親が高齢になり、筋力が衰えてきた…
一人で歩かせるのが心配…転んだりしないかな…
杖を買ってあげたいけど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない…
この記事では、そんなお悩みを解決します。
杖の種類は、実はそんなに複雑ではないんです!
違いを理解し、選び方のポイントを押さえることで、ピッタリの杖を見つけることができます。
杖は「三本目の足」とも言われます。
高齢者にとっては日常生活の大きな支えとなるので、慎重に選んでいきたいですよね。
今回は杖の種類と選び方のポイントに加え、
杖の基本的な役割や購入方法、レンタル杖、介護用歩行器についても紹介していきます。
目次
1.杖は歩行を補助するための道具
杖は、歩行を補助するための道具です。
筋力の低下や足の痛みがあるなどの理由で歩行が困難となった高齢者の方でも、
杖があることで、一人での移動をサポートできます。
2.杖の役割2つ
杖には主に、2つの役割があります。
①安定した歩行の補助
足の筋力が弱っている、片足に麻痺があるなどの理由でバランスが取りにくい方にとって、「三本目の足」となる杖は歩行の補助的役割を果たしてくれます。
転倒の予防にもなるので安心です。
②体への負担軽減
歩行が安定することは、足腰への負担軽減に繋がります。
体力が低下している高齢者の方でも、外出を楽しむことができます。
また自力で歩くことは、自信や喜びにも繋がります。
そのため、杖は心身ともにより健康でいるためのツールとも言えるでしょう。
3.杖の種類
高齢者に適した杖には、大きく分けて4つの種類があります。
まずは、どのタイプの杖が合いそうか?イメージしながら見ていきましょう。
①一本杖
杖の支柱部分(シャフト)に持ち手(グリップ)がついている、T字型の最もスタンダードな杖です。
メリット:
比較的軽く、特別な機能もないので扱いやすい
色やデザインが豊富
デメリット:
杖先が一点なので、強く体重をかけると不安定になる
こんな人におすすめ!
★杖がなくても歩けるが、バランスや体力に不安がある方
★持ち手(グリップ)をしっかり握れる方
一本杖にはT字の他に、持ち手がC字型のカーブになっている杖もあります。
C字型は、物を持ち上げる際に腕にかけられるなどのメリットがありますが、T字に比べて体重をかけたときの強度が弱いので、歩行補助にはあまり向いていません。
②多脚杖
杖先が3〜4点に分かれている杖です。
杖先の広さは様々で、広いほど安定感が増します。
メリット:
一本杖よりも着地面積が広く、安定性が高い
デメリット:
屋外(特に坂道や凸凹のある地面)では使いにくい
杖先が広くなるほど、邪魔になる上に重くなる
こんな人におすすめ!
★自宅や施設、病院など屋内で利用する方
★一本杖よりも高い安定性を求める方
★持ち手をしっかり握れる方
③可動式多脚杖(可動式四点杖)
(画像引用:https://shopping.c.yimg.jp/lib/livingut/289584-3.jpg)
多脚杖のデメリットである、「屋外での使用が困難」を補う杖です。
シャフト(杖の支柱部分)が前後に可動するので、坂道や凸凹した道のある屋外でも使いやすいです。
こんな人におすすめ!
★多脚杖を使いたいが、屋外での使用頻度が高い方
④ロフストランド杖
一本杖に前腕を通す輪(カフ)がついており、手と前腕の2点で体を支えることができる杖です。
持ち手をしっかり握れない方でも使えます。
ロフストランド杖には、カフがO字(全周)になっているタイプとカフがU字(半周)になっているタイプがあります。
メリット:
O字 腕が外れにくく安定性が高い
U字 装着がラク
デメリット:
O字 転倒時に腕を骨折してしまう恐れがある
U字 腕が外れやすく、安定性が低い
こんな人におすすめ!
★握る力が弱い・手首に力が入りにくい方
★一本杖よりも高い安定性を求める方
(画像引用:https://www.amazon.co.jp/ケイ・ホスピア-オッセンベルグ社-オールニーズクラッチ-ネイビー-左手用/dp/B00BVQYG1G)
4.杖の3つの選び方
杖の種類が決まったら、より合うものを見つけるためのポイントを押さえていきましょう。
○長さ
身長に合った長さの杖を選びましょう。
身長 ÷ 2 + 3cm = 目安の長さ
(例) 身長が150cmの場合
150cm ÷ 2 + 3cm = 78cm
※腰の曲がった方は、曲がった状態での身長で計算してください。
※個人差があるので、実際に持ってみて決めることをおすすめします。
また、長さ調節可能な伸縮式の杖もあります。
腰の曲がり具合などに合わせて、随時長さを調整したい方におすすめです。
○重さ
杖の素材には主に3つの種類があり、重さが違います。
軽
↑ カーボンファイバー製(比較的値段が高い)
アルミ製
↓ 木製
重
また、シャフト(支柱部分)が太いほど重くなります。
逆に言えば、シャフトが太いほど安定感は増しますが、小柄な方や女性、持ち上げる力が弱い方には、軽量の杖がおすすめです。
○グリップの握りやすさ
手の大きさや握力に合わせて選ぶと良いでしょう。
実際に握ってみて選ぶことをおすすめします。
木製のグリップに比べて、ソフト樹脂製のグリップは滑りにくいのでより安心して使えます。
○折りたたみ式
折りたためるタイプの杖もあります。
バックの中に収納できるので、時々使うだけの方や乗り物での長距離移動を伴う旅行時に便利です。
カーボンファイバー製とアルミ製の一本杖に多いですが、他の種類の杖にも多少あるので気になった方は探してみてください。
5.レンタル・購入方法
杖の入手方法は、購入とレンタルの二つが一般的です。
①購入する(1000円以下~3万円以上)
杖専門店もしくは福祉用具販売店での購入がおすすめです。
ホームセンターや百貨店、ネットショップ、100円ショップでも購入できますが、初めて杖を使う方は、専門の知識を持った販売員がいる前者がよいでしょう。
②レンタルする(月100円以下~月1500円以上)
いきなり高額の杖を購入するのはちょっと…という方は、レンタルで試してみるのもよいでしょう。
しかしレンタルには、
・一本杖はレンタル対象外
・介護保険が適用されるかどうかで値段が10倍違う
といった注意点があります。
介護保険は、要介護1以上の方に適用されます。
6.介護用歩行器について
介護用歩行器は、二本または四本の支柱から構成されるので、杖よりもさらに安定感があり、リハビリに使われることが多いです。
屋内用と屋外用があるので、目的や頻度にあわせて選びましょう。
杖と同様で、購入は福祉用具販売店をおすすめします。
もちろんレンタルも可能です。
価格は、杖の2~3倍程が目安です。
さいごに
足腰が弱っていく高齢者にとって、杖は日常生活の支えとなります。
毎日使うものであれば、自分に合ったものを使いたいですよね。
自分に合っているかどうかは、実際に持ってみないとどうしても分からないところがあります。
今回紹介した、杖の種類と選び方のポイントを押さえた上で、店舗に行く、もしくはレンタルしてみることで、ピッタリな杖を選びましょう。