買い物難民ってなんで起こるの?
買い物難民の解決策はある?
親が買い物難民にならないか心配。。。
このような疑問や不安を抱えているのではないでしょうか?
買い物難民とは、気軽に食料品を調達できない人を指します。
農林水産省の公表によると、買い物難民は約535.5万人に及ぶと推計されました。
特に地方に住む高齢者に多く、食品料店の減少や地域公共交通サービスの衰退が要因であると考えらています。
この記事では、買い物難民が生まれる原因や問題点、取り組まれてる解決策について解説します。
目次
1.買い物難民とは
買い物難民とは、食料品アクセス困難人口とも呼ばれており、気軽に食料品を調達できない人を指します。
地方の過疎化や交通機関の減少、食料品店の減少などが、主な背景です。
買い物難民には、様々な定義があります。
例えば、農林水産省では、「高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方」、経済産業省では、「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々」とされています。
また、2015年の農林水産省の発表によると、買い物難民は約535.5万人に及ぶと推計されました。
2.買い物難民が生まれる原因
2-1.高齢者の増加
高齢になると、筋力や認知機能の低下により、買い物が困難になります。
2025年にかけて高齢者は年々増加しています。
背景には、第二次世界大戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)で生まれた人口比率の高い世代の全員が後期高齢者(75歳以上)に達するためです。
2-2.食料品店の減少
郊外型大型スーパーの影響や後継者不在により、中小規模の店舗が大きく減少しています。
特に、八百屋や魚屋、肉屋などが減少し、商店街のシャッター通り化が起こっています。
交通手段が限られている高齢者にとっては、大きな影響があります。
2-3.関係性の希薄化
地域住民や親戚との関係性の希薄化も影響しています。
昔ならば、お隣さんに買い物をお願いできたかもしれませんが、現在では難しくなりつつあります。
2-4.地域公共交通サービスの衰退
近所にスーパーや商店街がなくなってしまった場合、交通機関を利用せざるを得ません。
しかし、地方では、地域の交通サービスの衰退が著しいです。
そうなると、必然的に買い物難民となってしまいます。
2-5.高齢者の免許証の自主返納
2017年の改正道路交通法により運転免許の返納が推奨されているもあり、自動車を持たない高齢者が増えています。
しかし、地域の交通機関は衰退しているため、買い物が困難になってしまいます。
また、ガソリンスタンドの数も減少しており、自動車を持っていても給油できない場合もあります。
3.高齢者の買い物難民によって生まれる3つの問題
3-1.閉じこもりの危険性
閉じこもりとは、1日のほとんどを家の中あるいはその周辺(庭先程度)で過ごし、日常の生活行動範囲がきわめて縮小した状態です。
閉じこもりは、さまざまな要介護のハイリスク状態とも密接な関係を持っています。
認知症やうつ病、低栄養などと極めて密接な関連を持っています。
地域の人と新たな関係を作ったり、家族や親戚の人とも定期的に会うようにすることなどが有効です。
コロナ禍では、なかなか関係を築くことは難しいですが、オンラインサービスも充実しつつあります。
家族が協力をして、社会とのつながりを作りましょう。
3-2.長距離の移動によるリスク
移動距離が長くなると、必然的に転倒や事故のリスクが高まってしまいます。
内閣府が発表した平成27年版高齢社会白書によると、「要介護」となる主な原因として、「骨折・転倒」は全体の12.2%を占め、4番目の多さになっています。
さらに、消防庁の発表によると、高齢者の救急搬送のうち「転倒」が約80%を占めています。
出典:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/zenbun/27pdf_index.html
出典:https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201509/kkhansoudeta.html
3-3.低栄養による健康リスク
低栄養とは、エネルギー摂取量やたんぱく質などの栄養が慢性的に不足している状態のことです。
選択できる店が少なくなると、栄養バランスが偏ってしまう可能性があります。
特に、近くにコンビニしかない場合は危険です。
低栄養は、免疫力の低下や体重の減少に繋がってしまいます。
4.買い物難民の解決策
4-1.移動販売車事業のビジネス化
買い物難民の課題解決のため、移動式スーパーも広まりつつあります。
しかし、移動式スーパーでは、採算を取るのが難しく、安定したビジネスを行うことが現状では困難です。
また、一部の大型スーパーでは、無料シャトルバスの運行も行われています。
4-2.移動手段の公的支援
地域独自の取り組みが大切です。
地方自治体が、独自でのバス運行や民間との協働でスクールバスの相乗りなどで、高齢者の移動を支援する取り組みも行われています。
4-3.オンラインによる宅配サービス
高齢者のインターネット利用率は、平成21年末で36.9%となっており、オンラインによる宅配サービスも注目を集めています。
一方で、オンラインで食品を購入することの抵抗の声も上がっており、工夫が必要とされています。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
買い物難民は、低栄養や転倒のリスクを高め、高齢者にとっては深刻な問題となっています。
しかし、まだまだ取り組みは不足しているといえます。
できるだけ早く、公民が連携して地域全体で取り組む必要があるでしょう。