな方もいれば、料理や手芸、書道などが好きな方もいるのではないでしょうか。
入居者の好みをあらかじめ把握して、多様なテーマでレクリエーションを開催することで、より多くの方の満足感に繋がります。
5-6. 本人の意思を尊重する
交流が好きな方もいれば、あまり参加したくないと思っている方もいるでしょう。
あくまでも本人の意思を尊重する姿勢を心がけましょう。
5-7. 安全に配慮する
転倒のリスクや、他の入居者とぶつかることがないように注意が必要です。
できるだけ広い場所で、全員に目が行き届くレクリエーションを企画しましょう。
5-8. 自然と輪に入れるように意識する
入居して間もない方も、自然と輪に入れるように意識することが大切です。
入居者同士が一体になって行うゲームなどをすることで、自然と輪に入りやすくなります。
また、参加したくないと思っている方には、本人の意思を尊重しつつ、うまく馴染めるようにサポートしていきましょう。
6.まとめ
施設でレクリエーションを行うことで、入居者の生活が一層楽しく充実したものになります。
また今回ご紹介したレクリエーションは、身体機能や認知機能の維持・向上を目的にし、リハビリや介護予防にも効果的です。
入居者の方の過去の経験を活かすことで自信の創出にもなり、新しいことにチャレンジすることで目標ができたりします。
好奇心の幅が広がり、楽しみながら脳の活性化が図れるレクリエーションにぜひチャレンジしてみてください。